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第53話 お薬を作ろう ②

ポーションを作るんだけど、まずはテントを取り出して設置。

それから土魔法で大き目のテーブルを作り出す。

そこまでしてから、


(くーちゃんたちは狩りしたいよね? いいよ、行って来ても。 こっちは大丈夫だから。)


(ですが、主様をお守りするがわたくしの務め。それをせずして狩りなどと……)


あーもう、そんな固い事言いっこなしで!

くーちゃんもたまには息抜きがてら狩りでもしておいで、こっちは大丈夫だから。 ね。

ちゃんと結界石も使うから。

あれなら大抵の攻撃は防げちゃうからね。

本当に身の危険を感じるようなら魔法ぶっ放すよ、全力で!

それでもどうしても心配なら途中で戻ってくればいいじゃない。

さくちゃんと一緒に何か美味しいお肉でも狩って来てよ。

そう言って半ば無理やりに送り出した。


くーちゃん余程心配なのかしょっちゅうこちらを振り返りながら狩りに行ったよ。

ほんと心配性なんだから。でもちょっと嬉しい。

くーちゃんたちが私の事を心配してくれるのと同じく、私もくーちゃんたちの事はいつも気に掛けてるし心配もしてるんだよ。

気をつけて行ってらっしゃい。


くーちゃんたちを見送って私は行動に移る。

結界石作動。これ、絶対必要。

結界の範囲をテントとテーブルの両方を覆うように展開する。

これで一安心。


材料をストレージから取り出して、ポーション作りに必要な器具類も出して と。

それらをテーブルの上に乗せる。

ポーションの他にも解毒薬とかも作りたいからさっさと始めようかな。


実を言うとポーションの作り方なんて知らない。

知らないんだけど材料さえあれば後は『創造魔法』が何とかしてくれる。

その時に必要なスキルも取得出来るはず。

そうすると次からはもっと楽にポーションが作れるようになる予定。

今までもそうだった。

色んな魔法を使う度にそれに必要なスキルが増えていったからね。

だから今回も上手くいくハズ。


ポーションを入れる容器は雑貨屋で買ってある。

素焼きの陶器のような入れ物だね。

もしかしてこの世界って焼き物ってあまり発達してないっぽい?

だったら前に作った薪窯が役に立つときが来るかもしれないわね。

っと、話がそれたね、その容器を『鑑定』&『分析』で調べて同じような物を『土魔法』で作る。

取り合えず100個程作っておいた。


まずここでポーションとかお薬の概要を。

ポーションとは要は傷薬ね。

前世で言う所のRPGゲームなんかに良く出て来てたアレに近い物って言えば分かりやすいかな。

ところが決定的に違うのは、前世のRPGゲームに出て来てたのはHPまで回復してたけどこっちの世界のは傷は治せるけどHPまでは回復しない事。

なのでHPの回復には専用の回復薬が必要なの。

もちろん回復薬も作る予定。

それと解毒薬もね。

ゲームなら毒を受けても行動出来るけど生身の身体だとそうは行かないと思うのよ。

すぐに解毒しないと命に係わったりとかね。

だからこれらのお薬はあった方がいいよねって話。

それに必要なくなったら売れば路銀の足しにもなるしね。

けれど私は

 

HP/MP 自動回復(小)

毒・麻痺・呪い・魅了・混乱等の状態異常耐性(小)


