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馬鹿みたいに恋がしたい  作者: 川面月夜
第九幕 無要運命ダストLINE

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第九幕 無要運命ダストLINE 5

九幕五話です、よろしくお願いします。

 向き合うべき時である。それはわかっている。けれど、いざそうしようとすると、決意は揺らぐ。

 大掃除の時、ふとした隙に漫画を読み耽ってしまうような、そんな心地だった。


 引き篭もりであることは、この先どうしてもボクに、いや、飛鳥くんにとっての枷になる。それは嫌だ。絶対に。


 ベッドの上で体育座りをしながら、ボクはため息を吐いた。


 ……この数日。あのダブルデートを終えてから、ボクは何度か両親の元に赴こうとしていた。が、気が乗らない。


 ボクの両親に対して抱く感情は複雑なものだが、華月に対してより悪感情はなかった。直接のトラウマの要因である華月への恐怖は大きい。一応和解を果たしたとはいえ、それでも遺恨は残るほどに。


 そういう意味で言えば、ボクは両親に対して思うことはないのだ。トラウマとか、そういうのはない。いや、少し違うか。


 ほんとうに、何もないのだ。

 諦めが、ボクから両親への思いを奪っていた。

 今の生活も、両親がお金を出して成り立っていることはわかっている。それに対して少しばかりの感謝はある。


 けれど、トラウマに震える娘を放り出して別で暮らすなどというのは、一般的観念からしてアウトだろう。

 事情があるのはわかる。どう顔向けすればいいのかという気持ちもあるだろう。

 今思えばそれも、自分たちは邪魔にしかならないと考えた華月の計らいだったのかもしれないけど。


 それでも、だ。


 ……やはり、どうにも気が乗らない。飛鳥君に逃避したいと考えるが、今日は平日、その真っ昼間。彼は学校の最中である。


 仕方なく妄想する。

 あの大きな(男子としては平均くらいかもしれないが)腕に抱かれ、なんの懸念もなく眠りたい。耳元で愛を囁いて欲しいし、そのまま押し倒されてもいい。そして……。


「あ、うう」


 膝を抱え込み、そこに顔を埋めた。暇とはいえ、何を考えているのか、ボクは……。


 でも、その先に、今のボクの夢があるのだ。

 考えて顔が赤くなっちゃうが、即ちお嫁さんとかいうやつだ。枕に飛鳥君の、と付けるのを忘れてはいけない。


 そして、夫婦円満、子供は三人、あとゴールデンレトリバーを飼って笑って暮らすのだ。都会の喧騒より、静かな街がいい。田舎すぎても困る。つまり、あの吉川のような街がいい。家は一軒家で、三階建、あと庭が広いものがいいな。

 飛鳥君が仕事に行く時と帰ってくる時にはキスを欠かさないし、一緒に寝たい。近所では評判のおしどり夫婦になりたい。そうしていつまでも仲睦まじく居て、子供達に呆れられたい。


「ふふ、えへへ」


 そんな馬鹿みたいに幸せな未来を夢想すると、どうにも頬が緩む。さっきまでの嫌な思考が綺麗に吹き飛んでくれる。

 同時に、また、向き合わなければならない問題にも直視させられるからループしてしまうけど、少しばかりの勇気は湧く。


「……そう、だよね」

 

 そして、そんな遠い未来より、もっと手近な未来での、ボクの夢がある。

 今しか、叶えられない夢だ。

 そのためには、しなければならない、向き合わなければならない。


 ……きっとこれは、飛鳥君の力を借りるべきではないことだ。


「……よし、やるぞ」


 決意を固める。

 ボクにはやることがあるのだ。もっと飛鳥君とイチャイチャしたい、先にも進みたい。

 そのためというなら、過去とでも向き合ってやる。


読んでくださった方、本当にありがとうございます。

感想や評価、誹謗中傷でもくださると、作者は嬉しいです。

次回でもよろしくお願いします。


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