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100回目のご褒美

掲載日:2026/04/23

塾でもらえる最高のプレゼントとは…(・・?

俺はワクワクしながら、塾で勉強を進めていた。


今日で100日目となる、テストの連続満点記録。


ここで挫折してしまうと、俺が欲しいプレゼントは貰えない。


俺が通う塾では、テストで満点を何回か連続でとると賞品がもらえる。


文房具やノート、ルーズリーフが主だけど90回や100までいくと、電子辞書などをゲットすることができるのだ。


カリカリと鉛筆を走らせながら俺は賞品が書かれた表を見つめる。


(100回とれた時の最高賞品は何なのか知らされていない…アレは俺が欲しい…!)


テストを先生に提出し、俺は席に座って待つ。


(まだかな…まだかな…)


名前を呼ばれてテスト用紙が返される。


「あ!」


返ってきたのは100点満点のテスト用紙と、ラッピングに包まれた何かだった。


足取りがいつもより軽く感じる。


「ただいま〜!」


塾から帰ると、真っ先に部屋と戻りラッピングをはがす。


中から出てきたのは、電動の赤い鉛筆削りのようだった。


先生が丸をつける時に使う赤ペンの色だ。


「うぉ〜!すげぇ!」


シャーペンより鉛筆派の俺にとっては最高のプレゼントだ。


早速、今日使った鉛筆を削ってみた。


ガガガガガガガガガガガガガガガ


音を立てながら鉛筆が削れていく振動が手に伝わる。


音が止んだ時に、鉛筆を引っこ抜くと芯がきちんと尖り書き心地も滑らかだ。


ただ、削った後の匂いが少し気になる。


なんとなく、生臭い気がした。


次の日また塾に向かうと、いつも隣の席に座る友達に声をかけられた。


「ねね、賞品!ゲットしたんでしょ。流石だね」


褒められて嬉しかった俺は礼を言いながら、先生の席を見た。


「あれ?」


いつも担当している先生がいない。


「今日先生休みらしいよ。」


珍しいなと思いつつ、別の先生の講義を聞いて俺は塾を出た。


家に帰り、今日も使って丸くなった鉛筆を削る。


ガガガガガガガガガガガガガガガ


今度は削っている最中でも生臭さがあった。


(何の臭いだよこれ…)


俺は削りカスが溜まっているであろう場所をカパッと開けた。


「うわぁ!」


中には、赤やピンクが混ざったようなドロッとした何かが入っていた。


ガクガクと震えながら、俺は鉛筆削りを見つめていた。


次の塾の日、グロテスクな光景に耐えられず、俺は次の日鉛筆削りを返すことにした。


せっかく貰ったのに申し訳ないが、削る度にこれなのだから吐き気に耐えられそうにない。


申し訳なさと、不気味さがある複雑な気持ちで塾へと向かうと、そこには喪服を着た人達がいた。


俺の担当をしている先生が、亡くなってしまったので塾は休みとの事だった。


汗が額に浮かぶ。

喉がカラカラに渇き、足が震えた。


原因までは聞かなかったが、鉛筆削りと関係があるんじゃないかと思ってしまった俺は、ゴミ捨て場にそれを捨てて走って家へと帰った。


「ただいま…」


帰ってきて玄関を開けると、弟の声がした。


「おかえり〜ねぇ兄ちゃん、コレすっげぇ便利だっけよ」



嫌な予感がして弟がいるリビングを見る。


弟のランドセルについた青い鈴がチリンッと鳴った。


しかし、その音はガガガガガガガガガガガッとうるさい音にかき消される。


そこには目を輝かせて青い鉛筆削りを見る弟がいた。




最後まで読んでくださりありがとうございます!

塾での怖はい話があったら、面白そうだなと考えていた時に思いついた作品です(*^^)v

もし、気に入ってくださったら他の作品も読んでくださると嬉しいです!

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