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1話 異世界転移した!?

皆さんの中に毎日進んで学校に行っている又は行っていた人はいるであろうか。そんなの当たり前だろ、と思った人は良い。


が、ほとんどの人がそれぞれ成績、進学、夢のために嫌々行っているのだ。かくいう僕もそんな一人な訳で。


つまり何が言いたいって? では、全学生、社会人の気持ちを代弁しようではないか!


「「「「学校(会社)行きたくねぇ!!」」」」


ということである。


あ、自己紹介がまだだったな、僕は影野俊。どこにでもいる普通の高校生だ。


それにしても今日はおかしな日だ。だってさっきから布団の上に誰かがのっているような感覚が……え!?


あるぇ? おっかしいなぁ、僕は一人暮らしなんだけどなぁ、家族にしか鍵渡してないんだけどなぁ!


おそるおそる目を開けると、そこにはあぁら不思議! 僕の幼馴染の山城愛理という超絶美少女が……じゃねぇよ!


これはなんかの幻覚です、はい、いやほんt……


「おはようシュンくん!」


現実でした。は? 何でこいつがここに? どうやって? 疑問が尽きないが一先ず抑えてこいつに言いたいことがある。


「何で男の家に女の子が一人でいるんだよォォォォォォォォ!!


「え?でもでも、私ジュンくんのこと男の子として見られないの、ごめんね。」


「いやいや、何で俺が告白した流れになってるの!?」


「え? 違うの?」


「違うよ! ってか今の会話のどこをどう聞けばそう聞こえるんだよ!」


「えぇ?ーーーー全部?(はぁと)」


か、かわいい!? じゃないじゃない! 幼馴染だぞ相手は。


「全部? (はぁと)じゃねぇよ! まぁいいや、そんなことはおいといて、どうやって俺の家に入ったんだ?」


「ジュンくんが引っ越すときにおばさんにお世話するよう頼まれたんだよ!ほら!あ、い、か、ぎ!(はぁと)」


そう言って愛理は僕に鍵を見せつける。


「あのババァ余計なことしやがって!」


「何だって、ジュンくん?」


「何でもねぇよ」


「そっか、……ねぇねぇシュンくん、言うの忘れてたけど明日からも毎日来るからねっ!」


「え? まじで?」


「マジだよ!」


一旦落ち着いて状況を整理しよう。愛理は美少女、その愛理が幼馴染とはいえ男の部屋に通う、これで学校に変な噂が広まらない方がおかしい。何とかして止めさせないと愛理のファンに殺される!


「じ、時間大丈夫なのか?」


「え? だ、大丈夫だよ! この家通学路だし」


くそぅ! しかしこうなったら、なんとか有耶無耶にするしかないではないか!!! はぁ、僕の昼休みは作戦会議ボッチに消えそうだ。


「そうか、そういえばそろそろ時間やばくなってきたから飯食って着替えて学校行くか! ほら急げ! ほらほら! 」


「そうだね! あ、ご飯作っといたよ!」




余談だが愛理の飯は滅茶苦茶旨かった





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

学校にて


「じゃあ、私教室あっちだから。また後で!」


「おう、また後でな!」


愛理の教室は離れてるためここからは一人だ。

はあ、今の俺の気持ちはさながらライオンを前にしたウサギってところかな。


なぜかって? まあそれは教室に入れば分かると思う。と教室のドアを開けようとした時だった。



「よう! シュン。」


前言撤回、こいつの名前は山崎健。容姿端麗、博識多才といった言葉が似合うようないわゆる天才。そして俺の幼馴染であり、親友である。


そしてこいつがいるということは、


「おはよう健くん、シュン君と話すより私たち成績上位者の2人で学問について語り合いましょう! ほ、保健体育とか、良いんじゃないかしら?(ボソッ)」


そうだよな、こいつは西川絵里。テストではいつも健に次ぐ2位をキープし続けている秀才だ。そして何よりかわいい!


「あのさぁ、抜け駆けはよくないと思うよぉ! ねぇねぇ健くん、放課後私たちでイイトコに遊びに行かない?」


あぁ、今日はこっちもいたか。こいつは中田恵。投票で学校にて一番彼女にしたい女子に選ばれた美少女だ。そう、健がいるということは健を狙う女子もまた、いるということなのだ。


はぁ、今日も羨ましいこって。健のやつ、まぁいいか。ここにいたら厄介なことになると俺の本能と女子からの視線が告げている。よし、逃げよう!


と、逃げたは良い。が、一瞬で捕まった。あ、そう言えばこいつは陸上部の部長でしたね、ハイ。しかし、


「なぁ、お前が女の子達と話しづらいって言うならサポートするからさ、な? 親友だろ!」


と、イケメンスマイルとともにお見舞いされたらひとたまりもない。仕方ない、今日は諦めよう。


というかこの前断ったら『そ、そうか、悪かったな!』と、端正な顔を少し悲しそうに歪めて謝られ、心が痛くなったのである。


ーーと考えていると、


「女子と話せないってどんだけ奥手なんだよ!」


とからかってくるやつがいた。こいつは木田正、いつもみんなを笑わせるムードメーカーだ。それに続いて、


「皆何でこんなところにいるんだ? 通行者の邪魔だぞ!」


と、話しかけてきたのが高橋小太郎、陸上部の副部長である。


「それもそうだな。じゃあ続きは中で!」


そう健が言うと皆それに従う。そう、健はクラスカースト最上位なのである。はあ、羨ましい羨ましい! でも、健の親友という肩書きのお陰で俺はかろうじてクラスカースト上位にいることができているので感謝こそすれ恨む筋合いはないと思い直す。


その時だった。教室の中に光輝く魔方陣が突如として出現し俺たちは眩しくて目を閉じる。目を開けるとそこに広がっていたのは、




立派な椅子に腰かける王様らしき人とその人の横から並んでいる魔術師達と騎士達。


つまり……………




「ようこそおいでくださった、勇者達よ」











異世界転移の、テンプレイベントの光景であった。





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