第18話 くーちゃんって実はすんごいのよ
一夜明けて朝ごはんを食べ終わってまったり中。
くーちゃんは私の側でのんびりしてる。
私テイマーになっちゃった。 マジで。
昨日、狼に追われて怪我を負ったキツネを助けたのね。
それでその助けたキツネに葛の葉って名前を付けたとたん大きくなって進化しちゃったのよ。
そうしたらあらビックリ。
葛の葉って人語を理解するんだよね。
しかも私とは念話で会話すらも出来るっていうね。
それって相当に知能が高いって事よね?
魔獣と言うより聖獣とか神獣級のレア種族だったりして?
ね、私すごくない?
え、すごいのは葛の葉だろって? ごもっとも。
そんでね、聞いて聞いて。
昨日の夜ね、晩ごはんを食べてもう寝るって段になってね、ストレージからテントを取り出して、
「くーちゃんも一緒に寝るよーっ。」
って声かけたんだけど返ってきた言葉が
(わたくしが不寝番を致しますゆえ主様はどうぞお休み下さいませ。)
これだもん。
えーっ、そんなのダメだよ。
くーちゃん寝れないじゃない。
私結界石持ってるから一緒に寝ても大丈夫だよ。
そう言ったんだけど、くーちゃんが聞き入れてくれないの。
結界石があるのはそれはそれとして、主を守る従魔として番をするのは当たり前とのこと。
いや、正論っちゃあ正論だけどさ。
でも気持ち的になんだかね。
くーちゃんにだけ負担がかかるのが何とも。
私も結構食い下がったんだけどね、
(わたくしは寝ながらでも警戒は出来ますから。 今までもそうやって生きてきましたし。)
そう言われちゃったらダメとも言えなくなっちゃってね。
だからね、
「たまにでいいから一緒に寝てね。」
そう言ってお互いに納得したって訳。
くーちゃんに警戒をお願いして私は寝たの。
朝起きてテントから這い出てゆくと、くーちゃんがバッと顔上げて尻尾をバッサバッサと振りながら嬉しそうに駆け寄ってきた。
(主様おはようございます。)
「おはよう、くーちゃん。 くーちゃんのおかげでぐっすり眠れたわ、ありがとう。」
そうお礼を言うと
(ありがたき幸せ、勿体のうございます。)
いやいやいや、くーちゃん大げさすぎるから。
もっと普通に接してくれていいんだからね。
丁寧すぎるのも考え物だから。
で、今に至ると。
さて、今日は何をしようかな。
くーちゃんも居るし狩りでもしに行こうか。
っと、その前にステータスチェック。
名前 オルカ・ジョーノ(城之内 薫)
種族 半神 界渡り人
職業 森人 テイマー 巨乳 美少女
年齢 13歳
HP 105/105
MP 2,256/2,286
ユニークスキル
言語理解
創造魔法
スキル獲得優遇
魔法の才能
芳香異体
ストレージ /時間経過無効1つ・容量制限有(地球一個分)・時間経過有1つ
スキル
魔法 火 LV4
魔法 水 LV6
魔法 風 LV6
魔法 土 LV7
魔法 木 LV7
マッピング LV5
鑑定 LV6
分析 LV4
魅了 LV5
気配遮断 LV6
忍び足 LV1
探知 LV6
探索 LV6
索敵 LV6
警戒 LV6
木材加工 LV6
金属加工 LV5
魔道具作成 LV1
魔法付与 LV1
採取 LV6
採掘 LV4
並列処理 LV5
解体 LV3
料理 LV3
魔力操作 LV4
身体強化 LV1
狙撃 LV2
豪運 LV777
従魔
葛の葉(妖狐)
女神の祝福
HP/MP 自動回復(小)
毒・麻痺・呪い・魅了・混乱等の状態異常耐性(小)
私の職業がテイマーになってる。
やったね、ついに無職じゃなくなった。けれどなんで森人が最初なんだ?
MPがまた伸びてる。
2,000の大台を超えて2,286だって。
これ絶対可笑しいよね。
それからまたスキルが生えてる。
今度は『忍び足』と『狙撃』と『身体強化』だって。
『忍び足』は昨日の狼関連からだね、『狙撃』は銃で兎を撃ったから。『身体強化』は魔力操作からの派生スキルなのかな?
魅了がまた1つ伸びてる。 ねぇ、なんで?
