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キミが見た星ノ空。僕が見た羅針盤  作者: 候岐禎簾
第一章 春の出会いと部の再生
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第10話 キボウドア

 次の朝、僕は憂鬱な気持ちで学校へと向かっていた。今日が新部員募集の最終期限日。今日、新部員を獲得出来なければ天体観測研究部は廃部決定。彩葉さんとの約束も守れないことになってしまう。


「どうしよう……」

 夜、いろいろと案を練ったのだが結論はでなかった。


「おっはよう!」

 憂鬱な僕の背中を誰かが叩く。振り向くとそこには彩葉さんがいた。


「元気だしてよ。部員は見つからなかったけど……。仕方ないよ」

 きっと彩葉さんも胸の奥では落ち込んでいるはずだ。でも僕にはそんな素振りも見せない。


「なんだか……。力になれなくてすいません」


「いいよ。仕方ないよ」

 そんな健気な彼女の微笑みが僕の胸に突き刺さった。


 ***


 放課後、僕は部室へ向かう。もしかしたら今日で天体観測研究部はなくなるかもしれない。いや、このままでは間違いなく廃部決定だ。


 ――ガチャ。

 ドアを開けるとそこにはもうすでに彩葉さんがいた。


「待ってたよ」

 彼女はニコリと微笑みながらそう言う。


「彩葉さん本当に今日でこの部はなくなるのでしょうか?」


「そう……。なるわね。残念だけど。もうすぐ顧問の先生が来るはずよ」


「わかりました」

 どこかでこの流れを止めることが出来なかったのだろうか。そんな言葉を脳裏を過る。でももう遅いのだ。


 ――トットットッ……。

 静寂が支配する廊下から足音が聴こえる。きっと彩葉さんがいうように顧問の先生だろう。


 でもその時の僕の予想は違ってた。

 僕と彩葉さんがいた希望の種は着実に育っていたのだ。


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