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57 新しい魔法

 薬草のおばあちゃんに妖精の瓶?を持って行ったらすごく喜んでくれた。ヒーリングポーションの材料になるらしい。え、そんなの飲むの?って感じだけどね。薬草で作るようなのではなく、かなり強力なやつだそうだ。交換で2本くれるって。


 僕のレベルは今2.3ぐらいになってるから、あと二、三回ダンジョン行けばレベル上がりそう。ということでまた行くことになった。方針としてはトロール一匹なら刻む。二匹以上なら倒すか逃げる。それまでにあかりはもうちょっとダンジョン向きの魔法の練習をすると言ってる。



 翌週。報酬のヒーリングポーションも受け取って準備も完了。ダンジョン行くために茶店の前で女性陣の着替えを待つ。


 今日のあかりはストラップレスでチューブトップのチュニック。ワンピースというより筒だ。ビールのキャンペーンガールみたいなやつ。下端もピチッとしたミニで太腿がかなり上の方から見えている。っていうかチュニックとは何?


「おはよう!フィン」


 あかりのエロチュニックに気を取られていたら背後からメイが声を掛けてきた。

 え?え?


 そこには女子高生がいた。最初見た時二度見したんだけど女子高生だった。チェックのスカートに白いブラウスに茶色のカーディガンで首元にリボン。スカートは短めで足はニーソ。髪は黒髪ツインテールで眼鏡。

 顔がちょっと幼いから中高一貫のJCかもだけどJKファッションだ。そんなJKが駆け寄って僕の手を取り、妹たちにも声をかける。

「二人もおはよう!」

「……天然かと思ってたけどワザとよね……」

妹たちがヒソヒソ話している。



 例によって二階のボス部屋前でお昼を食べていると人がやってきた。レイラさんのパーティだ。

「あらボス待ち?」

「いえ先どうぞ」

僕らはバグベアではレベル大して上がらないし魔法が勿体ないからね。レイラさんたちも見た感じみんなレベル3になってるし大丈夫だろう。


「あなた達こんなとこにいるとか随分強いのね」

「たまたま通りかかっただけですから」

なんかジト目で見られるが気にしないことにする。僕としてはこんなところに女子高生がいる方が気になるんだけど……


 レイラさん達は30分程で戻ってきた。

「お疲れです。どうでした?」

「まあ大変だったけど死ぬほどではなかったかな」

「無事でよかったです」


 ということで入れ替わりでボス部屋に入る。三階へ。


・・


 三階の何度も来た通路。いつもと同じくあかりが先頭に立つ。


 あかりは全体的に細いからウェストはそんなにくびれてるわけでもないんだけど、後ろ姿が綺麗だ。スラっとした背中からキュッとしたヒップの切り替わりがなんかいいんだよね。しかも今日はピッタリとしたチューブトップだから歩くとお尻と太腿の境目のところが布地に浮かび上がってきて良いです。なんか境目ってよくない?


「あかりちゃんってスタイルいいですよね。ホント羨ましい」

女子高生スタイルのメイがいかにも女の子が言いそうなことを言う。しかしメイからあかりはちゃん付けなんだな。


「メイちゃんもスタイルよくてずるい」

僕と同い年の妹が会話に入ってきた。シャリはメイちゃんって呼ぶんだよね。


「私はシャリさんが細くて羨ましいです。私デブだから」

「メイちゃんの胸のほうが羨ましい」

「肩凝るしいろいろ服とかも大変なんですよ」


 荒れそうな話の展開になってきたぞ。


『!』

気配察知に感触。トロールが一体。

「前に一体いる」

話を逸らす。


「おびき寄せて狩るわよ」

肩も太腿も肌を露わにしたあかりが軽やかにダンジョンを走って行く。


 あかりが走って戻って来た。後ろにトロールを一体引き連れている。トレインかな。いやこれがトローリング?

