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僕は聖女じゃありません!  作者: 神内 焔
第一章   異世界生活の始まり。
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冒険者ギルド

近々全員のステータスを出したいな……多分。



 「先ずは冒険者ギルドに登録して狩りで得た素材を何時でも売れる様にします。皆さんを信用しない訳じゃないけど、鑑定スキルのある僕が等級毎に選り分け売る方が稼ぎになると思うんです。

 次に皆さんのサポート役ですね。回復、状態異常、採取など、手伝える事が山程ある筈です。戦闘ではあまり役に立ちませんが、新たなスキルを得る為にも着いて行く価値はある筈。

 何より回復を受ける為とはいえ、毎度殴られたり踏まれたりする気ですか?」

 「「「うっ!!!」」」


 「多分、やる方もやられる方も嫌な筈ですよ。僕の知らない間に全員が新たな扉を開けていたなんて想像するだけで怖いですよ。」


 「た、確かに。」

 「想像もしたくないっすね。」

 「流石にそんな事になったら家族に顔向け出来ませんわね。」

 「私、泣いていいよな?」


 「桃子さん、事態は切実だと思いますよ。桃子さんの回復スキルは最後の手段に留めて、普段はポーション等に頼っている方が健全に過ごせると思うんです。」

 「わ、分かった。歩の言う通りにする。」


 皆分ってくれて良かった。実際に想像したんだろうな、全員が物凄く嫌な顔してる。

 何だかんだ言っても女のコばかりだし、僕がしっかりしないと情けない。

 まあ、戦闘さえ出来ない時点で充分過ぎる程情けないけど、せめて生活面で助けになれればいいな。






 「此処が冒険者ギルドだね。」

 「間違いありませんわ。門の守衛さんに聞いた通りですもの。」

 「お前等、門から真っ直ぐにしか来てないんだから迷いようが無いだろう?」

 「姉さん、其処はお約束って言うか、様式美って言うか………ねぇ?」


 言いたい事は分かるよ。でも、桃子さんはラノベもゲームもしないんだから、分からなくても仕方ないとおもうよ。

 「まあ、気を取り直して行きますか。」





 「えっと……新規受付は……と、彼処ですね。」


 入り口から見て右の奥にカウンターが並んでいる。左行けば酒場なのだろうか?少数だが、冒険者らしき人達が酒盛りをしていた。

 右奥のカウンターに向かい右端に新規登録受付があり、次に依頼受付、三番目から六番目までがどうやら冒険者用の依頼受諾と完了受付になっているようだ。

 右側カウンターから離れた所と、酒場入り口付近に二階への階段があり、テラスの様な場所に続いている。

 残念ながらその先は見えない。そして、階段の間の掲示板に依頼らしき張り紙が幾つか貼られている。


 先ずは登録だ、異世界物のギルドなら登録時に底辺の冒険者に絡まれるイベントがあるけど、流石に物語と現実を混同は出来ない。

 森の中で流石に一週間程彷徨ったお陰で全員が結構なレベルアップを果たしたが、僕は戦闘に参加出来ないお陰で殆どレベルアップしなかった。

 この世界、魔物を倒せばレベルアップするのはゲームと同じだけど、戦闘に参加出来なかったら経験値は入らない仕様らしい。

 なので、道中食料探しのついでに薬草類や茸類、使えそうな鉱石等拾える物は何でも拾ってきた。

 そのお陰なのか、鑑定スキルを始め精製スキルや錬金術関連のスキルがある程度上がってくれた。

 



 「すいません、冒険者登録したいのですけど。」

 「はい、新規の登録ですね?五名様全員で御座いますか?」

 「はい、そうです。」

 「皆様女性ばかりのようですけども、冒険者とはダンジョンでも依頼中の事故でも全てが自己責任となっておりますが、その辺はご存知でしょうか?」

 「あぁ、大丈夫だぜ。こう見えても私等それなりに戦えるんだ。」

 「護衛依頼などの際盗賊や魔物との戦闘になる場合も御座いますが覚悟の方はお有りですか?」


 受付のお姉さんが笑顔から一変、鋭い眼差しで聞いて来る。正直僕にそんな覚悟があるか?と言われると、無いとしか言えない。

 それで無くとも戦闘力が皆無なのだ、採取や錬金術で出来たポーション等を卸せればいいな位の感覚だった。


 「問題ない、盗賊も生死不問って事でいい?」

 「はい、盗賊になった時点で死刑が確定している様な物なので、生死不問で問題有りません。ですが、生きたまま衛兵に突き出せば、高くはありませんが、奴隷買取金と身元確認が取れれば討伐懸賞金が支払われます。」


 普段無口な林檎さんがあそこ迄自信たっぷりに言うのも珍しい。しかも、実際に人を殺める事に忌避感が全く無い様にも見える。


 「現時点で覚悟が無くても問題は有りません。ただ、Dランクから護衛依頼も受けられる様になりますので、それ迄に覚悟を決めて頂ければ結構です。」


 それ程迄に人間の命が安いと言う事なのかも知れない。これは肝に命じて置かないと簡単に命を落としそうだ。


 「では、冒険者の説明はお聞きになりますか?」

 「あ、はい、お願いします。」


 冒険者はF〜Sランクまであり、新規登録時はFランクスタートとなる。例外として、魔法が使える登録者は試験を受けた後にF〜Dランクに振り分けてスタートになる。

 これは、魔法が使える冒険者は戦力的に上位に位置する為の措置だそうだ。

 別枠として採取専門で登録する人も居り、採取の実力が認められれば採取部門でのランクアップする事が出来る。また、採取部門は戦闘専門では無いとはいえ、森に入り採取する為多少の腕は必要とされるので注意。


 なお、薬草類は消費が激しい為に随時買取しており、余程特殊な物でない限り依頼を受けて無くても達成扱いになるそうだ。

 採取の他に、討伐、護衛、調査の種類があり、専門で請け負う冒険者も数多く居るので、盗賊と闘えなくても狩り等で生計を立てる人も多少は居るそうだ。

 でも、それってマタギとか言うんじゃないだろうか?


 昇格にはCランク迄は各ギルドマスターの判断で昇格出来るが、B〜Aランクに昇格するには昇格試験を受けなければならず、筆記、実技、礼儀作法の三つの試験に合格しなければならない。

 Sランク昇格には三人のギルドマスターの推薦と現国王の承認が必要になるそうで、国からの指名依頼も数多く発注されるそうだ。

 その代わりランクが上がる度に報酬も鰻登りに高額になるそうだ。


 「最後に冒険者は一般人に対し、余程な事をされない限り暴力等を振るえば罰せられます。此れは平民、貴族に限らず、第三者の証言を元に罪状の認否が決められますのでご注意下さい。但し、第三者の証言を覆す証拠が有ればその限りではありません。以上何か質問は御座いますか?」

 「いえ、取り敢えずは大丈夫です。解らない事があればまた来ます。」

 「了解しました。では、魔法試験を受ける方は居ますか?」

 「はい、全員お願いします。」

 「えぇ!」


 今迄冷静に説明してくれてた受付嬢さんが、初めてその表情を崩した瞬間だった。




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