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第26話 初めてのキャッキャウフフ♪

私ね、2人の女性冒険者を助けたの。

魔物に襲われてるのを助けてあげて、ギルドに一緒に付いて行って説明をしてあげる約束をして、晩ごはんご馳走して、美味しいフルーツを出してあげたら非常識だって怒られてね、意味が分かんないオルカです。


「オルカさん、なにブツブツ言ってんの、もう怒ってないから機嫌直してよー。」


別に私怒ってなんかないんだからね。

ぷんすか。

頬をぷくっと膨らませて「別に怒ってないもん。」ってプイってしたら二人に


「「そんな可愛く怒られても~」」


なんて言われて頬っぺたツンツンされて笑われた。

んもう。


でも、なんかこうゆうのいいかも。

こっちに来て人と喋ったのって初めてだからすごく楽しくってね。

美少女に転性してちゃんと女の子としてやっていけるのかって心配してたけど杞憂だったわね。

思いのほか順応してる自分にビックリ。

まぁ、最初に知り合ったのがリズさんとメロディちゃんだったのが良かっただけかも知れないんだけれど。

他の人だったらこんなにすぐに仲良くはなれなかったかもね。

焚火を囲んでお茶を飲みながらの女子会は楽しく会話も弾んで、


「ちょっと聞きたいんだけど、あ、言いたくないなって思ったら別に答えなくてもいいんだけど、二人はHPってどれくらいあるの? 私はHP110なの。」


何となくだけど私のHPって少ないような気がするの。

普通の人と冒険者、男女の差とかあると思うのね、この世界の標準ってどれくらいなんだろうって気になって気になって。


「オルカさんあんなに強くて110? 意外なほど少ないわね。」

「ホントですね、私は170で、リズは190くらい?」


あらま、二人とも私よりかなり多いのね。

一般的な成人女性が90~130くらいって言うから私はちょうどド真ん中ね。


「まぁ私はまだ成人前だしこんなものなのかも。」


女性冒険者でも高ランクになればなるほどそれに比例してHPは増えてくんだって。

普通の男性冒険者だとだいたい300前後くらいで、高ランクで800くらい。

1000超えだと騎士団クラス、王国の近衛隊クラスは1500超えから青天井。


「ちょ、ちょっと待って。 今成人前って言わなかった?」


え? 言ったけど何か?


「私13歳よ。 もうすぐ14歳になるけれど。 二人はいくつなの?」


「私もメロディも15歳、成人してるわ。」

「そうです、れっきとした大人の女性ですよー。」


「え? 二人とも成人してる? メロディさんも? うそ。」


「うそって何ですか、オルカさん。 私そんなに幼く見えます?」

「まぁ、メロディはそう見えなくもないわね。」

「リズまで~、失礼しちゃうわ。」


「でもメロディさん可愛らしいから。 ねっ。」


私は くすっ と笑ってしまう。


「もぉ、ほら~。リズのせいでオルカさんに笑われちゃったじゃない。でもほんと、オルカさんて大人っぽいですよねー。」

「ホントよね、13歳にしてその色香と艶っぽさと妖艶さって……末恐ろしいわ。」

「もうすでに色気ムンムンだものね。」


ねぇ、リズさん。 色気ムンムンって……もっと他に言い方なかったの?

私まだ13歳よ、それを色気ムンムンってさ。

それじゃあまるで私が色ボケBBAみたいじゃない。


「だよねー、私もオルカさん見てたらドキドキしちゃう。 オルカさんにだったらイイかなって。」

「そうそう、私も! オルカさんなら私も許しちゃうかも♪」


ちょっと待って! 何がイイの? すっごく気になるんだけど?

リズさんも一緒になって何言ってるの? 許すって何を許しちゃうのよ。

潤んだ目で私を見つめてないで二人ともちゃんと答えてよーっ!

二人が静かにすすすっと近寄ってくる。

ちょっ、近い近い! 二人とも近すぎ!

リズさんが右腕に、メロディちゃんが左腕に腕を絡めて来てピトってくっ付いて。

あ 当たってる、当たってるから。


「オルカさんていい匂いするんですよね~。 甘い香水みたいな匂い。」


あ、ちょっと メロディちゃんすんすんしないで。

首筋がくすぐったいから。


「どれどれ? ほんとだ、いい匂いする。 お腹の奥がキューンってなっちゃう。」


リズさんもお腹の奥とか変な事言わないで!

ね、もうおしまい。 これ以上は私の心がもたないから。 ね?

ひとり あわあわしてると


「「……ぷっ、 あははははは。」」

「オルカさん真っ赤になって可愛いんですねぇ~♪」

「冗談よ冗談。 悪ふざけが過ぎたわね、ごめんね。」


へっ? 冗談?

悪ふざけ?


「ちょっと、二人とも~!」


ジト目で睨むも二人は涼しい顔でくすくす笑っている。

ホントにもう。 ぷんすか。

でも私も笑顔。 楽しくって笑っちゃったわ。


「あはは、二人とも私が成人したら相手してね♪」


なんて冗談のつもりで言ったら


「「あら、いいの? じゃあ楽しみにしてるわね。 うふふ♪」」


……マジだったの? これは私の貞操の危機かも。




お代わりのお茶を入れて、ちょっとだけ悶々とした気分を抱えながらお喋り続行中。


「そう言えばオルカさんていい匂いしてますけど、香水か何か使ってます? 実はほんとはお貴族様 とか?」


メロディちゃんさっきもそれ言ってたよね。

ううん、何も使ってないわ。 


「あれは私の体臭。」


さっきは焦っちゃってぶわーって汗かいたから匂いが立ちのぼったんだと思う。

臭かったらごめんね。

ゴメンねのポーズをしながらそう言うと


「臭くないです臭くないです! すっごくいい匂いで頭の芯がボーってなっちゃう感じって言うか、ずっと嗅いで居たいって言うか……」

「そう! それ私も思った! オルカさんの匂いってある意味媚薬みたいなものよね。」


ねぇ、なに物騒な話してんの?

