100回目のご褒美
塾でもらえる最高のプレゼントとは…(・・?
俺はワクワクしながら、塾で勉強を進めていた。
今日で100日目となる、テストの連続満点記録。
ここで挫折してしまうと、俺が欲しいプレゼントは貰えない。
俺が通う塾では、テストで満点を何回か連続でとると賞品がもらえる。
文房具やノート、ルーズリーフが主だけど90回や100までいくと、電子辞書などをゲットすることができるのだ。
カリカリと鉛筆を走らせながら俺は賞品が書かれた表を見つめる。
(100回とれた時の最高賞品は何なのか知らされていない…アレは俺が欲しい…!)
テストを先生に提出し、俺は席に座って待つ。
(まだかな…まだかな…)
名前を呼ばれてテスト用紙が返される。
「あ!」
返ってきたのは100点満点のテスト用紙と、ラッピングに包まれた何かだった。
足取りがいつもより軽く感じる。
「ただいま〜!」
塾から帰ると、真っ先に部屋と戻りラッピングをはがす。
中から出てきたのは、電動の赤い鉛筆削りのようだった。
先生が丸をつける時に使う赤ペンの色だ。
「うぉ〜!すげぇ!」
シャーペンより鉛筆派の俺にとっては最高のプレゼントだ。
早速、今日使った鉛筆を削ってみた。
ガガガガガガガガガガガガガガガ
音を立てながら鉛筆が削れていく振動が手に伝わる。
音が止んだ時に、鉛筆を引っこ抜くと芯がきちんと尖り書き心地も滑らかだ。
ただ、削った後の匂いが少し気になる。
なんとなく、生臭い気がした。
次の日また塾に向かうと、いつも隣の席に座る友達に声をかけられた。
「ねね、賞品!ゲットしたんでしょ。流石だね」
褒められて嬉しかった俺は礼を言いながら、先生の席を見た。
「あれ?」
いつも担当している先生がいない。
「今日先生休みらしいよ。」
珍しいなと思いつつ、別の先生の講義を聞いて俺は塾を出た。
家に帰り、今日も使って丸くなった鉛筆を削る。
ガガガガガガガガガガガガガガガ
今度は削っている最中でも生臭さがあった。
(何の臭いだよこれ…)
俺は削りカスが溜まっているであろう場所をカパッと開けた。
「うわぁ!」
中には、赤やピンクが混ざったようなドロッとした何かが入っていた。
ガクガクと震えながら、俺は鉛筆削りを見つめていた。
次の塾の日、グロテスクな光景に耐えられず、俺は次の日鉛筆削りを返すことにした。
せっかく貰ったのに申し訳ないが、削る度にこれなのだから吐き気に耐えられそうにない。
申し訳なさと、不気味さがある複雑な気持ちで塾へと向かうと、そこには喪服を着た人達がいた。
俺の担当をしている先生が、亡くなってしまったので塾は休みとの事だった。
汗が額に浮かぶ。
喉がカラカラに渇き、足が震えた。
原因までは聞かなかったが、鉛筆削りと関係があるんじゃないかと思ってしまった俺は、ゴミ捨て場にそれを捨てて走って家へと帰った。
「ただいま…」
帰ってきて玄関を開けると、弟の声がした。
「おかえり〜ねぇ兄ちゃん、コレすっげぇ便利だっけよ」
嫌な予感がして弟がいるリビングを見る。
弟のランドセルについた青い鈴がチリンッと鳴った。
しかし、その音はガガガガガガガガガガガッとうるさい音にかき消される。
そこには目を輝かせて青い鉛筆削りを見る弟がいた。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
塾での怖はい話があったら、面白そうだなと考えていた時に思いついた作品です(*^^)v
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