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キミが見た星ノ空。僕が見た羅針盤  作者: 候岐禎簾
最終章 星をあつめて。翼は大きく前へ
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#15 不器用な私だけど

 丸太作りの階段を上へ上へと登っていくととても開けた空間に出た。まるでここだけがぽっかりと穴が空いてるような、そんな場所だ。空は大きく晴れ渡りまるで僕達の来訪を祝福しているかのようだ。


「彩葉さん、ここがーー。頂上?」


「うん、そう。ここが目的の場所」

 彼女は小さく深呼吸をした後、そう言った。十年ぶりに来たこの場所は何か新しいような懐かしいようなそんな風情を感じさせている。あの時と違うのは目の前に大きなドーム状の建物があることくらいか。ここへ来たのはきっと何かのえんなのだろう。名目上は久しぶりの天体観測だがーー。


「さぁ、入りましょうか……!」

 その時、然り気無く彼女は僕の肩を押した。その仕草に僕は年甲斐もなくドキッとした。


 ***


 外からでは分からなかったが中は予想以上に広い。どうやらここは天体観測所というよりプラネタリウムを備えた複合施設のようだ。案内板にはこの施設ができた経緯と共に星にまつわる逸話などが詳細に書かれている。


「良いムードじゃない、ここ。この前、テレビでも紹介されたのよ」


「ムード……。雰囲気のこと?」


「そう。だってロマンチックじゃない、星とプラネタリウムって」

 彩葉さんはあっけらかんとした様子で一言そう言った。その時、彼女が僕をここに連れてきた理由が何となくわかったような気がした。しかし彼女の本心がイマイチよくわからない。


「季節と共に星も変わる。もちろん私も貴方も。じゃあーー。まずはプラネタリウム一緒に見る?」


「その前に少しあそこのカフェでお話しませんか。ほらっプラネタリウム室の横にある」

 その時、僕は久しぶりに彩葉さんを自分から誘った。プラネタリウムを見る前に僕は彼女に聞かなければいけないことがあった。


 ***


 カフェ内はこじんまりとしてはいるがとても機能的で機能美に満ち溢れていた。星をイメージした装飾品。木目が色鮮やかなカウンター席に二つのテーブル席。客は今のところ誰も居ないがそれがある意味、店のイメージを高めているようだった。


「店員はーー。奥かな。とりあえず座っても文句は言われないわよね」


「もうすぐ現れるよ。きっと」

 肝心のお客さんが来たのに姿を見せない店の人に一抹いちまつの不安を抱きながらも僕と彩葉さんは話を始めた。


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