 メイがダーツ投げを始めた。引き付けて、トロールが突っ込んできたところで僕もダーツ投げに加わる。痺れ薬で硬直したトロールが勢いで転がってきた。


「よし、一丁!」

例によって攻撃力付加してスコップ!で解体する。ここがもうちょっとスマートだといいんだけどなあ。終わる頃にはトロールの血でベタベタだ。

『せめてこれをキレイにする恩恵が欲しいよ』

「また来たわ!」


 妖精の瓶を作り終えたところに新たなトロールが二体。あかりが新作の魔法を試したいと言うので、例によってみんなには避難してもらう。

 僕は一応あかりの後ろにくっついてウェストに手を回しておく。お腹が柔らかい。呪文が詠唱される。

ᚵᚱᛂᛆᛐ ᛔᚮᚥᛂᚱ ᛒᚮᚱᚿ ᛒᛂᛐᚥᛂᛂᚿ ᛚᛁᚵᚼᛐ ᛆᚿᛑ ᛑᛆᚱᚴᚿᛂᛋᛋ. ᛑᛂᛋᛐᚱᚮᛦ ᛆᛚᛚ ᛒᛂᛁᚿᚵᛋ ᛐᚼᛆᛐ ᛍᚮᛘᛂ ᚮᚢᛐ ᚮᚠ ᛘᛦ ᚼᛆᚿᛑ ᛆᚿᛑ ᛋᛐᛆᚿᛑ ᛒᛂᚠᚮᚱᛂ ᛘᛂ, ᛆᚿᛑ ᛑᛂᛋᛐᚱᚮᛦ ᛐᚼᚮᛋᛂ ᚥᚼᚮ ᛋᛂᛂᚴ ᛐᚮ ᛒᛂ ᛘᛦ ᛂᚿᛂᛘᛁᛂᛋ.

 トロールがこっちに気がついてやって来た。間に合うか。


「マジックボルト!」


 あかりの手から白いエネルギーが噴き出した。通路を光が埋め尽くす。トロールが光の中で吹き飛んで消える。

『ビームライフルじゃん!』ちょっと興奮。


 光が消えるとトロールもいなかった。


「すごいよこれ!」

「まあね」

「最初からこういうのにしたらよかったんじゃない?」

「爆発させるより制御する方が難しいのよ」

核エネルギーみたいなもんかな?


 この時点で僕のレベルは2の後半まで来ている。

「もう一回やれる?」

「高いわよ」

あかりは自慢げにニヤッとする。美人はこういう顔もカッコいいんだよな。


 もうリポップしたのか、新たなトロールが二匹やって来た。あかりが再度呪文の詠唱を始める。僕は足止めのためダーツを投げる。全部投げたら最後はスコップ!もぶち投げた。トロールが迫る。あかりのお腹に手を回して待機。間に合え。


「マジックボルト!」


 白いエネルギーが通路を埋め尽くす。光の中でトロールが影となって消えていく。そして体の奥から込み上げるレベルアップの感触。

 あかりの魔法が発射される直前、通路の向こうに背の高い犬頭の姿がチラッと見えた。


――


フィン:レベル3(up)(人間:転生者)

・恩恵:レベル判定、レベル移譲、気配察知、槍使い、投擲、格闘、縮地、精神耐性、スタミナ向上、ロケート、手斧使い、スコップ、庇う、耐久力向上、罠スキル、炎、クリーン(new)


シャリ:レベル5(人間)

・恩恵:癒し(フィンに効果2倍)、プロテクション(フィンに効果時間2倍)、攻撃力付与、メイス使い、リワインド、状態異常耐性、催眠術


あかり:レベル6(エルフ:転生者)

・恩恵:鑑定、初級攻撃魔法、中級攻撃魔法、隠密、耐寒、マッピング


メイ:レベル3(人間:転生者)

・恩恵:衣装製作、アイテム化、投げナイフ/ダーツ使い


挿絵(By みてみん)

次回より新章 ダンジョンの向こうに。

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