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Dea Creaturae ーAc revelareー  作者: つつみ
Deinsophia
14/108

ーLandlouperー

ーーさて、某国には。異人の少女が生まれ落ちた。

異人の血を持つが、其の為に某国の出身でありその国の言葉を主に喋っていた。

まあ血の元である国の言語も話せるには話せるが、取り敢えずそういう奴だった。




とあるご令嬢の身分の者とは実の姉妹の様に親しく、他所でも周りの目構わず喧しく、また彼女からは「でいんちゃん」とよく呼ばれていた。


ででんという名義を持った、或る異人の少女の話をしよう。

ーー其の正しい名を知らないので、仮称として(チョウ)と呼ぶ事にする。

















































張は血こそ異人のものではあるが、生まれも育ちも此の国だった。なので国籍は此の国だし、文化的な馴染み方も此の国寄りだった。


然し血というものはそうは簡単に抗えないものらしくって、どうも彼女は問題児らしい。若気の至りも重なってか、香ばしい発言の多かった………と僕は記憶している。




そんな彼女にも好きなものがあった。ーー後に、女神となった際にも大きな影響を及ぼしている。

あと彼女は理系で、特に天文的な知識を好んだ。

後に爬虫類の亜獣となるファロナーを後輩とし、ファロナーもまた彼女の思想や考えたもの達を全肯定して押し付けながら、ご令嬢同様に彼女のする事成す事から創り上げる物何もかもを公式上のものにしそうな程だった。

































そんな彼女が火柱の様である意味逸脱している、視点に依っては病んでいる人だと思ったのはとある事柄、其れに対する発言を見た時のこと。




『ーー■■くんのイベントが1位になったら深夜の街中を大声で叫びながら走り回ります!!』




……という、大衆の目に触れる掲示板での書き込みだった。

まあ其れを書き込んだ彼女が当時16歳程だったから、若気の至りと言えばそうだし、そして彼女自身覚えちゃいないだろうと言えばそうだ。


ーー…だが、まだ礼節に対する意識がしっかりしていた年代、齢16とは言えある種のしていい事といけない事の区別の付く筈の年齢の者が他者への迷惑を被る行為をすると宣言したのは、やっぱり今振り返っても頭の可怪しい少女だと思う。

其れとも元日生まれ故に頭ハッピーセットなのか、矢張り流れる異人の血が持つ過激さ故なのか……

















幸いにも少しずつ意識が緩やかになっている最中の事だった為周りの反応は割とにこやかであった。


其の他にも公共用のスレッドを別の人物と共に書き込み合戦を繰り広げ荒らしの様になったりもしたし、掲示板の存在するSNSのプロフィールには好き過ぎて吐きそうとまで記載していたりもしていた。

更に他には、諸々。




まあもしかしたら顔なんて知れぬ場所、案外画面の向こう側では大人達が彼女のそう言う香ばしい書き込みの数々を白い目で見ていたかもしれない。









また、他にも彼女がやらかしていた事も知る限りでは絵を上げるSNSで人気の高い絵の構図を丸パクリし、其れを平気で其のSNSに上げていた事や、かなり経ってから隠蔽のつもりか一通り過去に上げたものを消していたりとか割と薄暗い事をしていた。

ーー…彼女に関してはとりわけSNSで問題発言や行動が幾つかあった。


然しながら幸いにも張のしてきた事は彼女の人柄や才能含めた能力によって上手く隠されていたのである。




ーーとある令嬢は言う。

「でいんちゃんって物は作れるし絵は上手いし、ピアノも弾けるもんねー、でいんちゃんの家にはピアノあるし」

もしかしたら張という少女も、令嬢ーー嵩町有夏(たかまちゆか)と同じか、そうはいかなくとも裕福な身分の人間だったのかもしれない。



裕福な者は余裕こそあるが、悪く言えば裕福さは驕りや傲慢を助長させてしまうのだろう、と僕は思った。
















































ーーおや。此れから話してゆこうと思っていたのに、どうも時は止まっちゃくれないらしい。

今回は此処までにしておこう。張というしょの話は、また別の時に続きを。




そうして黒い青年は一度書き記し上げた一冊の本を閉じて、聞き手の眠る隣に静かに座った。

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