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魔王に転生して女勇者に惚れました。  作者: キヨキヨ
第1章 魔王に転生
5/12

第5話 5人の魔王

サクサク行きまーす

ニーズルと勇者。

2人は俺の事をキラキラした目で見て来る。


「勇者さん。貴女一度じっくり考えてから返事しなさい。何故急にキラキラした目で告白を承諾してんの!?俺魔王だけど勇者がそういう性格だったら心配なんだけど!?」


部屋に入ってきた時はもう殺し屋みたいな雰囲気を纏った勇者。寧ろそっちの方が勇者として似合っていた。だが、今はただの恋した女の子だ。

殺伐とした雰囲気から一転こうも変わると心配してしまう。


「大丈夫よ魔王。私は至って普通よ。たださっきまでは勇者としての使命が強かったわ。魔王を殺して世界を平和にしようと頑張っていたわ」


「でしょうね!入ってくるなり剣を向けてきたからね!たださアレ本気じゃなかったでしょ?なんかゆっくり剣を振られてたからつい掴んじゃったんだよ」


最初に斬りかかった時、俺には途中から勇者がゆっくりと動いてるようにしか見えてなかった。

だから、簡単に剣先を掴めたのだ。


「…本気よ。一瞬で殺すつもりだったから全力で挑んだのよ」


勇者は顔を引きつらせている。

え?アレが全力?

冗談…にも見えないし本当のことか。ということは考えられるのは神様から貰ったチートステータスか。

うん。落ち着いたらステータス見てみよう。


「私の力が及ばない魔王は初めてよ」


「ん?魔王はまだいるのか?」


「いたわよ。もう倒したけど」


あらやだ。この子他の魔王倒したの。


「というか魔王ってこの世界にまだいたの!?」


普通さ世界に一人じゃないの?

なんなのこの世界。


「あなた含め五人魔王がいるのよ。知らないの?魔王のくせに?」


「うるせぇ!!俺は今日魔王になったばっかりだ!!」


「今日!?まさか…いやだからか」


勇者はビックリした後真剣な顔つきになり考え始めた。


「…魔王様。この世界には魔王様含め勇者が言ってた通り五人の魔王がいます。各地にいる魔王は勇者によって討伐され唯一残っているのは魔王様だけです」


ニーズルが例の如く一瞬で近くまで来てそう言ってくれた。説明ありがとう。

つまりだ、今目の前にいる勇者は俺以外の魔王を倒した強者なんだ。だから、勝てると踏んで俺に挑んだが負けた。だが、どうだ?負けたのに来た時よりスッキリした顔をしてる。

戦いから解放されたから、やっと死ねるから…色々あって今の顔をしてるのかな?


「ああ、魔王。私は勇者辞めるから」


「いきなりすぎだな!?もうちょっと考えろって…」


俺がツッコミを終える前に勇者から淡い光が出てきて俺の中に入ってきた。


【勇者の印を獲得しました。これにより勇者が使えるスキルが解放されました】


頭の中にアナウンスが流れた。

勇者から出た淡い光はどうやら勇者の印というものらしい。それで獲得したから勇者のスキルが使えるようになったんだな。

だが、言わしてくれ。


「俺魔王だから!!!なんで勇者が使えるスキルを使えるようになるんだよ!!!」


思わず顔を手で隠す。

なんなのこの身体。

勇者の印とか獲得しちゃ魔王の意味ないじゃん!


「あれ?なんで勇者の印が魔王の中に入っていったの?あれ?」


勇者…いや元勇者は戸惑っている。


「魔王様…流石です」


ニーズルはそれしか言えないのかな!?


「ま、良いか」


「良くないから!?なんでそんなに軽いのかな!?」


「これで私は勇者を辞めた。つまり魔王…あなたの、か、か、彼女になれた訳だ」


恥ずかしいのか顔を赤らませそっぽを向く。

ちくしょう。可愛い。


「いや、本当に良いの?だって魔王だし顔は普通だし性格は多分ひねくれてるよ?」


自分で言ってて悲しくなる。

ただ全部本当の事だからどうしようもない。


「魔王様はかっこいいです!」


「うん。ありがとう」


ニーズル優しいな。嘘でも嬉しいわ。


「魔王は普通にかっこいいわよ?正直あのうざったい貴族や王族とかの男達よりは断然にね。それに性格がひねくれてるお陰で私は勇者としての道以外を見つけれた。死んだら終わり。私は勇者として頑張りすぎた。倒して殺して心は完全に閉じていた。他の魔王も倒した時も特に何も思わなかった。多分私は魔王を全部倒したら死んでた。だから、生きる道を作ってくれた優しい魔王に惚れてしまうのは仕方ない。うん。仕方ないのよ。強い者に惹かれるのは当然。それにあんな告白は今まで初めてだった」


勇者の意思ではなく彼女の意思で今は生きる道を見つけたんだな。


「強くなかったら俺殺されてたのか…。チートステータスで良かったよ」


神様に感謝だな。


「で、魔王よ。私を彼女にしてくれるんだよね?」


元勇者は俺に近づき顔を真っ直ぐ見る。


「勇者だろうが勇者じゃなかろうが告白したのは本心さ。だから、その、アレだよ…」


やべ、なんか思った以上に恥ずかしいし目の前に綺麗な女性がいるなんてドキドキしすぎてもう…どうしよう。


ふと、顔が近くなった。

そして唇に柔らかい感触が伝わった。


「…私の初めてあげたんだからちゃんと責任持ちなさいよ」


「…はい」


という事で彼女が出来ました

魔王になって良かったよ!!!

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