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第10話 ストレージってスゴすぎない?

チチチチ ちゅんちゅん。

小鳥のさえずる声で目が覚める。


「ん~、なんかイマイチ寝られなかったぁ」


あ、おはようございます、オルカです。

夜にね、草がガサガサする度に目が覚める訳ですよ。

はっ! として ふぅと息を吐く。

そんなのの繰り返しで寝不足気味なのよ。

まぁ そりゃそうよね、そんなすぐに慣れる訳ないもの。

私のメンタルは繊細なのよ。 決してお豆腐ではないからね。

ないったらないのよ。

ちょっとだけ女の子っぽく言ってみた。

こっちは更に慣れが必要だな。



朝になり魔法で、うにょんと出入口を開けて外に出る。

今朝も朝靄が幻想的な程に美しい。


「うぅ~ん、んはぁ~♪」


伸びをして息を吐く。

すんすん。 鼻に自分の腕を近づけてニオイを嗅いでみる。


「まだ大丈夫かな。」


まだ臭ってないけどそろそろお風呂に入りたいよな。

周りに人が居ないからいいようなものの、これが前世なら顰蹙ものだ。

特に今は少女の身体になったせいかお風呂欲求が高まっているのだ。

取り合えず今夜は水で身体を拭こう、絶対だ。

それから近い内に風呂桶も作るぞ。


例によって毎度お馴染みの塩辛い干し肉と果物で朝ごはんを摂る。


「果物は美味しいんだけどな~」


流石に3日連続干し肉ともなると飽きてくるな。

私の充実した食生活の為にも早急にお魚が必要だ。

指で歯磨きをしながら今日の行動予定を考える。

まずは ステータスチェック。

これで前日との比較をする。

次に拠点2の河原まで行って、薪窯の造成と簀子の製作。

あとは、随時『鑑定』、『警戒』、『探知』、『索敵』使い分けながらスキルのレベル上げ。

魔力に余裕があれば基本属性のレベル上げもやりたいな。


「ステータス」


名前  オルカ・ジョーノ(城之内 薫)

種族  半神 界渡り人

職業  無職 巨乳 美少女

年齢  13歳

HP   100/100

MP   575/605

ユニークスキル

 言語理解

 創造魔法

 スキル獲得優遇

 魔法の才能

 芳香異体

 ストレージ /時間経過無効1つ・容量制限有(地球一個分)・時間経過有1つ

スキル

 魔法 火  LV2

 魔法 水  LV3

 魔法 風  LV3

 魔法 土  LV4

 魔法 木  LV4

 マッピング LV2

 鑑定    LV3

 魅了    LV1

 気配遮断  LV2

 探知    LV2

 探索    LV2

 索敵    LV2

 警戒    LV2

 木材加工  LV2

 採取    LV2

 豪運    LV777

 

女神の祝福

 HP/MP 自動回復(小)

 毒・麻痺・呪い・魅了・混乱等の状態異常耐性(小)


わーお、またレベルが上がってる。

最大MPが550→605になってるよ。 これ伸び率がすごいね。 どこまで伸びるんだろうか。

HPは初日から変わらずの100のままだ。

やはり女の子の身体だとHPは伸びにくいんだろうな。 致し方なし。

レベルが上がらなかったのは火魔法と魅了だけで残りのは全部上がってた。

特に土魔法と木魔法は2つレベルが上がってたし、新たに採取LV2を覚えてたよ。

あれだ、色々と採取しまくった成果?だろうな。



「ふんふんふん♪ ふふふん♪」


マップで確認しながら昨日の河原に向かって鼻歌まじりに森の中を歩いてゆく。


「おっさかなさーん、今いくからね~♪」


そりゃ楽しみだよ、なんたって魚が食べられるかもしれないんだから期待するなってのは無理な相談だ。

河原に着いたらまずは何日分かの薪の確保が最優先か。

次に簀子を作るか薪窯を作るかだけどどっちがいいかな?

