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キミが見た星ノ空。僕が見た羅針盤  作者: 候岐禎簾
第三章 秋のすれ違い
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第23話 迷いの中で

 週末、僕は橘さんをお食事に誘った。もちろん僕の奢りである。電話越しに聴こえる橘さんの声はどこか明るげで、話している僕の心も自然と和らいだ。


「じゃあ……。午前十時、新緒海駅新幹線口で待ってるから」


「わかった。それじゃあまたね」

 ここで僕達の会話はいったん終わった。


 ***


 秋晴れの空の下を僕は進む。カラッとした空気はとても冷たくて普段より服を一枚多く着ていても寒さを感じる。今日、橘さんを誘ったのはもちろん彩葉さんの好きなものを探るためだ。彼女と仲直りしないと部にも顔を出せない。総員三名の部活で一人いないというのはとても淋しいことだと思う。だからこそ僕は部長と仲直りする糸口を掴みたかった。


「夏立君こんにちは」

 赤いチェックのマフラーを巻いた橘さんがそう言いながら大きく手を振る。薄く化粧をしているのか普段学校で見るよりも印象がガラリと変わってみえる。


「風が冷たいよね。もう秋を通り越して冬って感じだね」


「うん、そうだね。そんな中を来てくれてありがとう」


「いいよ、どんなレストランに連れて行ってくれるのかとても楽しみ」

 橘さんはニコニコしながら僕にそう話しかけてくる。その期待になんとか答えないといけない。それにこれから行くところは厳密に言うとレストランではなくて喫茶店である。そこんとこも道中で上手いこと説明しないと……。


「橘さんってコーヒーとトーストが好きってこの前言ってたよね」


「そうだけど――。これから行くとこはそういうとこなの?」


「知る人ぞ知るって言うのかな。その店はマスター一人で切り盛りしてるんだけどなんだか暖かみがあるって言うか……。ここからそんなに遠くないから」


「そうなんだ、楽しみ。じゃあ行きましょうか!」

 そして僕達は歩き出した。


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