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お腹痛いよ企画、生き急いだ蕎麦、黎明編

作者: 星野☆明美

私、メリーさん。今、拓さんのお家のそばにいるの。

「今日は蕎麦です!うきうき」

拓さんの食卓には漆塗りの食器にてんこ盛りの蕎麦が置いてあって、とっても美味しそう。十割そばだったらしく、蕎麦湯も湯呑みにたっぷり入ってる。

まあ!拓さんはつゆをダシから作るのね!本格的だわ。

そのすきに、メリーさん、蕎麦を味見させてもらいまーす!

さすが十割そば。蕎麦アレルギーの人は食べられなくてかわいそう。

「いただきまーす」

えっ!

メリーさん、蕎麦と一緒に拓さんのお口の中へ。

しまった!セオリー通りなら、メリーさん、拓さんの背後に立ってビビらせなきゃいけないのに、これは……。

食道を通り、胃に入る。こなされて消化が始まる。

腸内をくぐり抜け、あっちこっち行ったり来たり。

「私、メリーさん。今あなたのお腹の中にいるの!」

「ひえー!」

拓さんが怖がっている。

ぐるる、きゅる。

じゃー、がぼがぼ。

「私、メリーさん。今下水道を流れているの」

拓さんが「汚れっちまったかなしみに……」と中原中也?の詩をうたってくれた。

私が知ってるのは魁!男塾のオープニングの方なんだけど。よーごれーっちまーった、かなしみにいいい、おれの青春もなんぼのもんじゃい!!ですよ。

私、メリーさん。蕎麦だったものとお別れして、マンホールの蓋を開けると夜明けの街角に出た。

今度はあなたに会いにゆくから待っててねv

とりあえず温泉にでもいって垢を流してこなくちゃ。

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