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馬鹿みたいに恋がしたい  作者: 川面月夜
第四幕 相克相生運命デュアルLINE
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第四幕 相克相生運命デュアルLINE 2

四幕の二話ですね、よろしくお願いします。

「さて。来る生徒会役員選挙だが……」


 場所は生徒会室。要はそこで卓につきながら生徒会役員達と議論している。


 要としては早く帰って飛鳥やつぼみと居たいところだが、これがどうして、要の鬼才にもどうしようもない事態に直面しているのだ。


 悩ましげに顎に手を添えても、浮かばない。書紀の女子が見惚れるだけだった。

 というのも。


「立候補者が、ゼロとはな……」


 肝心の生徒会長の立候補者が居なかった。他の役職は引き続き勤めたいという現役員だったりに任せればいいとして。


 生徒会長の立候補が無いというのはさて、どうしたものか。

 この学校の生徒らしいといえばらしいのだが。自分から進んで面倒ごとを引き受けたがるような酔狂な真似などしたくはない、というのが生徒のスタンスを占めている。


 ここに集まっているメンバーも殆どが推薦で役員になってしまった者だ。立候補して役員になったものなど要くらいだった。


「……仕方ないか。各役員、適した人物を見繕っておこう。推薦で不信任決議だ。じゃあ、今日は解散」


 解散と聞くと、我先にと席を立つ者が殆どだった。なんとも行動が早くて頼もしいことだと要は思う。ただ、彼らは早く帰りたい一心で仕事するから結構仕事が早くて助かるという面もあったが。


「会長、会長」

「あ、なにかな、三代さん」


 ダッシュで帰る皆を苦笑して見送っていると、唯一残った書紀の三代 真矢が話しかけた。


「会長は、誰を推薦するか決めてるんですか?」

「ん、ああ、決めてるよ」

「どなたなんです?」


 要と話したいばかりに話題を振った真矢だが、次の要の発言には耳を疑った。


「そうだな。俺は、愚弟を推そうかと思ってるよ」

「え、と、飛鳥君ですか? その……」


 要も言いたいことはわかる。馬鹿で勇名(?)を馳せる飛鳥を推そうなど、正気か? というのだろう。


「いやな。俺はあいつは結構上手くやると思っているよ。あいつはあかね祭で俺をも上回ってみせた訳だしな」


 実際、あかね祭で蓮城 要の恋情カレーが弟の団子屋蓮城に負けたというのは、当初の誰しもの予想を裏切ることだった。傍でサポートしていたのが淀見 つぼみであるとはいえ、万事において常に要は飛鳥を上回るものだと皆が思っていたのだ。

 当の要を除いては。


「あいつは凄いんだよ。俺なんかよりよっぽどな」


 あかね祭でトップの評価を取るというのは、クラスの団結なくして成し得ない。その立役者が飛鳥というなら、人を纏める資質はある筈だ。


 それに、飛鳥という人間はなかなかに堅実な男なのだ。要は知っている。馬鹿になる為に広辞苑で馬鹿の項目と3日間睨めっこし続けた幼少の飛鳥を。馬鹿をやるといいつつ他人に迷惑をかけるようなことは実はしない飛鳥を。


 クラスを纏める時も、自分を道化にして団結を図るのでなく、堅実に、まじめに取り組んだ結果、クラスの皆が飛鳥についていくこととなったのだ。最後のものはつぼみから聞いた話であるが、要の事前の推測とほぼ変わりない。


 だがまあ、馬鹿を目指すとは常軌を逸した愚行なのは確かだ。側からみればなんとトンチキな男なのかと馬鹿にされて当然である。眼前の真矢のような反応こそ、普通の反応なのだ。


「それは……」

「飛鳥を高く評価し過ぎてる、か? それは違う。あいつは俺にはないものを持ってる。そしてそれは、誰もが持ち得るものではないんだ。たしかに最近は不貞腐れてたけどね」

「よく、わからないです」


 困った風に言う真矢を見て、要は笑った。

 それはそうだろうと要も思う。飛鳥の凄いところは、あまり表には出てこない。


「まあ、見てなって。あいつが会長になったらわかるよ。……そもそも承けてくれるかわかんないけどな」

読んでくださった方、本当にありがとうございます。

感想や評価、誹謗中傷でもくださると、作者は嬉しいです。

次回でもよろしくお願いします。

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