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第4話 私 女の子になってるんですけど

異世界にやって来た主人公

次回から森の中をふらふらと探索します

初異世界人登場までもう暫くかかります、ご容赦を



「ん、ううん。」


頬を撫でる風がとても優しくて気持ちいい。

小鳥のさえずり、木々の葉っぱがさわさわと擦れる音が聞こえる。

柔らかな下草、優しくも暖かな日差しが差し込む森の中。

優しい音色で目が覚めるとそこは異世界だった。

ん、当たり前。 異世界に来たんだからな。


私は木の幹の根本で背中を預けて寄りかかるように座りながら眠っていたようだ。

どれくらい眠っていたのだろうか。

霞がかかったような意識がゆっくりと覚醒していく。

ボーっとしばらく周りの木々の景色を眺めていた。

すごく綺麗ところだ。

これが異世界の森か。 地球の森とさして違いは感じられない。

私が寄りかかっている木の周囲は開けていて、ちょっとした広さだ。

木々は適度に間隔を開けて立っており、木漏れ日が暖かな明かりを地面に落としている。

小鳥のさえずり、葉と葉が風と戯れ擦れる音、森の優しい音々が私の耳をくすぐる。

少し注意して周りを見てみるが獣らしき姿は確認出来ない。

ここはどうやら安全な場所のようだ。

女神さまに感謝だな。


そう言えば女神様が「向こうへ着いてもすぐに移動したりせずに、まずはご自身のステータスと持ち物の確認をして下さいね。」そう言っていたな。

なるほど、確かにそうだ。 安全大事。

ならば、まずは現状確認からか。

私は「ステータ……」。


っ!!!


ぎくりとする。 声がおかしい。 女性の声が聞こえた。

一瞬近くに女性でも居るのかと思ったがここに居るのは自分一人だけである。

つまり今聞こえた声は私の声?


はいっ?! どうゆう事? ええ?


いや、確かに状況的にはそうとしか考えられないのだが、しかし。

訳が分からん。 頭が混乱してきた。

『異世界()転生』したらでなくて『異世界()転性』してました!なんてそんな小説みたいな事が実際に起こり得るのか?


あわあわしていると自分の腕が見えた。 綺麗で華奢で細い腕、白魚のような白くしなやかな指。

投げ出すように伸ばしたほっそりとした脚、ぴっちりとした革製のパンツ、キュッとくびれた細い腰。

くるぶしまで覆われた小さなサイズの革製のショートブーツ。

どこからどう見ても女性にしか見えない。

顔を動かすと髪の毛がふわりと揺れ頬や耳に触れる。

おかしい、確か私は短髪だった筈なのだが。


恐る恐る目線を下へ少し動かすとそこにはなだらかで柔らかそうで、それでいてはっきりと主張する双丘があった。



ええええええええええええええええええええっ!!



辺りに私の絶叫が響き渡る。


っ!


咄嗟に両手で口を押える。

思わず大声を出してしまったが大丈夫だっただろうか。

私の叫び声を聞きつけて獣とかがやって来たらどうしよう。

キョロキョロと辺りを見まわしてみる。

息を殺し耳を澄ます。

ふぅ。 どうやら大丈夫そうだ。


双丘のくっきりとした谷間。 意外と大きい。

左手で髪の毛を梳かすように耳にかけながら、右手で柔丘をちょんとつついてみた。

 

ぷるるん♪


もう疑う余地はない。

間違いない、私は女の子になってしまったようだ。

オー マイ ガー。 なんてこった。

あの女神様 もとい 駄女神様はどこでどう間違えたら私を女の子だと思ったのだ?

そう言えばあの時


「一応確認ですがあなたのお名前は『じょうのうち かおる』さんで間違いないですよね?」


と言っていたな。

しかも送り出すときに「あっ!」とか言って無かったか……


……まさかな。 普通は間違えないよな、普通は。

けど しかし うん、きっと『薫』と『香流』を間違えたんだろうな。

はぁ 何と言うか……。


もう乾いた笑いしか出てこないわ。

あはは…


「空が青いな~ 風が気持ちいい~」


鈴を転がすような声が聞こえる。

これが私の声か。 美少女の予感。

なんか要らぬトラブルを呼び込みそうな気がするな。

くわばら くわばら。


何だかもうどうにでもなれって感じで多少投げやりな気分になりはしたけど、現状の確認はしないといけない。

まずはステータスの確認だ。


「ステータス」


つぶやくと視界の中にホログラムのようにふわりとステータスが浮かび上がる。


『名前を決めて下さい(城之内 薫)』


名前入力! そこからか! マジか!

なんかほんとゲームみたいだな。

これ、リアルの生きてる世界なんだよな?

ねぇ女神様、ほんとこの世界大丈夫か?


っと、名前 名前。 何がいいのやら。

ゲームっぽい世界なんだから、いつもゲームする時に使ってたキャラクター名でいいかな。

どうせこっちには知り合いなんか居る筈もないんだし、この女性が私だとは誰も気づくまいて。

うん、ならば決定。

私の名前は『オルカ・ジョーノ』だ。

そう言うと


ぽわわわわわ~ん


私の身体が淡く光りだしステータスが反映された。

すごっ! まさにゲーム感覚だな。

ちなみにステータス画面を消すときは「クローズ」で消せた。

今度は声に出さずに心の中で「ステータス」と念じてみる。

出せた。 これは便利だな。


そして名前登録を終えた私のステータスは以下の通りだ。



名前  オルカ・ジョーノ(城之内 薫)

種族  半神 界渡り人

職業  無職 巨乳 美少女

年齢  13歳

HP   100/100

MP   500/500

ユニークスキル

 言語理解

 創造魔法

 スキル獲得優遇

 魔法の才能

 芳香異体

 ストレージ /時間経過無効1つ・容量制限有(地球一個分)・時間経過有1つ

スキル

 マッピング LV1

 鑑定    LV1

 魅了    LV1

 豪運    LV777

 魔法属性適性:全属性

女神の祝福

 HP/MP 自動回復(小)

 毒・麻痺・呪い・魅了・混乱等の状態異常耐性(小)



突っ込みどころ満載。 駄女神様やらかしたな。





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