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Dea Creaturae ーAc revelareー  作者: つつみ
Anquoa
41/108

ーLusorem cadaverー

「…なんって、まっ、そんな事無いか!どうせあいつなんて存在価値すら無いんだから、家族や身内にも見捨てられてるだろうね!!あははは…」

美亜は強引に気持ちを切り替えて吐き捨てる。

「どうせまともな葬式すら上げさせてもらえなかったりするんだろうなwwwざまあwwwwww」

くっくっ、とマスクの下で笑う。

本当はそうだったら良いんだけどな、と思いながら。



「お!!ででんさん新しい呟きだ!!」

ポン、と更新された音に反応して美亜はででんの呟きを覗く。


『skeb描かせていただきました!』

…そう一言書かれた呟きには、完成された■■■■の絵が1枚。

そして彼女のアカウントには、コミッションサイトのリンクがぺたり。恐らく、ででんのアカウントへ繋がっているのだろう。

(あ、これ知ってる!コミッションサイトだっけ。ででんさんこれ始めたんだ〜!!くそ〜っお金に余裕あったらクライアントとして依頼しちゃうのに〜!!!!)

美亜は悔しそうに唇を噛んだ。伝染病の蔓延ったこんなご時世じゃ無ければなぁ〜!!と其れは其れは悔しそうに。マスクの下の彼女の表情を知る者は居ないだろうが…


またリア友が〜ともう一つ新たな呟きと絵が載せられていた為、2つの呟きを見てうわあぁぁ…と美亜が喜びに浸ると、彼女はふと、シヨーー嵩町有夏のアカウントを見付けて、■■■の彼女のアカウントを思い出し其方の方も覗きに行く。

(チャット送って大丈夫かなぁ)

忙しかったら、と思ってか、チャットを送る事は辞めてDMを送るか!!と思い直し、改めて彼女の■■■のアカウントに久々に飛んでみた。



「ありゃ、マイページの一言変わってる。前は「みににハマった」だったっけ?そんな感じの事書いてたのに」

美亜の手元のスマートフォンには、有夏のページが出ていた。


プレイヤーレベル269、直近のイベント順位2380位、3171位、4682位。

プレイヤーNo.65■■3■■■、

プレイヤーネーム、塩谷。どうも最近はかなりアクティブらしい。もしかしたら()()()()()()が自殺してログインする事自体無くなったからだろうか。

そして何より、遣り取りから最近所属先のギルドの副団長に返り咲くらしい事。

其れを見て美亜は心の中で、まるで勝利を確信したかの様によっしゃ!!と喜んだ。


そんな彼女の、騎士の様な見た目のイラストの隣に出ている一言には、ただ『最近良いことが続きますね』とだけ書かれていた。




(ははあ…なるほど……この一言、あの自殺した()()()()()()へ対する幸せアピールか)

美亜は割と勝手な憶測で有夏の書いた一言の意味を理解した。


(相手が例え自殺してこの世から居なくなっていようと構わず侮辱したり軽蔑して、挙句本人も含め相手の家族や親類の尊厳も踏みにじる…流石シヨさん、嫌いな相手をとことん追い詰める事も凄く上手いなぁ……私もこの位出来なきゃいけないよね!!)


美亜は有夏の些細な挙動すら素晴らしいと賛辞を贈り、讃え、崇拝した。

最早一種の宗教じみた関係が出来上がりつつあった。




(クズロマの事は絶対許さない。奴が例えもうこの世にいなくっても。)

…もし、出来るなら其の墓を壊してやりたいし、ロマの家族を害し、親類を傷付け、理不尽な理由を付けて苦しめたい。

墓の中から骨壷を取り出して奴の家族が見ている前で砕いてやりたいし、あいつの大切にしていたものをシヨさんやででんさん、木兪さんと一緒に壊したり奪い取って金銭の類にして豪遊したりしたい。

更に言えばシヨさん筆頭に自分達が奴の家族や奴の宝物を売った金で豪遊している様を家族や親類にまざまざと見せ付けてしまいたい、と。



ーーそして、シヨさんが前に伏せったーアカウント(だったっけ?)…所謂「裏垢」である粗塩という名のアカウントの方でそんな事を言ってたなーと思い出していた。


正直、シヨさんなら其の位平気で出来ちゃうだろうし、きっと彼女ならででんと一緒に実行する為の準備をしてるだろうな、と美亜は羨ましそうに思った。




自分も協力したいな、と。シヨ(有夏)さんとででんさんを傷付けたあいつは其れ位されるべきなんだ、と本気で思っていたし、シヨさんならあいつに其れ位やっても全然許されるしもむとやってもいい筈だ、と美亜は有夏の■■■での名義である塩谷の名を見詰めながらぼんやり耽る。


























































「あ!!時間近いな!!残りの分も済ませて早く帰ろう!!!」

シヨさんから送られた物も気になって仕方無いな、と美亜は軽快な足取りで用事を済ませ、軽やかな儘帰路へと至るのだった。

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