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Dea Creaturae ーAc revelareー  作者: つつみ
Deinsophia
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ーProgressus est insaniaー

ーー嵩町有夏の思惑は彼女達の欲望と希望の為に。張を籠絡し彼女の■■■■(そうさく)を唯一の存在へ昇華させんと有夏は膨らんだ欲望に走り始める。

更に二人を籠絡し其の心を縛り上げて欲の箍を外させた後、二人も張と同じく有夏に従い欲を風船の様に膨らませた。


利害が重なった四人は、遂に革命の布陣を敷き駒を動かす。


全て有夏の理想の通り。

































……有夏の革命的世界侵攻と「虐殺宣言」が執り行われてから翌日となった。張は、有夏が用意した幻想的な寝台(ベッド)の上で目を覚した。



「………はっ」

産声を上げて、瞳を開いた赤子の如く呼吸と共に視界の全景を認識する。麗しい天蓋。僅かな綺羅の反射する薄っすらと青く染まっている天蓋の薄幕が愛する娘の如き乙女(■■■■)の星を彷彿させて。

「ふぁ……■■くん…?■■■■ちゃん………??」

朧気な甘い夢の出来事と現実の境目の中に心を少し置いてきた気がした、と一度彼女は思う。

「姉ちゃん……?」

もう行っちゃったのかな、と身を起こした彼女から薄く透ける敷布(シーツ)が擦れ落ちる。

一糸纏わぬ身体が、顕わにされた。




174cmの長身である彼女の身体は、大窓から注がれる光に照らされて更に際立っていた事だろう。

幸いにも彼女以外誰も居らず、また逆光故に形のみしか捉えられなかった。

「餡さんも、木兪さんも、もう行っちゃったかな……ぺけさんやレオさん達ももう居ない…?」

張は、少しだけ寂しそうな声色で窓の向こうの外を見た。









































ーー張は、深夜頃の有夏との遣り取りを思い出す。









『でいんちゃん、明日はゆっくりしてて良いからね!!』

『…へっ?なんでなんで!?え、私は一緒じゃ駄目なの姉ちゃん!!?』

『そんなに取り乱さないでよでいんちゃん~、そういう所も可愛いぞっ♡』

『可愛いぞっ♡じゃなくて…』




『…でいんちゃんが私の事心配するのは分かるよ。でも私の難病は治ったの。もう苦しまなくっても良いんだから』

有夏のやや寂し気な表情が、張の心にちくりと刺さった。

『だからっ!!私ね!!いろーんな事をやりたいんだ!!!折角何でも出来る神様みたいな力も持てたんだし!!』

有夏は先程と打って変わって明るい振る舞いに変わる。




此の遣り取りを含めて、此れ迄の彼女の姿を見れば至って普通の、優しくて明るい素敵な女性に写っている。

(でも、何だろう。姉ちゃん…たまに変な気がする…私の考え過ぎかな)

ふ、と正常な思考を巡らせた張は、今頃一番上に立って意欲的に革命活動を行っているであろう有夏へ想いを馳せていたーー




































ーー…………………………


……………………


…………





「さーて、と」

暫く経って張は用意されていた服を着て、金古美の映える(テーブル)を向かっていた。

確か…と唇に指を当てながら思い返す。




『でいんちゃんは■■■■ちゃんの物語を書き続けて!!あと■■■■ちゃんの姿もちゃんと描くんだよ!!!』




「■■■■ちゃん…かぁ」

張は改めて己が創り出した星の乙女について考察する。煌星の民の少女、騎士、■■と惹かれ合い結ばれる宿命を持つ者、新たな世界を創造し創造神或いは女神としてその世界を統べる者ーー

此れ迄沢山の彼女の絵を描き続けてきたが、断片的なものばかりで一から百まで全てを書き切った、とはいかなかった。

(ちゃんと考えてはいるけど)