意味分かんないよ。
そしてそして、従魔 葛の葉(妖狐)が追加されてた。
くーちゃんを従魔にしたからね。
「ねぇ、くーちゃん鑑定でステータス見ていい?」
って聞いたら
(どうぞご随意に。)
と返ってきた。
なので
「ありがとね。」
と、お礼を言ってくーちゃんを鑑定してみる。
名前 葛の葉(♀)
種族 妖狐
職業 オルカの従魔
年齢 30歳
HP 2,300/2,300
MP 200/200
ユニークスキル
人化
念話
スキル
警戒 LV6
探知 LV6
気配遮断 LV6
並列処理 LV2
魔法 風 LV3
魔法 水 VL3
くーちゃんも大概すごいスペックね。
まぁ私ほどぶっ壊れてないけど、それでも普通にぶっ壊れてるわよね。
種族が妖狐なんだ、名前が純和風だから種族もそれに倣ったのかな?
職業が私の従魔でって、従魔って職業だったの?
お給料どうしよう。
年齢が30歳、私より随分お姉さんなんだね。
ビックリなのはHPが2300もある事。
これってヤバくない?
そんじょそこらの魔物くらいじゃくーちゃんに太刀打ち出来ないんじゃないかしら?
私としては心強いけれど周りが怖がっちゃうかも。
あとね、最初は大体80㎝くらいだったんだけど、妖狐に進化したら体長1.6m程に巨大化しちゃったのよ。
尻尾まで入れると約2.1mってところね。
これって地球産の狼と比較しても最大級の個体と同等の大きさなのよ。
ね、すごくない?
大きいって言うより正に巨躯って感じ。
あとね、ユニークスキルがやばいのよ。
人化よ人化よ。
人化は読んで字の如く人に化ける能力ね。
でも人化の文字のところがグレーアウトしてるの。
これって今はまだ使えないけど何かしらの条件を満たしたら使えるって意味なんだろね、きっと。
でもまぁ、葛の葉っていう心強い仲間が出来たのは素直に嬉しいわね。
それにぼっちも解消出来て寂しくなくなったし。
話し相手が居るってのはいいものね。
ね、くーちゃん♪
(これからどうする? 食後のお散歩がてら狩りでもして来る?)
くーちゃんに念話で話しかけてみる。
(では、わたくしが狩りをしてまいりますので主様はこちらでお待ちを。)
(ううん、私も行くよ。)
って言うかね、私一人で居るよりくーちゃんと一緒に居る方が安全だもん。
だから、狩りの邪魔はしないから一緒に行くよ。
それにくーちゃんの狩りの様子も見てみたいしね。
私だって兎くらいなら狩り出来るからさ、私の狩りの様子も見てみてよ。
「だから一緒に行こ。」
私の左側にくーちゃんが並び森の中を歩いてゆく。
チチチチ チュンチュン
小鳥の囀る声が心地よく耳をくすぐる。
くーちゃんの耳がピコピコと色んな方向へ向けて動いているのが見える。
きっとああやって情報を集めてんだね。
(くーちゃん、エライエライ)
くーちゃんを見てにっこりと微笑むとくーちゃんも此方を見て尻尾をばっさばっさと振っている。
あーなんかこうゆうのイイよね~、すっごく癒されるわ~。
「あ、この実。 すっごく美味しいやつだ。」
いつだったか見つけた「女神の贈り物」って言うすっごく美味しい果物だ。
これ、また見つけたら収穫したいなと思ってたんだよ。
取り合えず熟してるのだけ選んでストレージへ収納っと。
んふふ~♪
(主様ごきげんでございますね。)
そりゃそうだよー、美味しい果物いっぱい収穫出来たからね~。
(それでしたらもっと沢山生っている場所を知っておりますが、ご案内致しましょうか?)
「是非っ!」
くーちゃんに「女神の贈り物」の群生地へ案内して貰った。
そこは森の中心部近く、かなり深い場所。
こ こ こ ここって相当ヤバくない?
(ね、くーちゃん大丈夫? ヤバい魔獣とか出て来ない?)
(問題ございません、何かありましてもわたくしが対処致しますゆえ。)
(そ そうなのね。 分かったから絶対よ。 私を守ってね、お願い。)
かなりビクビクきょろきょろしながら「女神の贈り物」を収穫した。
群生地と言うだけあってそれはそれは見事なものだった。
数にしてざっと500個は下らないと思う。
(ありがと、ありがと。 くーちゃんのおかげよ♪)
でも、ここは怖いからすぐに出よう。
私はくーちゃんに護衛されながらどうにか森の中心部から抜け出た。
中心部から離れたところでやっと人心地つく。
ふう~。
さて、くーちゃん狩りしよ、狩り。
まずはくーちゃんのお手並み拝見といきましょうか。