時間効率って事を考えると、先に薪窯を作っておいて、陶器作製中に魚採りが理想か。

それとも簀子を作って魚を採ってる間に薪窯造りをするか。

どっちにしても魔力の残り具合と相談してだな。

女神様の言うには創造魔法は魔力効率が悪いそうだから、どれくらいの魔力喰いなのか確かめるって意味でも今回は創造魔法を使ってみようと思っている。

そんなような事を考えながらもスキルのレベルアップは忘れない。

『鑑定』や『探知』などを交互に使いながら歩いてゆく。


河原についたので昨日造った薪窯の基礎部分の側まで歩いてゆき、コンコンと叩いてみたり、割れたり欠けが出来たりしてないか確認する。

うん、問題なし。 大丈夫そうだ。


今の私が出来る『探知』の最大範囲は半径約20m程だ。

『探索』や『索敵』も試してみた感じだと大体似たようなものだった。

まずは最大範囲で『探知』を使用する。

ふむ、周りには警戒が必要になるような獣の気配は感じられないか。

なら今のところ安心だ。

じゃ、早速作業開始。


まずは当面必要な分の薪の確保だ。

細いのは見つけ次第すぐに「ストレージ」に回収、しかしそれだと量が集まらない。

もっと太い丸太のようなのがいいんだが丁度いいのが見つからないのだ。

やはりアレか、昨日やったのと同じように今日も風魔法で木をぶった切るしなないのか。


軽くトントンとジャンプしたり首を左右にコキコキさせたりして身体をほぐす。

よし、やるか。

私は少し腰を落とすように構え右手を手刀の形にしながら腰の辺りで水平に左側へ滑らすように動かす。

右手に意識を集中させ魔力を集める。

木って硬いんだよな。 やっぱ簡単には切り倒せないよな。

昨日は10倍の魔力で2回だったから今日は最初から20倍でやってみる。


「風刃(超)!」


私は右手を左側から水平に右側へ一気に振り抜いた。

ズガッ!!!!

まるで斧を叩きつけたのかと思うような深く大きく抉られたような傷が出来ており、そのままこちらに向かって倒れてくる。

バキバキバキと生木が割れる音が激しく耳に響く。

私はサッと身を翻しで左側へと移動する。

ズガーン!

大木が倒れ地面が揺れる、辺りに轟音が響き渡る。

よし、材料ゲット!

この大木1本だけで相当な量の薪が取れるな。

と同時にこの大木1本だけで相当な量の魔力を持っていかれたけど。

ステータスで確認してみるとMPが200/605になってた。

激減してるっ!

あぁ、でもそりゃそうか。

通常の風刃の20倍の魔力で放ったんだからな。

でもこんな調子だと効率は良くないな~。

なにかこう画期的で目から鱗的な何かないものか。


目の前には切り倒した大木が転がっている、これをどうにかしないと。

まずは目の前のこれをストレージに片付ける。

さぁ、どうする?

私は側に立っている木に右手を伸ばし幹に手をつき身体を支える。

「はぁ~、これでこの木がストレージに入ったら楽なんだけどな。」

そう言うやいなや


シュン!


右手をついていた木が突然消えて支えを失った私はよろけて転びそうになってしまった。

うわっ、おっとっと。

は?

いやいやいや、マジで? えぇ?

こんな事あり得るの?

しかし実際に木が目の前から消えたのは事実だ。

ストレージで中身を確認すると確かに大木2本と木1本が入っていた。

マジ? ストレージさんチートすぎだろ。

試しに目の前の大木を目視したまま手を触れずにストレージに収納しようとしたが出来なかった。

けれど手で触れながらだと収納出来た。

つまりある程度以上の大きさの物は直接手を触れてないとダメな仕様のようだ。


私はここである実験を思いついた。

実験と言うか確認なのだが、ストレージ内にある物は取り出さずに加工出来るのかどうかだ。

取り出さずに加工出来るならすごく助かるし楽だもんな。

まずはストレージ内でさっきの木をポイントし薪をイメージする。 結果何も変わらず。

次は同じようにストレージ内で木をポイントし木魔法を使いながら薪をイメージすると薪が出来た。

この時は当然魔力も消費した。 なぜ分かるかと言うと身体から魔力が減ったのが感じられたからだ。

必要魔力量は通常時と同じくらい?のようだ。

ただし量が量なのでかなりの魔力を使ってしまったが。

それでも木1本分まるまる薪に加工出来たので、これで当分の間は薪の心配はしなくて良くなったのは嬉しい。


このあと私は、減ってしまった魔力の回復に努めながら周りを歩いて何か有用な物がないか調べる事にした。

昨日は上流の方へ行ったので今日は下流側へ歩いて行ってみようかと思う。

川沿いに歩きながら『鑑定』をかけまくる。 もちろん『探知』や『警戒』も忘れない。

ガサ ガサガサガサ

野ねずみやウサギのような動物をたまに見かける。

けれどそうゆう小動物はこちらを認識した時点ですぐに逃げていってしまう。


ウサギってお肉の事だよね?


だよねだよね♪ お に く。

お肉なら干し肉毎日食べてるだろって?

干し肉は塩辛いからイヤなんだよ。

私は新鮮なお肉が食べたいんだーっ! 私にお肉をーっ!

あ、でも脂肪ならいらないからね。一応。

今度真剣にウサギの狩り方考えようっと。


色々とやらなくちゃいけない事とか考えなくちゃいけない事がいっぱいだ。

異世界に来ても忙しいのはあんま変わらないんだな。

クスッ。

なんだかちょっと可笑しくなってしまった。



私は足取りも軽く下流方向へと歩いてゆくのだった。




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