第13話:主人公はまだ何も知らない。
うっすら前回から続いていますが、フックに悩むお話。
長編小説に、あったらうれしいもの。
──それは、フックだ!(※ 個人の感想です)
ということで、K氏。
この先のストーリーラインの予兆エピソードを考え始めることに。
K氏「フックと言っても……主人公は、まだなにも知らないんだよなぁ……」
私「そうなんだよねぇ……」
K氏「たとえば、異変の予兆を書いたとしてもさ。主人公は初めて見るんだから、『ここはそういう場所なのか』って思うよね」
私「……そっか。普段のダンジョンなんて知らないから」
初めて『8番出口』やるときに、0番を通ってないような感じか……
正解例を知らなかったら、間違いの探しようがないもんね。
K氏「そうそう。今後のエピソードの中で徐々に、主人公がストーリーの根幹に触れる予定なんだよ」
……なんか、思ったより難しいな。
この後の展開も考えると、まだ主人公は知らないほうがいい。
でも、読み手には新たな展開を予感させたい。
──主人公がまだ知らない事実を、どうやって読者に予感させれば良いのか。
考え込むK氏と私。
私「これはさ、もう主人公視点じゃないところで、『何かが起こりそう』という表現を書くしかないんじゃない?」
K氏「え……」(固まる)
……うん、そうなるだろうと思った。
K氏は、いわゆる『神視点』という書き方が苦手らしく。
「ストーリーの中にいるキャラクターの視点」で書きたい人なんだよね。
というと……これしかない。
私「えーと、①いつものダンジョンを知ってて、②異変の起こる場所まで行けるキャラの『視点』だね……」
K氏の小説は、登場人物がまだそんなに多くないので、この2つの条件だけで決まったようなものでして。
『フック』の語り部は、わりと簡単に決まった。
あとは「どこでどう書くのか」だけど、これはなるはやで入れたい要素。
本格的なストーリーラインが、まだ少し先になるからこそ、「これから起こる事件」を予告しておきたいんだもんね。
このとき私は、わりと楽観的に考えていた。
だって、主人公とは別の視点の余談なわけだし。
近々UP予定のエピソードがなんであれ、後ろに付け足すだけの簡単なお仕事でしょ、ってね。
K氏「えーと……今の予定だと、次はこの話で……あれ?」(首をかしげる)
私「……あれ??」(いやな予感)
K氏「すでにここまで投稿しちゃってて、次から新展開『冒険者の回』でしょ。ここに入れるとさすがに不自然じゃない?」
私「……」
そりゃもう、主人公たちと遠く離れた「冒険者たちのエピソード」で、主人公が出てこない「ダンジョンの深層エピソード」が、いきなり語られたら……
──不自然極まりないに決まってる。
このあと小一時間、どこにフックエピソードを差し込むか、悩むことになり。
さらに数時間費やして、そのエピソードを練りこむことになるのは、また別の話。(「第7話:書き手のイメージを完璧に伝える方法とは。」←気になるあなたに)
さて、今回は『神視点』について。
最近は、3人称の語り口で、主人公に寄ってない描写を『神視点』と言うらしいですね。
いわゆる『なろう系』小説では、あまり推奨されないんだとか……
「メインは1人称だけど、『神視点』を効果的に使ってるよ」という例があったら、ぜひ教えてください!
読み手の方からも「『神視点』で全部読むのはなぁ……」とか「いやいや『神視点』、カッコよくていいじゃない!」とか、コメントいろいろ聞いてみたいです。
私は、けっこう『神視点』好きです。
次回は「第14話:文章におけるゲシュ崩現象について。」です。
これはループ……?
──いや、細部が少しづつ……変化している。




