プロローグ
閲覧ありがとうございます。
この物語はファンタジー系バトルモノ。そしてラブコメ。
少し残酷な描写も入れていこうとは考えています。
最近のラブコメでは、無理やり感があるのでなるべくそういったのを無くすよう努力したいと思います。
それでは始まり始まりです。
科学の世界で“天才”がいるように、魔術の世界でも“万能”と呼ばれる者が存在する。
本来なら魔術では出来ない奇跡を可能にする者――それが“万能”と呼ばれる者である。
しかしそう簡単になれるわけでもない。
“万能”は生まれ持つ才能――魔術界最強とまで言われている。
五年に一人いるかいないかの確率と言われる。
現存している中で確認されているのはわずか一五名。
そのうちの七名は高校生である。
二年生に三人、三年生に四人。
なぜ世界で一五名しかいない中、貴重な“万能”が二年に七名も現れたのかは不明とされている。
話は変わるが、一五名全員が個々に違う能力を持っている。
――例えば。物体の移動と変形を瞬時に行える者。
――例えば。相性が悪いと言われている魔術と武術を組み合わせる者。
――例えば。声に魔力を込め、声を聴いた相手を従わせる者。
――例えば。夢で見たモノを具現化する者。
――例えば。不可能と言われた異属性同士の発動を可能にした者。
――例えば。楽器で奏でた音を自由自在に操る者。
例で上げたのは一部ではあるが、到底科学だけでは起こりし得ないことばかりである。
しかし最強の“万能”と呼ばれる者でも才能なく、最弱と呼ばれる者もいる。
それは高校二年生の少年だ。
彼の魔術は空間を操ることが出来る。
たしかに誰もが出来ないすごい魔術なのだが、ただそれしかないのだ。
魔術の世界では、魔術同士の闘いのよって優劣が決められる。
しかし彼には空間魔術で守ることばかりで攻撃の手段がない。
それゆえに最強でありながら最弱――“矛盾”と呼ばれるようになった。
なぜ彼には守る手段しかないのか。
それさえも忘れてしまった彼の元に、異変が来ることは誰も予想だにしなかった――
閲覧ありがとうございました。
この文で出てくる「彼」はもちろんこの物語の主人公です。
万能なのに才能がないと言われる彼の成長?を乞うご期待ください。