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第8話 川を見つけたらやっぱアレでしょ

みなさん、おはようございます。

昨晩は初めての異世界、初めての野営で緊張してあまり寝られなかったオルカ先生です。

(クイッ。 左手の中指で眼鏡を上げる真似。)


夜中に草がガサガサと言う音が聞こえるたびに目が覚めてしまって熟睡出来なかった。

もう少し寝ていたいが朝陽が昇り始めると周りが明るくなり寝ていられなくなってしまった。

むぅ、仕方ない、起きるとするか。

まずは意識を集中して周りの様子を窺う。

チュンチュン、チチチチ。 小鳥のさえずる声が耳に心地いい。

獣の気配は感じられないような気がする。 大丈夫みたいだな。

そう判断して土壁に手を置き魔力を流し出入口を開ける。

囲いから外に出て 「ん、んんん~っ。」 両手を上にあげ、ぐぐ~っと伸びをする。


「はぁ~、おはよう。」


別に誰かに言う訳でもないが何となく言ってみる。 挨拶は大事だしな。

周囲を見回すと薄っすらと朝もやが掛かって幻想的で美しい光景だった。

季節が分からないが少し肌寒い程度だから季節的には初夏前の春ぐらいだろうか。

被っていた毛布が朝露で光っていて、顔や髪の毛も同じように濡れていた。

濡れたままと言うのも気になるので昨日覚えたばかりの『乾燥』の魔法を自分や毛布にかけサッと乾かす。

少し肌寒い朝に温風と言うのは気持ちいい。


スッキリとした所で朝食にする。

今朝のメニューは何かなっと、、、昨日と同じ塩辛い干し肉と果物 でした。

だってこれしか持ってないんだもん、私のせいじゃないもん。


朝ごはんを食べたなら普通は「歯磨き」をするんだが私はそうゆう日常生活に必要な物は何も持ってない。

せめて塩だけでもあれば良かったのだが塩すらも持っていない。

「仕方ない、水だけで磨くか。」

口に指を入れごしごしと歯をこする。

美少女とも言える私としては大変不本意だが歯ブラシも歯磨き粉も塩も何もないのでは仕方ない。

誰か他の人に見られる心配がないのだけが救いか。


さて、今日は何をする? やらなければならない事は沢山あるが、まずはステータスチェックから。


「ステータス」


名前  オルカ・ジョーノ(城之内 薫)

種族  半神 界渡り人

職業  無職 巨乳 美少女

年齢  13歳

HP   100/100

MP   490/550

ユニークスキル

 言語理解

 創造魔法

 スキル獲得優遇

 魔法の才能

 芳香異体

 ストレージ /時間経過無効1つ・容量制限有(地球一個分)・時間経過有1つ

スキル

 魔法 火  LV2

 魔法 水  LV2

 魔法 風  LV2

 魔法 土  LV2

 魔法 木  LV2

 マッピング LV1

 鑑定    LV2

 魅了    LV1

 気配遮断  LV1

 探知    LV1

 探索    LV1

 索敵    LV1

 警戒    LV1

 木材加工  LV1

 豪運    LV777

 

女神の祝福

 HP/MP 自動回復(小)

 毒・麻痺・呪い・魅了・混乱等の状態異常耐性(小)


今の私のステータス。

昨日はMP500だったのに50も増えてMP550になってる!

もしかして魔力って使えば使うほど総魔力量が増えるとか?


あと、スキルがめっちゃ増えてるっ!?

昨日魔法で色々やっていたからか魔法が全部LV2になってるし、『鑑定』もLV2に上がってた。

他には『気配遮断』『警戒』『探知』『探索』『索敵』『木材加工』それぞれLV1で新たに覚えてた。

『スキル獲得優遇』さんがいい仕事してる。 いや、すっごくいい仕事してる!頑張りすぎなくらいだよ。


『気配遮断』 気配を抑えるスキル。 周りから認識されにくくなる。

『探知』『探索』『索敵』『警戒』 これらは同系統のスキル群。

同系統だけど微妙に違う。

あっているかどうか分からないけれど、自分なりの見解から言うと、

『探知』は何があるのか探る事、知見を求めて探る事。

『探索』は目的を持って対象物を探す事。

『索敵』は自分に対して敵意や害意を持つ対象や、自分が敵認定している対象を探す事。

『警戒』は自分に対して敵意や害意を持つ対象が居たらアラートを出すスキル。

こんな感じなんじゃないかと思う。

『木材加工』はそのまんま木を加工する時に補助してくれるスキル。


チートや、私ってチートさんやったんや!

