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キミが見た星ノ空。僕が見た羅針盤  作者: 候岐禎簾
第三章 秋のすれ違い
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第25話 早く会わなきゃ!

 楽しい一時ひとときを過ごした僕と橘さんはマスターにお礼を言ってお店を後にした。次に向かうはケーキ屋ベーメールルン。数量限定のチーズケーキを買うために僕達は歩き出した。


「奈都也君、良い店知ってるんだね。味良しボリューム良し店の雰囲気良し。三ツ星レストランだね!」


「ハハッ……。でも知る人ぞ知るお店だから店内が静かすぎるんだよね」


「いや、それが逆に良いんだよ。私好きだな、ああいう昭和を感じさせるレトロなお店!」

 橘さんは嬉しそうな微笑みを浮かべながらそう言った。彼女のそんな感想を聞いてるとなんだか僕も嬉しくなる。


「あっ、見えてきたよベーメールルン。入ろう入ろう!」


「あっ――。橘さん突然走らないでよ――」

 そして僕も彼女を追って歩みを早めた。


 ***


「いらっしゃいませ!」

 店員のお姉さんの声が店内に響き渡る。そんなに広くないお店の中にはお客さんがひっきりなしに出入りしている。


「えっと……。チーズケーキ、チーズケーキは――」

 たくさんの種類のケーキが陳列されたガラス張りのウィンドゥガラスを橘さんは見つめる。


「ある――。奈都也君あるよ。一つだけ!」


「本当だ。残り一つか……。ギリギリセーフだった」

 そう言いながら僕はホッと胸を撫で下ろす。正直、もう売り切れてると思ってたものが残ってるのはとても嬉しいことだ。


「お姉さんこのチーズケーキください。あとこのイチゴのショートケーキと……。あっチーズケーキだけ箱を別にしてください」


「えっ奈都也君そんなにたくさん買うの?」


「これは橘さんの分。今日付き合ってくれたお礼だよ」


「フフッ……。ありがとう」

 橘さんは顔を赤らめながら僕に一言そう言った。


 ***


「さぁ、奈都也君ここからが本番。頑張ってね!」

 商店街の帰り際、突然橘さんがそんなことを言い出した。


「えっ、それどういう意味――。チーズケーキは明日渡すんじゃ……」


「何言ってるの。夏宮先輩の家ここからすぐ近くだよ。すぐ会って話さないと!」


「えっ――。彩葉さんの家この近くなの?」


「そうだよ。頑張って!!」

 橘さんの影が揺れる。そして僕の心も揺れた。


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