十話 最強の固有魔法
「帰ってきたぜ。平和な屋敷に戻ってきたぜ!」
いやぁ、大変な一週間だった。俺ってめっちゃ強いんじゃねぇか?
「お帰りなさいませ、龍園さん。貴方のご活躍は聞きましたよ。」
お。不動産屋のおっちゃんだ。いつも屋敷の手入れをしてくれていたのか。ありがたい。
そう。低Lvの俺らは俺のおかげで大悪魔ベリアルに炎龍を倒してちょっとした有名人状態なのだ。
街では帰ってくるなりすぐにチヤホヤされていた。いやぁ、いい気分だ!
「ねぇ。佑くん私たちってやっぱりすごいのかな?」えへへっ。」
「そうでしょうねっ!だって、大悪魔に炎龍の討伐ですもん!しかも無名のパーティが、でしたから!」
はっは~ん!俺のおかげだぜ?お・れ・の!
「ところで、龍園さんのLvはどのくらいなのでしょうか?大悪魔に炎龍を討伐できるほど
お強いのですからさぞ、Lvも高いのですよね?」
おっと、それ聞いちゃう?俺のLvはなんと30もあるんだぜ?
「この街の平均Lvは40前後ですね。一番高いLvで75らしいです。
あぁ。王都では最高Lvが120のようですが、そのくらいのLvがやはり龍園さんもあるのでしょうか?」
えぇ?!俺のLvってそんなに低いの?!なんだと。Lv上げまくって俺の威厳を保たねば。
「よし。お前ら!この街周辺の高Lvモンスターを狩りまくるぞ。わかったか?」
「う、うん!そうね。治安維持ね。」
「そそ、そうですね!頑張りましょう。」
「はぁ。仕方ないな。」
数時間後。俺らはゴーレムにサラマンダードラゴンの群れ、
果ては死の鳥とまで言われるアズリエルの巣まで乗り込みLv上げをしていた。
おかげで、俺のLvは69まで上がっていた。他のみんなもそのぐらいだろう。
「ふぅ・・・あと1体高Lvモンスターを倒せば70台いけそうか?」
「私はもうLv72までいったわよ?」
「俺は69.8だな。あと1体もいらないな。雑魚1体でも十分だ。」
「わ、私も71です。もう超えました!」
えぇ?!俺が1番低いじゃないか。まぁ、俺も雑魚でも上がるな。
「じゃぁ。街の近くの雑魚でも討伐するか!」
「あぁ!私なんか新しい魔法が使えるようになってるわ。
えと、なになに?私専用の固有魔法みたいだわ。威力とかは未知数ね。雑魚で試していいかしら?」
「あぁ。いいぜ?俺もどんなのか知りてぇしな!」
ミークの固有魔法か、ぜってぇ綺麗な魔法なんだろうな。ミークのだし。
「あ。あいつなんかどうかしら?」
「あのスライムの変異種か。じゃぁ、俺とルナと嶽で注意を逸らすからその間に準備頼む!」
これで、俺もLv70超えれるぜ!
「よっしゃ!いくぞ。嶽、動きを止めろ。ルナ、デコイ!」
「わかった。俺に任せとけ、余裕だ。」
「デコイ。もう慣れてきましたよっ!」
俺は動きまくって敵の錯乱だ。お、ミークの詠唱早いな、もう打てるみたいだ。
「いいぞ、俺は離れるから。打て!」
「わかったわ。<シヴァ・インパクト>!!」
ミークには似合わないカッコイイ名前だな。空が暗く・・・いや、紅く?
めっちゃ熱くないか?ん。ミークが空を見上げながら全力で支援・耐性魔法を皆にかけている。
「っ!!!!!!!?」
ミークと同じように空を見ると。隕石が降ってきていた。
なに、あいつの固有魔法ってそんなおっかないの?!あぁ、死ぬな。
視界が真っ赤に染まったあと白く変わった。こんなん街から10㎞離れたここで良かったな。
視界が元に戻った。ミークの支援・耐性魔法すげぇな。さすがだぜ。
「ど、ドウシヨウ。このほかにも<パンゲア・インフェルノ>に<ノア・フロード>ってあったよ?」
「よぉし、その魔法は超絶ピンチ以外は封印な!」
そして、俺もミークに逆らうのは封印するか。無理だと思うが。
「ま、まぁ街に帰りましょう、ね?みなさん。」
ルナ、ありがとう!冷静に対処してくれてる。
「そ、そうだな。ほら嶽、帰るぞ?嶽?おーい。ってぇ、気絶してやがる?!」
至近距離だったもんな。あいつの5mぐらいのとこに落下したもんな。仕方ねえ負ぶって帰るか。
1時間後。街の目の前にまで来た。嶽も途中で目を覚まし、今は自分で歩いてくれている。
「ただいま~。」
「龍園さんではありませんか?先ほどの隕石の際魔力を感じました。
まさかあなたたちの魔法でしょうか・・・?」
なんかすごく嫌な予感がするが、真面目に答えることにした。
「あ、あぁ。ミークの固有魔法みたいだ。」
「そうでしたか。龍園さんのパーティで安心しましたよ。敵国の攻撃かと思いました。」
などと、街の警察と会話したが何事にもならず安心した。
ま、まぁ。俺らのLvが全員70超えれてよかった。これで大抵のモンスターなら
全力を出さずに勝てるだろう。伝説級モンスターとか以外はな。
「わ、私。最強!うへへぇ~。」
なんかミークは喜んでいるが封印ってこと忘れてないだろうな?心配だ。
だがまぁ。ミークがいれば伝説級だろうが邪神級だろうがかかってきやがれ!
今回で第十話です。まだまだ続ける予定ですが少しネタがなくなってきたので他の連載を間に挟むことになるかもしれません。頑張っていきます!