持ってるからあまり必要性は感じないけど、私じゃない誰かが必要になった時に持ってるのと持ってないのとじゃ全然違うから。

一応作る予定なのはこんな感じ。


治療薬

 ポーション        擦り傷 軽い傷 気休め程度

 ミッドポーション     冒険者が一番良く使うポーション ちょっと大き目の切り傷まで効く

 ハイポーション      深手の傷まで対応 通常流通しているポーションの最上位

 エクストラハイポーション 部位欠損は治せないがそれ以外であればたちどころに治す

              一般には流通していない、貴族専用


回復薬

 HP回復薬(効果小)   HPが少し回復する

 HP回復薬(効果中)   HPがもう少し回復する

 HP回復薬(効果大)   HPが大きく回復する


解毒薬

 解毒薬(効果小)    弱毒対応

 解毒薬(効果中)    一般的な毒にほぼ対応

 解毒薬(効果大)    即死級の毒以外なら対応


まずはポーションを作製する。

1回につき1個だけ、『創造魔法』さんによるゴリ押しで作る。

これを数回繰り返したところでステータスで確認するとしっかりと『調合』スキルが生えていた。

ラッキー♪

これで良し。

スキルを獲得出来たのでこれで今までより少し効率よく作業出来るね。

一気に100個まで作る。

一番下のポーションが100個あまり出来た。

次はこれらを材料にしてミッドポーションが出来るかやってみたら、多少の魔力と引き換えにあっさりとミッドポーションが作れてしまった。

魔法ってすんごい便利だね。

ポーション×4個でミッドポーションが1個。

思ったより効率が良くないけど残りのポーション全部ミッドポーションに変換したら、全部でミッドポーションが25個出来たよ。

次はあると便利なハイポーションを作ろうと思うんだけど、これまでの経験上多分出来ると思うのよ。

ただミッドポーションがどれくらい必要なのかなって。

なので25個のミッドポーションを並べてハイポーション1個だけ指定して作ってみると、ミッドポーションが20個残った。

つまりミッドポーション×5個でハイポーション1個。

残りの20個もハイポーションに変えておく。

これでいざと言う時の保険が5個確保出来た事になる。

本当はエクストラハイポーションも作りたかったけど材料が足りないらしくて作れなかった、残念だわ。

材料の薬草も魔力もまだまだたっぷりあるので一番良く使うであろうミッドをあと100個作ることにした。

これで安心材料確保ね。


同じように回復薬や解毒薬も作ってみた。

さっきまでのポーション作りでレベルが上がってたみたい。

回復薬も解毒薬も失敗もなく順調に作製出来た。

『調合』さんいい仕事してますねー。

お姉さん褒めてあげるよ。

回復薬・解毒薬は効果中を50個、効果大を5個づつ作ってストレージに仕舞っておいた。

これでお薬関係は大体終了かな。


ちょっと休憩。

ストレージから果物を取り出しておやつタイム。

今日のおやつはメロンにしよう。

ヒビの入ったメロンて美味しいよね~。

前世ではヒビのないつるつるした王子なメロンしか食べた事なかったのに。


ん~♪


瑞々しくて甘くて美味しい~。

リラックスモードでのんびりおやつしていると、

ん? 探知に高速で動く反応が。

これはくーちゃん?かな。

すると白銀のコートをなびかせてくーちゃんが戻ってきた。


(ただ今戻りました。)


うん、お帰り。

狩りは楽しかった?


(ところでさくちゃんが居ないけどどうしたの?)


え? なになに。

狩りをしてたら楽しくなってしまって狩り過ぎたと。

さくちゃんが思いの他強くて、溶解液をビュッビュッと飛ばして魔物を倒してゆくもんだから調子に乗ってしまったんだって。

それで、倒した魔物の数がすごい事になって、ちょっとした小山になってしまった。

なので運んで来られなくなったのでさくちゃんを見張りに残して私を呼びに来たと言う訳ね。

了解、理解したよ。

(じゃ、早速回収に行こうか。)

(ここから遠いの?)


(いえ、左程では。)


そっか、なら善は急げだよ。

どうせまた戻って来るんだけど一応テントやテーブルは片付けておこうかな。

くーちゃん、お待たせ。

それでは行こっか。

私は身体強化を使ってくーちゃんの後に続いて森の中を疾走する。

ウーズの森では良く走ったなぁ。

あれで鍛えられたんだよね。


あ、さくちゃんの反応見っけ。

すると小高いうず高く積まれた魔物の山が見えてきた。


うわぁ……………………これたま沢山狩ったねぇ。


走る私たちを見つけたさくちゃんがピョンピョン飛び跳ねて喜んでる。


(ご主人様、私も沢山狩りましたー!)

(うん、くーちゃんから聞いたよ。さくちゃん頑張ったんだよね、エライエライ。)


すごいねー魔物のオンパレードだよ。

角兎、爪兎、跳び兎はお初の魔物だね。

猪に鹿は良く見かけるし、狼も居るね。

小鬼にホブゴブリン、コボルトも居る。

どれも首と胴体がすっぱりと綺麗な切り口で泣き別れになってるのと、脳天に溶けたような穴が開いたのが混じってる。

二人ともすごいね。

あれ、見た事ないのがまだ居る。

これ何だろう?

『鑑定』さん出番だよ。

ええっと、なになに。

この魔物はバジリスク……


ええーーっ!!!!


(これってヤバいやつじゃないの?)


バジリスクって言えば蛇の魔物で石化と毒ってイメージなんだけど……

これは何か違うくない?

鶏みたいに鶏冠があるよ?

あれ? なんか違った?


(あ、それは見掛け倒しの弱い魔物でございました。)


ま、まぁ、くーちゃんに掛かれば大概の魔物は弱いと思うよ。

鑑定さんをもう一度よーく見てみると、「バジリスク 鶏のような鶏冠を持つトカゲの魔物 毒はなく 危険度低い 味は淡白で美味」。

あっれー、なんかイメージしてたのと違いすぎ。

しかも味は美味!って。

これはラッキーかも。

ねぇ、二人とも、コカトリスとバジリスクを見たら問答無用で狩ってね。

美味しいんだって♪


(二人ともどうする? まだ狩りを続ける?)


私は一旦さっきのとこまで戻ってまた作業続けるけど?

二人が狩ってくれた魔物をストレージに仕舞いながらどうするか質問する。


(そうでございますね、この森はまだまだ魔物が居そうですしもう少し楽し……こほん、桜の鍛錬を続けようかと。)

(うん、私も鍛錬するー!)


くーちゃん今楽しむって言いかけて、直したよね。

ふふ、まぁいいけど。

くーちゃん・さくちゃんが楽しいならそれが何よりだよ。

いいよ、楽しんでおいで、ね。


(じゃ、私は戻るけどくーちゃん・さくちゃん護衛してくれる?)


((御意!))


さっきの所まで戻ってもう一度探知してみる。


(うん、特に問題はなさそうだね。)


(左様でございますね、主様宜しいのではないですか?)


だねー、じゃまた続きをするよ。

私はストレージからテントだして、土魔法で大きいテーブルを作る。

それからテントの横辺りに竈を作ってティーポットを火にくべる。

椅子を作って、すとんと座る。

結界石に魔力を満タンまで補充して、起動。

準備はOK。



さて、次は設計図を作ろうか。







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