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説得、それから

スカーレットを名字にして、名前を別に作りたいのですが、何か案ありませんか。

  俺たちは帰路についていた。

 スカーレットが嬉しそうに帰っているところ、俺は少し悩んでいた。

 俺は少し不安だった。

 まず、屋敷にスカーレットを入れさせて貰えるかだ。

 もしそれが大丈夫で次にお父様のところに行った時に、スカーレットが住むのはダメだと言わないかだ。

 家族で優遇されているものの、無理なものは無理だ。

 例えば、極端な話だけど家宝を売らせてなど。

 そこがさっきからとても不安でしょうがなかったのだ。

 杞憂に過ぎないことを願うけど。


 

 

 「おかえりなさいませ、レン様、ソフィー。お怪我なさい、えっ」


 「ただいま。怪我してないよ。」

 

 「お待ちください!レン様。」


 「なんでしょうか。何か用でもありますか。」 

 

 「ソフィーはいいとして、その子娘は誰でしょうか。」


 「俺の友達だよ。悪いことはしてこないから大丈夫。」


 「レン様。その方は、上級炎精霊です。気をつけてください。」


 「炎精霊がいたら何が悪い。」

 

 「奴の尻尾は危険です。先が炎でできているため、屋敷が燃える可能性があります。」


 「本当か、スカーレット。」


 「間違ってはいませんけど、勘違いをしていらっしゃいますね。」


 「なんですと。」


 「確かに私たち炎精霊は尻尾の先が炎でできています。水をかけられても消えません。しかし、その炎は精霊自身が消すことができます。このように。」


 スカーレットの尻尾を見ていると、先の方だけ炎のような赤で、そこから下はオレンジ色だったのだ。

 スカーレットがこのようにと言ってすぐ、炎のように赤い尻尾の先はどんどんオレンジ色になり、尻尾全体で色が同じになった。

 「おぉ、確かに炎が消えましたな。それでは中にどうぞ。しかし、注意してください。万が一、屋敷内で炎をつけているのを見ましたら永久に追放になるので。」


 「ありがとうございます。」

 

 「ところでレン様、右手に紋章があるのですが、まさか契約したのですか。」


 「……よく見ていましたね。そうですよ、契約しました。」


 「おお、なんとこの年でもう上級精霊を見つけ、契約まで済ませるなんて、さすがはレン様です。聖剣士を目指すのでしょう。」


 「いや、魔剣士を目指してみようと思う。」

 

 「なんと、しかし、レン様並みの天才ならいけると思います。頑張ってください。」


 「ありがとう。門番お疲れ様です。」


 そういい、俺たちは屋敷に入って行った。

 とりあえず一つ目の関門は抜けた。

 次はお父様だ。



  コンコン。

 

 「誰だ。」

 執務室からお父様の声が、

 「レンでございます」

 

 「おお、レンか。入ってきていいぞ。」

 

 「失礼します。」

 お父様は書類を片付けていた。隣には、執事のクリスさんがいる。25で執事を始め、そこから5年間(今まで)ずっとお父様の近くにいる。たまに遊んでくれたりする結構優しい人だ。


 「む、ソフィーも一緒か、それと誰だ。」


 「スカーレット、上級炎精霊でございます。」


 「炎精霊か。よくここの門番が通したな。」


 「お父様、要望があります。」

 

 「俺にできる物なら、なんでも言うがいい。」


 「実は僕、スカーレットとウェストシャード山にて冒険者に捕まっているところ会い、助けたところ契約してくれることになりました。そこでどうか、屋敷に一緒に住まわせてください。」


 「それは難しい話だ。第一、お前は来年、入学するのにまだ職が決まってないじゃないか。」


 「職は決まりました。」


 「なに。その職はなんだ。」


 「上級精霊と契約しないといけない、魔剣士です。」


 「ふむ。しかし、聖剣士じゃなくていいのか。」 


 「大丈夫です。」


 「お前なら生まれながら魔力を持っていて魔剣士でも大丈夫だとおもうが、無理だけはするなよ。」


 「と、言うことは。」


 「条件付きでいいなら。」

 その条件というのは、まだレンに恋人として向かい入れるのは早いからメイド扱いで雇う。そして、ソフィーに教えてもらいながら、レンの専属侍女として働くこと。

 スカーレットは大丈夫ですと言い、ソフィーにいいかを聞いたところ問題ありませんとのことだ。

 あと、絶対屋敷内では尻尾に炎を灯すのは禁止とのことだ。まあ、これは当たり前だったからいいんだけど。

 それに追加して、勤勉は怠るなとのこと。よく外に行く俺としては少し鬼畜だった。

 そして、魔剣士の練習は、今まで稽古をやっていた広場ではなく、結界が張ってある闘技場か、第二練習場でやるかにしろとのこと。第一は次男のレビンの母、メルムーン子爵(お父様)の第二夫人が稽古をつけているため使えない。俺もつけて欲しいと言ったが、学校に入ったらいいよと言われた。つまり、15からつけてくれるとのこと。俺としては早く稽古をつけてもらって剣術を磨きたい。

 「明日から練習するかー。」


 「そうですねー。契約してどうなったか気になりますからねー。」

 

 「あっ、スカーレット。」


 「なんでしょうか。」


 「もっとゆるい感じで話していいよ、これから一緒に過ごしていくパートナーなのにそんなにかしこまってたら肩の荷が降りないよ。」


 「そうですか。では。

 こんな感じでいい?レン。」


 「いいよ、改めてよろしくな、スカーレット。」


 「こっちこそ。ボクをこれからうまく使えるように頑張ってね。」


 「ソフィーも俺と出かける時、なるべくスカーレットみたいに話して欲しい。」


 「……わかった。」


 「うん?」


 「ダメでしたか?」


 「いや、そうやって話して貰えると嬉しい。」


 「了解。さあ、魔石をメイリーン様(レンの母上)に私たら勉強よ。」

 よーし、これから一流の魔剣士になれるように努力するぞ!

次回は14歳のレンに戻ります

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