…心の声の通り、■■■■については明確な設定もあるし、某所では最初の部分だけども小説の形式にして上げた事もある。ちゃんと考えていない訳では無いのだ。

「でも学業とかアクセサリー作りとか家の事とか色々やっててそういう訳にも行かなかったんだよなぁ」

張はうーん、とペン軸を唇に咥え込んで思案する。

『でいんちゃん、さいっこうの■■■■ちゃんを頼むね!!』

有夏の声が脳裏を過る。



「姉ちゃんや私の力で…現実になる■■■■ちゃん………」

熟考し、固める。

美しく織り成した少女■■■■の物語を現実化させる為の形を再び練り出した後、彼女は卓上にて打ち込んだ。

















































ーー………半日は過ぎただろうか、空は夜の幕を降ろした頃。

「出来たぁぁぁっ!!!!!♡♡♡♡♡」

紙面の上に描かれた少女を愛おしい娘の様に抱き締めそうになる。が、其れを堪えてきらきらと星を孕んだ瞳で見詰める。

「でいんちゃ~ん!!!♡♡♡♡♡」

ただいまあああ!!と女子特有の雰囲気を醸し出しながら有夏が入り、そして張を抱擁した。

「姉ちゃんおかえりなさーい!!」と張も有夏を抱き締め返す。自分よりも約30cm程は低い彼女の身体を、■■■■同様愛おしむ様に。


衣服越しに柔らかな肌が触れ合い、ほんのりと(かぐわ)しい香りが鼻孔を擽った。

ーー少し、血の様な匂いと、硝煙の匂いが張の鼻を付いた。

「武力行使したの?」

本来なら咎められる筈の有夏の行為を、張は咎めない。

倫理が少し崩れ掛けた彼女の中で、武力行使や過激な行為は悪では無くなっていたからだ。自分達の思い通りにさせる為なら、或いは正す為に、暴力は厭わない。武力は行使しても良い。そういう考えに挿げ替わっていた。

「うん」

有夏も当たり前の様な表情で答えた。

















「でも安心して!■■■■ちゃんの信者を減らす訳にもいかないから私の力で洗脳したの!!」

有夏はぱっと明るい表情で、何の悪気も無くそう答えた。

「どうせ殺し尽くすよりはそうした方が良いからね!」

「流石姉ちゃん、大胆だし積極的だよねw」

「ふふーんww」

張の目の前で災いの童女の如く振る舞った有夏は、ふと思い出した様に張に迫った。




「ねえねえ■■ちゃん!!」

■■ちゃん、と呼ぶ時は非常にプライベートで、そしてより密に迫った時の呼び方だ。

張の身体に大きな胸を押し付ける程の迫り方をしてまで、有夏は訊ねる。

「■■■■ちゃん!■■ちゃんの思い描く理想の■■■■ちゃんは出来たの!?」

にっこりと、童女の悪戯な微笑みの様な。

































「…………………………。」

張は一瞬曇った表情に変わった後、有夏に釣られる様にぱっと明るい表情を浮かべた。

「うん!!やっと出来たよ、理想的な■■■■ちゃん」

■■■■ちゃんかわいい、と日頃呟いていた彼女の、満面と自信に満ち溢れた笑みが有夏の心を沸き立たせ、そして希望を器の中に満たす。

「見て、姉ちゃん」

卓上の所まで腕を引かれ、有夏が張と共に見た、一枚の紙。









灯りの暖かな色が雲母(きらら)をほんの僅かにまぶした紙に反射し、紙其の物が夜に輝く一星の様に思えた。

其の上に描かれていた、愛らしい服装の少女。




煌星の民の乙女にして、幻想の世界で救世の騎士と謳われる者。

黒い髪は宇宙の熱の色を孕み、深く優しい青と、星の金色を宿した瞳。

背に生やす愛らしい白く無垢な翼、

宇宙の柄を身に、とびきりのフリル、メルヘンなリボン、グローブ、ブーツ。

それでいて洗練された清楚な乙女を全面に押し出した、可愛らしさと健気さと、芯の強さ等を秘めた存在。

硝子で出来た剣を持ち、そして(おや)の全てを注ぎ込んだ傑作にして彼女の完全な代理人。


■■■■。そう名を付けられた、張の愛する少女が描かれていた。

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