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馬鹿みたいに恋がしたい  作者: 川面月夜
第六幕 相克相生双生相乗運命デュアルLINE
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第六幕 相克相生創作相乗運命デュアルLINE 4

六幕4話です、ちょっと短いのは体調崩してしまったためです、次からは元に戻ると思います。申し訳ありません。

 生徒会選を明日に控えた木曜日の夜だ。

 先までの、我がクラスの担任鵜飼との原稿を通しての格闘が腕にのしかかり、まるで錘のように俺を縛る。

 今日ばかりは兄弟のゲームはお休み。明日に備えて精神統一、もとい睦美さんからの激励を頂いているところだった。

 ベッドに寝転がり、筋肉痛になりそうな腕を摩りながらチャットでやり取りをする。


《いよいよ明日だね》


 彼女に言われ、その意味を確かめる。

 睦美さんが噛まなければそんな必要はなかったんだぞ、と以前なら思っていただろうが、今はそうではない。

 あの華月との対話を経て、具体的に何が変わった訳でもない、今のところは、

 睦美さんには、どう切り出すべきか考えている最中だ。彼女にとっては根底を揺るがす問題である。できれば直接話したいな、とも思う。

 成り行きで毎週互いの家を行き来することになった訳だし、週末に話すのがいいだろうか。

 などと考えながら、指は動いている。


《睦美さんが噛まなければそんな必要はなかったんだぞ》


 本心からそう思っている訳ではないが。すんなり生徒会長を受け入れたように思われるのはなんだか癪に障る。別に生徒会長になりたくない訳ではなくなったが、とて積極的にそうなりたいと思っている訳でもない。悪態くらいは許してほしい。


《はは》

《なにわろてんねん》


 彼女と話していると、吐くべき悪態がどこかに失せるのを実感する。

 ……ほんとうに、惚れた弱みというのは難儀なものだ。縦スクロールの画面を眺めていると、勝手に進むべき道が舗装されているのだ。

 縦スクロール。チャット。


『なんでチャットなんだ? 通話でいいじゃないか』


 というアプリの疑問はもっともだと思う。睦美さんの甘ったるい声はいつまで聞いていても飽きるものではない。アメリカのお菓子みたいに甘いくせに、俺ときたらそれをまったく苦にしないのだ。

 しかし、だからこそ。


「人間にはいろいろあるんだよ。情緒的なのが」

『ふーん。難儀なものだね』


 実際のところは、口にするのは恥ずかしいことだが、口にするのが恥ずかしいのだ。実際会ってしまえばその場のノリでどうにかなるが、こう毎朝毎夜のことで通話していては、俺たちはたぶん茹蛸みたいに真っ赤な一日を過ごすことになる。

 それに、文字のやり取りには風情がある、というのも少し。漫画的で憧れる。なら手紙でやりとりしろよ、という話ではあるが、現代人とはそういうものである。現代には現代なりのロマンとロマンスがあるのだ。


 そのまま、睦美さんとチャットのやり取りを続けていると、あっという間に時計が山を超えた。楽しい時間はなぜこれほど短いのか……? 研究論文にでもしてやろうかとすら思う。

 双方、お休みを送り、さて就寝……とはいかない。

 日曜日に貰った、連絡先を開く。

 運命の人と同じ天津の名を持つ少女の連絡先。魔法などない、ただのチャットアプリの。


『君は結構怖いもの知らずだな』


 実体があったら間違いなくやれやれと肩をすくめている声音でアプリが言う。

 実際怖いもの知らずだな、とは思うが、彼女と接していくのは必要なことなのじゃないかも思う。心の準備に3日(正確には4日か)を要した。

 さて、始めるか。彼女がこの時間に起きているかは、わからないが……?


《調子はどうだ?》


 などと、絶対に間違っているであろう一文を、送ってしまった。

 すぐに既読の表示が成されるが、返信されるか……。

 10分ほど経ったろうか、と、思えるほどに長い長い1分を待つと、メッセージが表示された。


《……存外図太い人ですね》


読んでくださった方、本当にありがとうございます。

感想や評価、誹謗中傷でもくださると、作者は嬉しいです。

次回でもよろしくお願いします。

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