第7話:書き手のイメージを完璧に伝える方法とは。
今回やや長めです。1000文字でまとめるってなかなか難しい……
イメージの日本語化も難しい……そんなお話。
K氏の小説がだいたい10話を超えた頃、1話を作るルーティーンみたいなものができた。
まずK氏が、超概要プロットから1話分の小説にざっくり起こして、私が読む。
なんやかんや会話して、K氏が推敲して、完成版に近いものをまた私が読む。
こんな感じ。
この『なんやかんや会話』の時間が、楽しい時間でもあるけど、大変でもある。
話数が進むごとに、だんだん長くなっていて……
その理由は、『書き手の意図』と『読み手の理解』のズレ問題。
「こういうことだよね?」「いや、ちがうよ」ということが、わりとあって。
認識合わせに、とにかくすごーく時間がかかる。
実は、最初のうちは『イマイチよくわかんないな』と思っても、わりとスルーしてたんですよ。
だって、自分の作品について何度も聞かれたら、K氏が嫌になるかもしれないし……
私が気にしてるだけで、他の読者は気にならないかもしれないし……
でも、いろいろと感想をいただくようになって、K氏も私も、少し意識が変わってきた。
やっぱり、私がモヤモヤする部分は、他の人が読んでもモヤモヤしてそう。
プロットを知ってる私がそうなら、他者はなおさらだよね。
K氏も、「もっと読みやすい小説を書きたいから、わからないところは言って」と。
それで、なるべく忖度なく聞くようにしたら……
私「ここのキャラさ、空飛んでて、広がる森を見てるんだよね?ということは遠景だよね?」
K氏「……ん?うん、そうね」(なんか怪しい返事)
私「なんで魔物の体表の血管まで見えるの?森の上から見てると思ったけど、森の中にいるの?」
K氏「上……、うん、上だね」(うろんげ)
……あやしい。相当怪しいぞ、これは。
私「えーと、ここで視界の端に攻撃をとらえて、慌てて避けて、止まって、注意深く見渡した感じ?」
K氏「いやいや、ここは高速で飛び去ってるから、止まってない」
私「……飛びながら振り向いて確認した?」
K氏「うん?……うーん、振り向いた、かも」
こんな感じのやりとりが、そのあと小1時間続いた──
一応K氏の名誉のために補足しておくと、いつもこんなわけでもなくて。
なぜか主人公の戦闘シーンは、わかりやすいことが多く、だいたい一読でわかる。
むしろテンポもいいし、迫力があると思う。(ちょっとひいき目あるかもですが)
じゃあ、どんなときに認識ズレが起こるのかというと。
たぶん、主人公の視線の外だったり、境界あたりの表現があるとき。(主人公の背後とか、身体の状態とか)
もう一つは遠景の入る表現のとき。
①~③のどれかがよくわからないことでズレが起こるっぽい。
①キャラが見ているモノ(視界になにが映ってるのか)
②複数キャラがいるときの位置関係
③そのエリアの構造
たしかに、よくよく考えてみると3つとも文章で書くと難しい表現なんだよねー。
特に日本語って、主語を省略できちゃうし、目的語の位置もわりと自由に置けちゃうから……
作者は頭の中にイメージがあるから、当然、そのイメージで文を書いている。
でも読み手は、これも当然だけど、目の前にある文章をもとにイメージを作る。
だから、ほんのちょっとの認識ズレが、読み手に全然違うイメージを作らせてる可能性があるわけで。
かといって、いちいち細かく書いてたら、読むのも怠いよね。
いやー……小説って難しいんだなあ。
いつもさらっと読み流してる文章は、きっと読み手が読みやすいように、作者の方々がいろいろと工夫されてるんでしょうね……
頭の中のイメージを読み手に伝えるために、工夫されていることや、気にしていることがあったら、教えていただけると嬉しいです!
K氏とのやりとりで出来上がったシーンが気になったら、クロクロ第21話へGo!
次回は「第8話:ドラマをつくろう。」です。
初心に戻るK氏。




