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断れぬ問いを超えて

きっと、俺はこの話を聞いたことを一生後悔しないんだろうと思う。

あの時の言葉が自分の意思じゃなかったとしても、その選択に後悔を後付けすることは無いと、断言できる、


でも、そう言えるようになるのはまだ先の話なんだ。


俺は、聞くか迷っていたその話を自分の意思とは関係なしに聞いてしまった。

店主の交換条件を受けると、そう答えてしまったんだ。


「うん、分かった。受けてくれてありがとね。」


違う、俺はそんなことを言おうとしてない。

どう考えても、あの音声が…


「あやめ、お前…っ!」


あやめの方を振り向くと、明らかにできてない口笛を吹きながら目を泳がせていた。


「………そこまで自覚あるならせめて逃げるとか隠れるとかしたらどうなんだよ」


「な、何も?悪い事なんてしてませんし?氷ちゃんが受けてくれるといいなーって思ってただけですし?」


頬杖つきながら視線を逸らす。こんなにわかりやすい情緒で隠しきれてるつもりか…?

だが、ここ以外に情報がないのも確かなことだ。


「…はぁ。まあ俺の口から出た言葉には違いないか。」


特に理由付けが要らなくなったのも確かなことだし、道が決まっただけだ。


「うん。じゃあ話を進めようか。」


「ああ、早めに進めてしまってくれ。」


その言葉に満足そうに微笑みながら、店主は話し始めた。


「まず第一前提として、わつぃたちは私たちのために戦う。国の為でも、軍の為でもない。そして我々の最終到達点は『現在起こっている十年戦争の終結』だ。」


俺は、この時点で話が分からなかった。

あんなに賑やかな街並みがありながら戦争をしているというのだろうか。

どこと、何故?

そもそも、戦争は終わったはずではないのか。


「氷河くん。君はまだ何も知らないと思う。そういう状況に居たからだ。すべてを話すから、まずは落ち着いて聞いてほしい。」


俺はひとまず頷き、次の言葉を待つ。


「今我々が居る『入亜夢(いりあむ)』という国は、一言でいえば敗戦濃厚の戦いを延々と繰り返している状況だ。相手は『都部(つべ)』。相手の兵は豊富、かついずれ質が高い人材ばかりが揃っている。」


次の戦争してるってことか…好戦的というか省みないというか。


「その状況を覆せ、ってわけだ。そのために俺に働けってことか。」


俺にも話の流れは見えた。要は人材不足からくるスカウトだ。

しかし二人はやれやれ、と言いたげに首を振る。


「いつ、私達が入亜夢の人間だと言ったかな?」


「そだよ。早とちりで決めるのはよくないって。」


そう言いながら二人が見せてきたのは軍の階級章。

そのマークは確かに都部国の物だった。


「この国に普通に入り込んで、店経営したり街の人気者にまでなったりしてるのに…何に俺の力が要るんだ?」


もう訳が分からない。俺の力が必要な場面が想像つかなかった。


「簡単な話、君には実行犯にだけなってもらいたいんだ。残念だけどここまで聞いて拒否権はないし、返せる返事は一つだけだね」


「実行犯…一体何の。まさか一人でテロでも起こせってんじゃないよな?」


「いいや、私達の目的は早期終戦。そのためにこうしてここにいるんだ。君に頼むのはただ一つ。最高指揮官である百鬼正宗(なきりまさむね)という男を…」


「殺す、のか。」


「いや、彼を捕縛して連れてきてくれるだけで良い。やってくれるかな?」


『だけ』、とは言うが簡単な話ではないだろう。

そもそも、捕縛して連れてくるという依頼もよくわからない部分が多い。

十全な説明など期待できず。拒否権は残されていない。

完全に、信用する相手を間違えた、と思う。


「俺に拒否権はない、そう言ったのはあんただろ」


「ああ、そうだったかな。でも、快く引き受けてくれて助かるよ。」


「じゃあさっそく行こうか!」


あやめが俺の腕を引きながら外に連れ出す。


「ごめんね。ああいう感じになっちゃって。本当はもっとちゃんと話すつもりだったんだけど…」


謝りながら歩く姿に、もう警戒は緩められない。

あの声について聞かねばならない。

耳元で聞かせられた、あの声。


「今回のことは水に流す。代わりにあの声について聞かせてくれ」


どこかで聞いたことのある声だったと思う。

あの声の正体を、俺は知らねばならない。

そろそろあとがきのネタもなくなって来ました。

いえ、元からここのネタは尽きてます。

最初から今までずっと、その場のノリで書いてるんでね…

ストーリーの進行はゆっくりですがどう進めていくかは確定してるので道を違えず進むことを意識するのみ! 読み返すと変な誤字も多いので修正しつつ進めていきまする!

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