ひゃっほ~。

あ、いかんいかん 取り乱してしまった。


閑話休題


この世界には魔法がある。

うん、昨日から身をもってそれを実感してる。

女神様が言うには魔法には属性と言うものがあって、火・風・水・土・木・光・闇・重・時空・命 の全部で10種類の属性があり、その内 火・風・水・土・木 の5つを基本属性と呼ぶんだそうだ。

なので一般的に全属性持ちと言えば基本属性5つ持ちの意味となる。

で、私は女神様のご厚意により100万人に1人というレアな全属性持ち。

女神様ありがたやー。 ごめん ふざけてる場合じゃなかった。

残りの 光・闇・重・時空・命 は後天的に覚える属性で、基本属性全てに適性がないと取得出来ないのだとか。

光・闇・重・時空・命 の属性魔法の習得は本人しだい。 弛まぬ努力、不屈の精神でもって成し遂げられるという。

つまり簡単に言うと、とっても難しい!って事。

ま、私はいいや。 あんまりしんどいのって好きくないし。

折角の異世界なんだしのんびり面白おかしく生きて行くんだから。


そうそう、『鑑定』さんがLV2になってたので早速『鑑定』してみる。

昨日はただの「草」って出てたやつ、今日はと言うと……「雑草」って出た。

雑草かよ……。

名前すら表示されないって……もっと他になかったのかよ。

いや、確かに進歩してるよ。 エライと思うよ、うん。 でも微妙なんだよ。

「石」は「小石」とか、「土」は「乾いた土」とかになった。

分かったよ、もっと『鑑定』頑張れってんだな。 オーケイ、了解だ。

今日は目についた物は片っ端から『鑑定』していこう。

何か面白い物とか役に立つ物が見つかるかもしれないし、LV上げも出来て一石二鳥だしな。



まずは今の拠点にしているここから少しづつ行動範囲を広げていこう。

開けて広場みたいになっているこの場所の周りを軽く散策してみる。

「マッピング」

すると視界にマップが重なるように浮かび上がった。

自分が歩いたところは自動で記録されるようで、まだ行ってないところはグレーアウトしていて何も表示がなかった。

野営地を直近の拠点指定しておいて、さらに行動範囲を拡げるべく歩き始める。


万が一の事を考えて迷わないように低い木の枝を切り落として目印にしておくも忘れない。

定期的に『探知』や『警戒』と言ったスキルを使い分けながら歩いていく。


「お、良さそうな蔦発見。」


何かに使えるかもしれないし回収しておこう。 蔦をナイフで切り取ってストレージに仕舞う。

時々マッピングで確認しながら進んでゆく。

30分程歩いただろうか、


……サラサラ


「水の音が聞こえる。」


やった、水場だ。 これで水が確保出来る。

洗濯も出来るし、水浴びも出来るかも。

逸る心を抑えつつ急ぎ足で音のする方へ進んでいく。


キラキラと光る水面(みなも)

見えたっ! 川だっ!

早速『マッピング』で拠点登録しておく。 これで次から迷うことなくここまで来られるようになった。


河原へ出てみる。

結構広いな、河原だけでも十分な広さがある。

ブーツを脱いで川に入ってみる。

川幅はそこそこある、10mくらいはありそうだ。


「っ! 水が冷たーい。」


透明度が高く水底が見える。

足元を魚がすり抜けるように泳いでいく。


「お魚っ!」


テンション上がる~。 お魚食べたい!

やばっ、焼き魚とか想像したらツバ出てきた。

干し肉って美味しくないんだよ。

私は干し肉より焼き魚が食 べ た い ん だ!


ところがだ、私は釣り竿なんて持ってない。

釣り糸もない、釣り針も ない。

これでどうやって釣りをする?

焼き魚を諦めろと申すか。

いやいや、それはない。 目の前にお魚が居るのに諦めると言う選択肢はない。

ならどうするか、漁に決まってるだろ。

投げ網はないので「やな漁」にしようと思う。

幸い材料となる木材なら周りにいくらでもあるので、木の魔法と木材加工スキルで簀子(すのこ)は作れる。

後は足場だが、足場は土魔法でいけるだろうからこれで大丈夫だ。


早速森の中に戻って適当な太さの木を探す。

木はある。 そこかしこにある。

しかしどうやって木を伐採する? 私は斧など持ってないぞ。

斧を作るにしても材料としての金属が要る。

そうしたら次はどうやって鉱脈を見つける?って話になって堂々巡りに陥ってしまう。


ならやっぱファンタジー世界らしく魔法で切り倒すしかないか。

今の私は「風刃」や「水刃」が使えるので威力を上げれば木を切り倒す事が出来るかもしれない。

考えるよりはまずはやってみよう。 ダメならダメでまた考えればいいじゃないか。




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