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プロローグ 『呂布、漢の大地に舞い戻るのこと』

 

 ブルルー!ペロペロ、ペロペロ。


「・・・・ううん、・・・ああ、赤兎か。」


 何かに顔を舐められて起きてみれば、そこには幾万、幾億の戦場を共にして来た愛馬の『赤兎馬』がいた。


「お前がいるって事は、まだ足りないって事か・・・。なあ、そうなんだろ!」


 そう、一人で結論を出して、後ろにいる奴に呼びかけた。

 すると、後ろの林から人の出てくる気配がし、言った。


「うふふ、気づいてたんだ。まあ、貴方なら当然かしらね。天下無双、一騎当千の、そして武の極みのさらに上、本来なら人には辿り着けない境地に辿り着いた。いいえ、“辿り着いてしまった”貴方、『呂布奉先』ならね。」


 そう、俺は辿り着いてしまった。一世では武を極める事の出来なかった俺は“こいつ”の力を借りて幾つモノ世界を越えて死合い続けた。そしてこの力を手に入れた時、今まで進んできた道を振り返って、気づいた。自分の通ってきた道には、屍と涙と怨嗟しかない事に。その時、“こいつ”が現れて言った。


『だから言ったでしょ?貴方が武を極めた時絶対に後悔するって。でも、あの時貴方は、絶対後悔はしないって言ったけど、本当にそうだった?』


 そして、俺は今“こいつ”との契約で幾つモノ世界で罪を償うために武を振るい続けていた。


「御託はいい、今回は何所で何の手伝いをすればいい?

 あと、今回“おまえ”の事をなんて呼べばいい?」


 ちなみに俺が、“こいつ”を名前で呼んでいないのは世界ごとで名乗っている名前が違っていて、本名も知らないからだ。


「ふふ、せっかちね。この世界では『管路』と名乗って占い師をしているわ。あ、あと、貴方の予想はハズレよ。」


「ハズレってのはどういう意味だ?管路」


 と、管路の言葉に驚き振り返った。

 そこには、深紫色(ふかむらさきいろ)のローブを着て、フードを目深に被った占い師然とした女がいた。


「意味道理よ。貴方は、前の世界で償いを終え契約を完遂したのよ。」


「なら何故、俺は記憶を持ったままここにいる!?契約の内容を忘れた訳ではあるまい!?」


 年甲斐も無く、大声を上げてしまったら、管路は耳を押さえて言った。


「五月蝿いわね~。聞こえるから大きな声出さないでよ。それに、内容だって覚えてるわよ。」


 それなら――と、言い募ろうとした時、管路に手で待ったを掛けられた。


「だから、慌てないの!貴方幾つだか解っての?精神だけは十世紀、つまり千歳は越してるのよ?」


「うっ」


 幾つモノ世界で生きてきた俺は、精神だけは千年以上生きている事になる。


「それに、貴方の方こそ内容を覚えてる?」


「ああ、ちゃんと憶えてるさ。内容は―――」


-----------------------------------------------------------------------------

 『契約内容』


 呂布奉先は武を極めた時に自分の行いを悔いた時、以下の事を執行せねば為らない。


 第1条 身体的能力を制限された状態で、神が指定した世界を救うこと。(※救う世界は一つとは限らない。)


 第2条 神の指定する世界をすべて、救わなければ契約は終わらない。


 第3条 たまに、例外で息抜きのために平和な世界にも行かせる事もある。(※がんばり次第)


 第4条 契約終了後は魂に蓄積されているデータをリセットして転生させる。


                                    呂布奉先

------------------------------------------------------------------------------


「―――だろ?」


 と、契約内容を思い出し口にする。


「いいえ、最後のところ良く見てみて。」


 と言って、契約書を渡してきた。

 そして、目を凝らして読んでみた。


(俺の憶えてる通りじゃ・・・ない!?)


 最後のところに薄っすらと知らない項目が書いてあった。


「―――第5条 呂布が、もし世界救済をやり遂げた場合、神と世界の管理者達とで審議し、可決ならば呂布に一度だけ自由に生きる権利を与える。そして、死後に第4条に移行する。(※これは、決定事項ではないので極薄で表記する)―――って、ことは?」


 恐る恐る、管路に聞いてみる。


「そ♪そこに書いてある通りよ。ここと貴方が最初にいた世界は、私の管轄なの。他にも在るけど今は良いわよね。」


 管路はウインクしてきた後。


「で、そろそろ時間が無くなって来たからチャッチャカ行きましょ。まずは、はい!」


 折り畳み式携帯を渡して来た。


「これは、携帯?何でこんなもんを?」


 と疑問を口にすると


「この携帯は私と連絡を取る為の物よ。何か必要な物があったら連絡して、すぐ送るから。」


 と言ったら、管路はいきなり辺りを見回して言った。


「あらら、もう時間切れみたいね。すぐ必要な物があったら言ってね、今出すから。」


 と言って来たので、今必要な物を言ったら、管路は物を出して、出て来た林に去っていった。


「革のロングコートにTシャツに革ズボンに軍靴、そしてボクサーバッグに着替え一式と諸々、よし!」


 確認と気合を入れた所で、自分がRPGの村人みたいな服装なのに気づいて


「まずは着替えるか。来い、赤兎。」


 まずは着替えるために赤兎と林の中に入っていった。


管路の服装はステイナイトのキャスターっぽい感じです。

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