第3章:副長、売られる
「おい、なんで俺が競りにかけられてるんだ!?」
副長ライナー・クロフォードの叫びが、煌びやかな宇宙オークション会場に響き渡る。
舞台の上、ライナーは鎖でつながれた状態で、スポットライトを浴びていた。
『さあさあ、お待ちかねの目玉商品! 伝説の戦艦《スターダスト号》の副長、ライナー・クロフォード! 彼を手に入れれば、宇宙戦艦の操縦もバッチリ! 料理も掃除も完璧! しかもイケメン! さあ、入札スタート!』
「ふざけんなああああ!!」
オークション会場の客たちがざわめく。
「クールな副長……いいわねぇ……!」
「戦艦の操縦士か、これは使える!」
「筋肉がいい感じじゃ……!」
「やめろおおおおお!!」
ライナーが必死に暴れるが、鎖がガッチリ固定されていて逃げられない。
数時間前——《スターダスト号》にて
「よし! 今日は給料日だし、たまには豪勢な飯でも食べるか!」
ライナーがそう提案すると、艦長レイラの目がキラリと光った。
「それなら宇宙オークションに行きましょう! すっごくレアな宇宙食が手に入るらしいわ!」
「オークション? まぁ、変なもん買わなければ……」
そんな軽い気持ちでオークション会場に向かったライナーだったが、着いて早々に罠にはめられた。
「副長、ちょっとあそこの試食コーナー見てきてくれる?」
「ああ、任せろ」
——5分後。
「おい艦長! なんか知らんが、俺、オークションに出されてるんだけど!?」
「あー……間違えてあなたの入札カードを"出品"にしちゃったみたい」
「間違えるなあああ!!」
オークション会場——現在
『さあ、どんどん入札が入っています! 100万クレジット! 120万クレジット!』
「おい、何とかしろおおお!!」
そんなライナーの絶叫が響く中、オークション会場の奥から、ゆったりと手を上げる男がいた。
長いローブをまとい、金色の仮面をつけた、いかにもヤバそうな雰囲気の男だ。
『おおっと、300万クレジット! これは大きな入札です!』
ライナーは青ざめる。
「おい、誰だあいつ……?」
その瞬間、仮面の男が静かに言った。
「……副長、迎えに来ました」
「え?」
次の瞬間、男が仮面を外す。
「艦長!?」
仮面の下から現れたのは、いつものポンコツ艦長レイラ・スピカだった。
「……300万クレジットは、艦の予算から払っといてね☆」
「やめろおおおおおお!!!」
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