「閉じ込めたいぐらいに可愛い子」
所謂暇つぶし。
民衆の目の前で珍しいものを魔女だの魔法使いだのといい、子供でも女でも老人でも殺した。
大人の男が殺されないのはきっと男尊女卑な時代だからだろう。
ほらまた子供が火あぶりの刑らしいわよ。可哀想に。双子らしいわ。あら本当。目も赤いし髪も白いわね。きっと魔法使いに違いないわ。
シワが出てきたにも関わらず少女みたいにきゃあきゃあと噂話をしているのを聞いた。
アルビノか、下僕にするには丁度いい美しさだな。
そう思ったのは本物の魔女、名前はない。
「生きたいか?」
双子の目の前に立ち、そう言った。
周りの人間や処刑人は興奮しており異様なことを言う女に気づかない。
「「生きたい!!!」」
双子は叫んだ。虐待による怪我や足元の炎にも負けないように、心の底から叫んだ。
「いい声だ」
それから双子や女の行方を知るものは居ない。
数年後
「ママ、いつになったら不老不死にしてくれるの?」
「そうですよ、いつになったら魔法をかけてくれるんですか、母さん。」
魔力の作り方を会得した双子は、不老不死になる方法を知ってよくせがむようになった。
方法は、生きてほしいと心から願い、四度目の満月を迎えるまで魔力を混ぜた体液を交換し続けると不老不死になれるというものだ。
双子は母とそれをしたかった。
人間と魔女としてではなく、本物の家族になりたかったから。
「まあ、いい頃合だな。」
双子の容姿を一瞥した魔女は、承諾した。
想像通り美しい青年になり、手放すのは惜しいと思ったからだ。
「終わったらさ、故郷に行きたい。」
「復讐してやりたいのです。」
「「僕の(ママ/母さん)は間違えてなかったんだって思い知らせて(やるんだ/やります)。」」
満月の光に照らされた透き通ってしまうような肌、キラキラの髪、怪しく光る瞳はとても美しい。
魔女は満足げに微笑み、双子からの抱擁を甘受した。