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Dea Creaturae ーAc revelareー  作者: つつみ
Ultor_2
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ーMutare, subito rursusー

…そう。何時もの様に仕事と日常の日々を送りながら、大切な人を死に追いやった女性達の事を調べたり見ていたら。

31日辺りに『しばらくSNSを消します』と書いたきり途絶えた所を此の目で見た。



………そして。









二見さんと、そして成り行きで知り合った二見さんの"悪友"の人と。多忙気味だった生活が少し落ち着いた頃に彼等と遣り取りをする事になり、そして其の中で31日の其の後が分かった。


かく言う自分も31日の例の呟き以前も時折は「彼女」のアカウントを見てはいたのだが、此処最近仕事の大変さ故に中々見れない日もあった。

二見さん達も傍らという合間で彼女達を調べたり見ていたのだろう。ぼくが忙殺されてる間の分を一通り教えてくれた。




で、例の呟き以降どうやら「彼女」は31日の呟きの後は暫く出てこなかったらしい。『10日以降生きていたら戻ってきます』とあった、あの書き込みから。

………正直な所彼女が戻る気満々なのは何と無く分かるし、生きているに決まってるのは当然なのでそんな事書いてまでフォロワーを引き付けたいんだ、と冷めた目で見ていたのを覚えている。








案の定彼女は10日には戻ってどんちゃんと馬鹿騒ぎをしていたし、どうやら人様の二次創作物で動画を作っては普及(布教?)させたい様だった。

元は非公式の存在だけども、彼女はどうやら認知を広めて当然のものにしたい様子だった。「今推しているから」という理由で。

……そんなんだったら今自分が推している版権のキャラクターの認知度を広める行動にすればいいものを、限りなく黒に近いグレーゾーンの代物を白い方に持っていこうとする様子は、或る意味涙ぐましくもありあってはならないものじゃないかと思う。


…勿論、其の延長線上で人を死に追いやったという背景が「彼女」には存在しているから、というのもあるけれども。




教えてもらった通り動画を見てみた。相互に繋がりがあるであろう方の二次物に、「彼女」と並んであの人を死に追いやった「ででん」と「ミズノ」の二次物の少女達も其の中に居た。

「ででん」の方のソフィアと云う少女については、表向きでは天使ちゃん天使ちゃんと主張こそしてはいるものの、どうやら未だに彼女達と本人の中、そして彼女達を取り巻く囲いの間では其の版権物の中で生まれた二次の創作のキャラクターらしい。

































「……でさ~…ちょっと見てくれないか」

二見さんが少し気不味そうな、苦い表情を浮かべて手慣れた手付きで黒いスマートフォンの画面に指を滑らせた。


「連中関係でかなりエゴサしたんだが………このアカウントの奴のな、呟きがさ」と、眉を顰めてから曇らせた其の表情を、スマートフォンの画面と共に向けた、彼が見せてきた画面の中には…。




『シヨさんのよその子ちゃんの動画凄かった~♡よその子ちゃん可愛い~!!みんな可愛くて好きになっちゃったけど特にこの黒髪の女の子と青髪の女の子!!ちょっと調べたら生みの親さんのアカウント見つけちゃった!設定とか結構あったから、シヨさんの呟きと生みの親さん達の設定や保存したいくつかのイラスト纏めて公式さんに要望出して掛け合ってみよっと!!』


『あとシヨさん達と繋がりのある方人に公式の絵師さんいるみたいだしその人達に描かせていただいて公式のキャラクターにしていただけないかも公式の運営さんに出しておかなきゃ!!』










「……………………」

呆然。

………あまりにも急だけれど、目の前に確かに恐ろしい事が書き連なっていた。




『知り合いとかにも見せちゃった!!すごく可愛いってー♡ウチが公式さんに掛け合いたいんだって話したら手伝ってくれるんだって!!やった♡♡』


『たくさん要望あれば公式さんも出してくれるよね?』


『シヨさんの過去の創作の子達も可愛い!!この幼女ちゃん達も公式にさせちゃいたいな!』


『シヨさんも動画の子達を広めたいんだ~!じゃあ公式になればもっとみんなに広められるよね!!!』


『公式さんの所に要望出しちゃった!♡まだ最初だからすぐには叶わないけど、何度も出せばきっと叶うよね!叶うまで頑張るぞっ♡』




最新の内容になればなる程、其の「有志のファン」の行動は過激になっていた。

「彼女達」の呟きやメディアをとことん纏めてゆく様子を上げたり、要望を送信した様子をスクリーンショットしたものを上げたり、挙げ句の果てには要望の嘆願書の様なものを公式の本社宛てにと、ポストに入れる所までを動画にしたものを上げていたりしていた。

































「…………………………………………。」

度重なるストレスからなのか、其れとも今の状況の狂い様によるものなのか、沙和はじわじわと広がる頭痛と込み上げる吐き気を、ぐっと堪らえようとした。

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