表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/174

第22話 オルカ強化週間!

くーちゃんが狼を蹂躙してから早や3日。

いまだに森の中には冒険者らしき人間たちがうろうろしている。

さすがに森の深い所までは行かないようだが浅い所には結構居るようだ。

うーん、私たちの行動にも制限が出ちゃってるね。

狼はもう居ないんだし安全が確認出来たらさっさと居なくなってくれないかなぁ。


私は今『魔力操作』と『身体強化』のレベル上げをしている。

身体に魔力を循環させ、身体の各部を強化する。

これで一時的にでもHP向上を狙う。

いや、だってくーちゃんと差があり過ぎるんだもん。

これじゃぁくーちゃんの足手まといになっちゃうじゃない。

そんなのはイヤなのよ。

くーちゃんは


(主様はわたくしがお守り致しますゆえ、主様は主様のままで。)


なーんて言ってくれるけど、それもなんかねぇ。

並みの女性冒険者ってのがどれくらいのHPなのかは知らないけれど、せめてもうちょっと何とかならないかと思って頑張ってんの。

今やってんのは、全身強化2倍モード。

これはくーちゃんに並走して貰ってスポ根ばりに走るの。

それも森の中の不安定な足場で、デコボコの地面や木の根っこに足を取られないように気を付けながらね。

これ、マジで辛いから。

地面に気を取られると『身体強化』が疎かになるし、逆もまたしかりで『身体強化』に意識をさくと足元が疎かになると言う。

解決策は並列処理を駆使して『魔力操作』と『身体強化』を同時に行う事。

でもこれやっちゃうと『鑑定』や『探知』が上手く出来ないのよね~。

『鑑定』さんはLV7まで上がってるから一旦置いといて、『探知』はくーちゃんにお任せで。

で、『魔力操作』と『身体強化』に注力する。


『魔力操作』のレベルが上がると色々といい事があるのよ。

まず他の魔法がスムーズに使えるようになる事、あとは消費魔力が減る事、そして魔力の回復が早くなる事かな。

『身体強化』はレベル=倍数ぐらいの感じ。

今は『身体強化LV3』なんだけど2倍から身体を慣らしてるとこ。

『鑑定』さんによるとね、『魔力操作』と『身体強化』のレベルがカンストすると全身強化の倍率を身体が持つ限り自由に上げられるんだって。

まぁそこまでは望んでないけどせめてくーちゃんに迷惑かけない程度には上げられたらいいなって。


でね、身体強化しながらくーちゃんと並走して森を探索するの。

この森に住んでいたくーちゃんによるとね、私がこの世界に来た時の一番最初の場所、拠点1にしてる所ってこの森の中心部より少し南東方向に行ったとこにあるのね。

そうワリと中心近くに居たのよね。

それなのに魔物に襲われなかったのってきっと女神様のおかげなのかなって。

そうゆう場所に降ろしてくれたんだろうな、有難いことに。

その拠点1から南西方向へ30分程歩いたとこに川が流れてて、それが拠点2にしてる河原ね。

この川は西から東へ流れてて、川の向こうも森が少し続いていて森の向こう、南側には平野と人が住む領地があるんだって。

森の中央部、ここは強い魔物が多く住む為人はあまり来ず、街道は森の中心部を避けるように西と東に1本づつ通っている。

森の西・北・東それぞれに人の住む領地があって名前は特に知らないって。

まぁそうよね、くーちゃんには関係ないもの。

森への入り口は主に西・北・東にあって北側から入った街道が中央部を避けるように二手に分かれて西と東を通って各領地と繋がっている。

南の領地は危険を承知で森の中央を通るか、西か東の領地を経由しないと北の領地には行けない。

ざっとそんな感じなんだって。

くーちゃんの説明って分かりやすいね、グッジョブくーちゃん。


今? 今もくーちゃんと並んで走ってるわよ。

くーちゃんが『探知』で人間たちを避けながら森の中を誘導して走るの。

私も『探知』がLV7に上がって反応が魔物か人間か分かるようになったんだけど、これ地味に便利なのよ。

話が逸れたわね、くーちゃんと並んで走ってたまに魔物を狩ったりしてるの。

って言うかね、くーちゃんと居るとほとんど魔物が寄ってこないのよ。

なんせあの狼のパックをやっつけちゃったから周りの獣や魔物からは危険認定されたみたいで……。

魔物から危険認定受けるってどうなのよ。

