第七幕 相克相生双生相乗相対運命デュエルLINE 3
七幕三話です、ちょっと短めですね。
さて、さて。
「……なんで、こんなことになっちゃったんだろう」
飛鳥君との通話を終えてからしばらく。時計の針は前屈みに倒れ込んでいる。
月光を遮るようにカーテンを閉めて、ボソッとボクは呟いた。
飛鳥君から聞いた、華月の動機。
それは、仲直りなんてまず無理だろうというボクの思いを揺らがせるに足るものではあった。
聞いた時は、飛鳥君はあの忠告後にまだ華月について嗅ぎ回ったのかと怒りが沸いたりもしたが、家に帰るとそこに居た、というのでは責めようはなかった。ボクにどう言えばいいのかわからない、というのもまったくその通りだろう。ボクも立場がそうなら即座に伝えるのは無理だ。
「……華月……」
目を伏せると、その顔が浮かんだ。ボクと同じ顔が。
あの曲土に、何度も体を許す。それが果たしてどれだけの苦痛を伴うか。それは皮肉にも、少しばかりはボクにも想像できるものだ。
そんな苦痛を、ボクのために受けたというのは、たしかに心苦しい。
けど、だ。
だからと許せるかとなると、わからなかった。無論、飛鳥君に言った言葉に嘘はない。華月と共に、再び笑い合う未来。そんな未来があるなら、それは素敵なことだと思う。
それに向かっていけるように努力したい、という気持ちもないではない。
しかし。
守られたというのはわかる。華月の苦悩がどれだけだったかというのも、想像はできる。
できるけど。けど……。
『大丈夫か、睦美』
マホちゃんが子を慰める親のような声音で言う。両親にそんな風に接してもらった記憶なんてほとんどないけど、いやだからこそ、その気遣いは染みるものがある。
「……大丈夫……では、ない、かな」
ボクの心に刻まれた恐怖と、華月の事情とはまた別の問題だ。
自分が狭量なのではないか、という思いもないではないが、どうにも消せるものではない。
……消せるものでは、ない。
「飛鳥君……」
会いたいなあ。
魔法のアプリのチャット欄を意味もなく開く。
今華月と話しているであろう飛鳥君に連絡は流石にできない。
……乙女か、ボクは。
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次回でもよろしくお願いします。
最近鵺の陰陽師にハマってます。
ずるいだろあれ。




