第12話 魔王、ついでに皆んなを変身
二人をとりあえず置いておいて。
今、自分は制服の姿である。明らかに目立つよなこの姿は。でも、この世界の格好なんて知らないな。参った。
「ヒカル。初めて見る服装だけど、どういう効果があるのかしら? 見た感じ薄いし魔力も感じないわ。でもその服装からは神々しいオーラを感じるわ。魔力も纏っていないのに攻撃が効かない気がするわ」
「いや、ただの高校の制服だからね⁉︎」
アルが真面目に制服について話すが普通の制服だからな。神々しいとかなると俺が通っていた高校生達はみんな神様になっちまうよ。
「ただのセイフク? そういう名前の服装なのかしら?」
「ああ。もう良いよそれで。これ目立つよな?」
「確かに目立つわ。でも、冒険者にも色々変わった服装しているのもいるわ。大丈夫だと思うわ」
アルがそういうなら大丈夫かな?
ちょっと心配だがこの姿で行こう。
「さて、俺は一応人間になれたわけだがアルとニーズルをどうしようかな。アルは死んだ事になっているしニーズルは魔族だから危ないし……」
「そうね。私は防具とかを変えて顔を隠せば何とか行けるけどニーズルはどうしようもないわね」
「幻術魔法で人間に変えれます」
「でもずっとって訳にはいかないだろ?」
「そうですが……」
さて参ったな。ニーズルを置いていく訳にも行かない。ニーズルもアルも会って一日も経っていないが心を開けて話せる相手だ。
【ニーズルとアルを同じ服装にしますか?】
【Yes/No】
頭に女性の声が響いた。
え。何これ?なんか話しかけられたのだが。
【同じ服装にしますか?早く決めてください】
おっと。なんか急かされてるぞ。
【私も忙しいのよ。早く決めろ。というかYesだよな?だよな?】
え?何こいつ。すっごく急かされるのだが。
【はい。Yesにしました。じゃ頑張って!】
そう言って頭に響いた声は消えた。
こいつ何なんだよ!?
俺が頭に響いた声にツッコミを入れた。
「ねぇ、何で私達も姿変わってるの?」
「魔王様この姿は?」
二人は俺が通っていた制服に着替えていた。