そんな訳で今の課題は『魔力操作』と『身体強化』を掛けながら魔物や獣を狩る練習ね。

『身体強化』って掛けてる間中魔力を消費し続けるのよ。

魔力が少なくなったら休憩して魔力を回復させたらまた走る。

それの繰り返しで夜になったらテントを張って寝る。

ごはんは昼間に狩りをしてお肉を調達するから大丈夫。

水浴びは出来ないけれど『洗浄』の魔法が使えるから問題なし。


そんな感じでくーちゃんブートキャンプを続けてるって訳。

くーちゃんが狼を蹂躙してから7日目。

私の『魔力操作』と『身体強化』がそれぞれLV6とLV5になった。

だから『身体強化3倍』で訓練中。

ここまで来るとね、小鬼くらいだと撲殺出来るようになるの。

あんまり気持ちのいい物ではないけれどね、臭いし気持ち悪いから。

私の今のHPは105……全然増えないのよ。 MPは驚愕の4,895!

ちなみに小鬼のHPは80~120くらい。

小鬼の上位種のホブゴブリンだとHP180~230。

狼でHP200~250くらいってとこ。

オークなんかだとHP220~280で、その上位種のハイオークだとHP350~400くらい。

だから私が『身体強化5倍』くらい使えるようになると素手でハイオークを仕留める事が出来るようになる。

すごっ!

すごいけど私は絶対やらないからね。

だって血まみれになるんだもん、臭いし汚いしでもう最悪よ。

だから私は機動力を活かした近接での銃撃スタイルにする事にしたの。

正にあのアニメよね、2丁拳銃がシビれるわ。


実は今もくーちゃん監督の元小鬼3匹と近接戦闘中。

小鬼の攻撃をスレスレでかわしながらすれ違いざまに銃弾を撃ち込む。

パパーン!

およそ1分ほどで戦闘終了。

もう小鬼くらいじゃ私の相手にならないわね。

くーちゃんも納得のご様子。


(主様、大変結構でございます。)


お褒めの言葉を貰っちゃった。


(では、次は『身体強化5倍』でオークの群れに挑むと致しましょう。)


……くーちゃん、それちょっとハードすぎない?

無茶はよくないわ、私女の子よ。

血濡れの女の子ってちょっとしたホラーよ……。


それから更に7日間くーちゃんのブートキャンプは続いた。

って言うか2週間ほぼ戦闘訓練ってどうなの?

私もっとスローなライフを堪能したかったんだけど。

私たちが、もとい私が戦闘訓練してる間も森の中は冒険者?達がやって来ていた。

一体何を調べているんだか。

狼はもうほぼ居ないんだからいい加減諦めたらいいのにね。

探知で調べた限りでは大体決まったグループがやって来てるみたい。

一番よく来てたのは2人組のグループね。

これはほぼ毎日反応があったもの。

近くまで接近した訳じゃないから男性なのか女性なのかは分からないけれど、反応の大きさから考えると女性なのかも知れない。

ま、どうでもいいけどね。

それはそうと、小鬼もオークも猪も纏めて狩りまくったから随分と数が少なくなっちゃってね、私たちの姿を見ると一目散に逃げてくようになっちゃった。

これじゃあもう訓練にはならないって事でくーちゃんのブートキャンプは無事に終了と相成りました。


長かった、ほんとに長かった。

でも確実に強くなった実感はあるけどね。

それに色んなスキルもかなり上がったし、食料となるお肉もかなり確保したしね。

解体スキルも上がったよ、必然的に。

だって私とくーちゃんの二人分だから狩った獲物の数がハンパないんだもん。

これ街に行ったら即行売りに行かないと。

それに森の中を探索してると色んな薬草や香草なんかも採取しまくってたからね、それも売りたいし。

あと、ログハウスの夢も忘れてないから。

だから良さげな木を見かける度にストレージに回収しておいたの。

今はたぶん数百本はあるわね。

落ち着いたら今度は本格的に家造りでも始めてみようかしら。


さて、約2週間ぶりに拠点に戻った私たち。

なんかすごく落ち着くわね。

マイホームって感じ。


くーちゃん今日の晩ごはんは久しぶりに焼肉パーリーよ。

キングボアのお肉もまだあるし、熊肉もある、兎も鹿もたっぷり持ってるからね。

くーちゃん好きなだけ食べていいよ。


じゃ、レッツ パーリー♪





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