ゾンビー
「カチャカチャ」
暗い洞窟の中で音が鳴り響く。
俺は俺のすみかを荒らした奴らをいじっている。
【死霊作成】俺は呪文を唱えた。
台座の上に寝ていた冒険者がゆっくり起き上がった。
「俺以外の生物を殺せ」
俺は命令する。
ゾンビになった冒険者は唸りながらダンジョンの部屋を出て行った。
【ステータス】俺は唱えた。
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名前 《ゾンビーグ》
レベル62
スキル《剣術6》《盾術7》
魔法 《ヒール4》《死霊術2》
称号《千人殺し》《死霊術師》《強めの剣士》
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俺はゾンビーグという名前のせいでみんなからゾンビと呼ばれていた。
一緒に冒険できる友人もいなかったから一人で旅をしていた。
ある日[死者の街]というダンジョンに入ってスケルトンを倒したり、背後から冒険者を襲ったりしていた。
するとダンジョン中層に扉があった。入ってみると本が台座の上にあった。
その本は死霊作成という魔道書だった。
そして6年が経ち今に至る。今はその一室で住んでいる。昼間は死体を探したり作ったりしていて、夜はゾンビ作りである。
今日もダンジョンを土の壁に手をつきながらさまよう。