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キミが見た星ノ空。僕が見た羅針盤  作者: 候岐禎簾
最終章 星をあつめて。翼は大きく前へ
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#3 ふれる心境、そして

 車窓が揺れる。たくさんの音と共に。ゴールデンウィーク初日ということもありバスの席はほぼ埋まっている。偶然にも窓際の席に座ることができた僕はしきりに変化する外の風景に酔っていた。

 緒海市に着くのはおそらく明日の朝九時頃になるだろう。もちろん『渋滞』という不確定要素が起こらなければだが――。

 それにしても長距離バスに乗るのは久し振りのことだ。最初、飛行機の予約を取ろうとも思ったのだが結局バスの方にした。別に理由なんてない、と言ったら嘘になる。目を閉じるとこれまでの人生が走馬灯のように脳裏に映る。

 きっと疲れているのだろう。

 そう考えてくると余計に目蓋が重くなってきた。


 ***


 どれほどの時間が経過したのだろうか。夜行バスはサービスエリアに止まり暫しの休憩に入ってるようだ。電光掲示板を見るとどうやら次に動き出すのは朝の五時からのようだ。高速道路を走ってた時とは一変して静寂が印象的な車内。少数の人が外に出てるのか空席が目につく。どうやらサービスエリア内のコンビニは二十四時間営業のようだ。その時、不意に冷たい飲み物が飲みたくなった僕は隣で寝ているおばさんを起こさないようにしながら外に出た。

 五月初旬の空気は意外なほど冷たい。おそらくここが山の中腹につくられたからなのだろう。周りを見渡すと駐車場には車が数台停まっているだけ。この状況が余計に僕の心を寂しくした。

 コンビニ内には思ってた以上に人がいた。どこにいたのと思うくらいに。

 雑誌コーナーで週刊誌をペラペラとめくる。その時、ある特集記事が目に留まる。


「星の一生かぁ……」

 正直、詳しくは読んでない。むしろ記事の中に掲載されていた天体の写真をジロジロと見ただけかもしれない。

 でも、懐かしい気持ちになれたことだけはたしかだった。

 そのあと、急いで用事を済ませた僕は早足で薄闇が支配する空間を抜けてバスへと戻った。


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