私の体臭が媚薬って何よそれ。

そりゃ『芳香異体』って言う特異体質ではあるけど基本人畜無害よ?


(いいえ、魔物にも有効でございますよ、主様。 ですので常に排除しておりました。)


え? くーちゃんまでなに言ってるの?


「オルカさんのその美貌にいい匂い体質ってある意味最強ね。 悪い虫がわんさか寄って来そう。」


ちょっ、リズさん縁起でもない事言わないでよ。

私は殿方なんて興味ないし。 どっちかって言うと可愛い女の子の方が げふんげふん。


(主様、ご安心を。 主様に寄ってくる虫なぞわたくしが踏みつぶしてみせましょう。)


あ ありがとね、くーちゃん。 でもほどほどにね。


「でも、ほら。 私にはくーちゃんが側にいて守ってくれるから大丈夫よ。 それに二人も守ってくれるよね?」


「「もちろん! オルカさんの貞操は我らの手に!」」


ちょっと! 最後の聞き捨てならない台詞はなに?

貞操って何よ。 それは私のものよ。



「じゃ、じゃ、次は私から質問ね。」


リズさんの質問? なぁに、答えられる範囲でならイイわよ。


「オルカさんて魔力量どれくらいあるの? さっきも連続で魔法使ってたのにケロッとしてるし相当多いんじゃないかしら?」


あはは、これは返事に困るわ~。

今の私の魔力量は1万オーバーだもん、これって絶対に口外出来ないレベルだと思うのよね。

そもそも最初からMP500なんて絶対可笑しいもの。


「私はMP70で、メロディはMP80だっけ?」

「うん、そう。 私は水属性の魔法が使えて、リズは数少ない火属性の魔法が使えるの。」


やっぱり思った通り二人とも魔力量少ないんだね。

それともそれが普通?


確か女神様の話だとこちらの世界の住人は皆魔力を持って生まれてくるけど、魔法を使えるのはごく僅かと聞いたけど?

それが目の前の二人は魔法が使える?

それって本当はとってもすごい事よね?


メロディちゃんは水属性の魔法が使えるから飲料水を作る事が出来て、リズさんは火属性の魔法が使えるから着火が出来る。

この2つって冒険者にとってはとっても重要な意味を持ってて、水と焚き火の確保が出来るって言うのは実はものすごいアドバンテージになる。

二人とも他のパーティーから勧誘が引っ切り無しに来るのを全部断ってるんだって。

相手が女だと思ってナメて掛かってきたり、中には良からぬ不埒な事を考えてる馬鹿もいるそうで、そんな連中の相手すんのもイヤだし面倒臭いって理由から二人はコンビを組んでるんだって。


「二人とも魔法が使えるってすごいんですね。」


「いえいえ、オルカさんに比べたら全然大したことないですよー。」

「そうそう、メロディの言う通り。 私たちは魔法が使えるってだけで、魔力量も少ないしね。」


二人の魔力量が少ないって言うのは魔法が使える人の中ではって意味で、魔法が使えない一般人はもっと魔力が少ないんだって。

魔力量的に言うと、一般的な魔法使いのMPは300くらい。

高位の冒険者だと500~700、1000を超えると各領地の騎士団クラスで1500から上が青天井で宮廷魔術師に抜擢されるとか。


「で、オルカさんって相当な使い手だと思うから少なくともMP300は超えてるよね?」


一応頷いておく。 だってさっきからの一連の流れでバンバン魔法使ってるの見られてるからね。

これでMP300以下なんて言っても絶対信じて貰えないよね。


「500より多い?」


更にリズさんの攻撃。

私は頷く。 まぁまぁ、私の初期値がそれだったからね。


「じゃあMP1000より多い? 少ない? 」


う、どうしよう。

少し考えてから私は人差し指を上に向けてちょんちょんと動かす。


「「やっぱり!」」

「だよねー、そうじゃないかと思って思ってたんだ。」

「さすがオルカさん、そのおっきな胸には魔力が詰まってたんですね!」


んな訳ないでしょ、メロディちゃん貴女なに言ってるの?


「私の胸には夢と希望が詰まってるのよ。」


嗚呼、言っちゃった。

女の子の私が言っちゃいけない台詞なんだけどつい口走ってしまったわ。


「では、その夢と希望が詰まってる胸に質問ね。」


あ、はい。 私のお胸さまに質問ですね。 ハイ ドウゾー。


「魔力量2000超えてるわよね?」


リズさんストレートね。

まるで確信持ってるかのように言うのね。

言うべきか言わざるべきか……。

さすがにこれはちょっと迷ったけど、人差し指を唇に当てて「ヒミツ」の仕草で頷く。


「オルカさん、貴女やっぱり変よ。 って言うか規格外すぎよ。」

「いい?この事は絶対に絶対に絶対に誰にも言っちゃダメよ?」

「そうですよー、こんな規格外の天然物心配で野放しに出来ないですよぉ。」


メロディちゃん、貴女なにげにディスってない?

天然物とか野放しとか私は暴れ馬か何かですかっ!


「兎に角、明日一緒にウーズの街に行って状況説明したら色々と教えてあげるから、ね。」

「そうですよー、このままだとオルカさん悪人にいいように利用されるか、王侯貴族に取り込まれて死ぬまで使い潰されますよぉ。」


ぶるるる。

そんなロクでもない未来想像したくもないわ。

今の私はこの世界の事なんにも知らないからさ、明日はきちんと教えて貰おうっと。





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