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廃屋出身の魔導師  作者: 煌陰
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ホームステイ

遅れてしまいまことに申し訳ごさいません。投稿は不定期なので4日に1回見に来ていただければ幸いです。

 屋敷を出てから1時間程たった。



「もうそろそろかな…っと」



 進んでいた森の樹の奥に光が見えた、どうやら森を抜けるようだ。



「やっぱり魔法は切ったほうがいいかな?」



 得体の知れない人間が魔法で高速移動していたら警戒されるだろう。まず、魔法が一般的に知られているかも分からない。そういう点も考えて魔法は切っておいたほうが良いだろう。



「よいしょっ…と」



 魔法を切ると今まで浮いていたので降りた時に転びそうになってしまった。

 そういえば本の文字は読めたけど言葉は理解出来るのだろうか?まあ、もし言葉が通じなくても魔法で翻訳すれば良いのだが魔法は極力使うのを避けたい。という事で、やはり言葉は通じてほしい。



「まあ、いつまでもここで悩んでいても始まらない、外国に留学してきたと思えばいいんだ」



 そう自分に言い聞かせて自分は森を出た。



「ほーう、意外と想像していたよりかは大きくて整っているじゃないか」



 着いた街は自分が想像していた規模よりか少し大きかった。だが「街」と言えるサイズではなかった。「村」と言うサイズだ。



「とりあえず人と喋ってみるか」



 言葉が通じるかどうかも喋ってみないと解らない。手始めに近くで薪を割っていた人に話しかけてみた。



「すみません」



 日常生活では友達以外とはあまり人と喋らなかったが勇気を持って話しかけてみた。



「ん?なんか用か?」



 …ッシャアアァァ!言葉通じたー!



「いえ、どうやら道に迷ってしまったみたいでですね、ここはどこですか?」



「そうか、道に迷ったのか。それは大変だったな。ここはミリス村だ。とゆうかあんた、珍しい格好をしているな。どこから来たんだ?」



 !いきなりきたか。くると思ってはいたが最初から来るとはな、困った…

 …そうだ!記憶喪失という手があるじゃないか!



「すみません、さっきは嘘をついていました。」



「うそ?」



「はい、先程道にに迷ったと言いましたがアレは嘘です。実は私は記憶喪失らしいのです。道に迷ったと言ったのものも気がついたら知らない屋敷にこの格好で倒れていたからなのです」



 記憶喪失以外に嘘は言っていない。嘘を真実で囲む、これがバレにくい嘘のつき方だよ。

 って、自分は誰に話しているんだ?



「ふーん、記憶喪失ね…」



 そう言うとおじさんは、目をつむり腕を組んで何やら考えだした。



「記憶喪失か…なんか名前が分かるような物があったかな?」



 どうやら自分の名前が分かるような何かがあったか考えているらしい。



「…そうだ!」



 どうやら何か思い出したらしい。



「あんたギルドカードを持ってないかい?」



 やっぱりギルドあるんだ…



「ギルドカードですか、それはどのような形、大きさ、色をしているのですか?」



「形は長方形で大きさは5×8㎝で色は銀色だな」



「えーと、5×8の長方形で銀色ですか」



 そう言いながらリュックの中をゴソゴソしていく。



「うーん、無いですね」



「そうか、ないか。名案だと思ったんだけどな…」



 ガクッと音がしそうな感じで肩を落とした。よほど自信があったらしい。



「他になんかあったかな?」



 そう言うとおじさんはまた考えだした。



 10分後


「うーん、ギルドカード以外で名前が分かる物か…」



 まだ考えている…



 20分後


「うーんうーん、ギルドカード以外…」



 まだまだ考えている…



 30分後


「うーん、ギルカ以外…」



 かなり考えている…


 流石に考え過ぎだ。そう思って考えるのを止めさせた。



「あの、自分の為に考えていただけるのは嬉しいのですが何も思いつかないのであれば構わないのですよ?それにまだ仕事が残っていますよね?時間を取らせてしまいましたし自分も手伝いますよ」



「…そうだな、兄ちゃんの言う通りだな。考え過ぎても煮詰まるだけだ。手伝ってくれるのか、ありがとよ」



「いえいえ、自分は時間を取らせてしまい迷惑をおかけしただけですからね、当然のことですよ」



「兄ちゃんは出来た奴だな、村のガキ共に見習わせたいわ」



「いえいえ、自分はそこまで出来た人間じゃないですよ」



 その後、自分は雑談をしながら薪を割るのを手伝い、薪を全て割終えたら運ぶのを手伝った。



「最後までやってくれてありがとよ。おかげでいつもよりたくさん割れたよ」



「お役に立てて良かったです。ところで、ここから一番近い街ってどこですか?」



「ここから一番近い街か。そうだな、ここから北東に30kmほど行ったところにあるグランドって街が一番近いかな」



「北東30kmのグランドですね、わかりました。どうもありがとうございました」



 自分はそう言ってその場を去ろうとした時



「ちょっと待った!」



 いきなり呼び止められた。



「なんでしょうか?」



「兄ちゃんもしかして今からグランドに行くつもりかい?」



「ええ、そうですけど?」



 そう言うとおじさんは呆れたような顔をした。



「そりゃあ村の人達の通行用に道も整備されているけどそれでも道のすぐ横は森だ。夜の森は猛獣が襲って来るかわからないし、もしかしたら盗賊や追い剥ぎに会うかも知れない。そんな所を通って行くのかい?」



 …あっ!

 そう言われてから気付いたが今まで自分は魔法を使えるから身の危険を感じ無かったが魔法が使えない普通の人達にとっては夜の森は何も見えない怖い場所であったのだ。



「だからよ兄ちゃん、グランドに行くのは明日にして今日はウチに泊まっていきな」



「すみません、それではお言葉に甘えてさせていただきます」



 ということで異世界4日目の夜はおじさんの家は泊まることとなった。



「着いたぞ、ここが俺の家だ」



 実はさっきまで薪を割っていたのはおじさんの家ではなく、村の共同の薪割り場だったのだ。



「そう言えばまだ自己紹介していなかったな。俺の名はジミル、ジミル・ラフールだ」



 おじさんの名前はジミル・ラフールというらしい。



「わかりました、ジミルさんですね。自分は…」



 自分も名乗ろうとしたが、はたして岸本 乙夜と名乗ってよいのかわからず口ごもってしまった。なのでここでも記憶喪失を使わさせてもらった。



「誰でしょうね?」



「記憶喪失なのに名前が分かってたまるか」



 ハッハッハ!と2人で笑いあった。





「今帰ったぞー」



「お邪魔しまーす」



 おじさんの家は木造の2階建てで広さは大体90㎡くらいだろうか。

 流石と言うべきかテンプレと言うべきか家は洋式らしく玄関で靴は脱がずそのまま家の中に入って行った。そして台所に行くと奥さんと思われし女性が調理をしていた。



「あら、おかえりなさい」



 どうやら自分たちに気付いたようだ。



「おう、ただいま」



 そう言い合うと2人はギュッと抱きあった。

 そして2人とも気の済むまで抱き合ったら奥さんが自分に気付いたようだ。



「あなた、そちらの子供は?」



「ああ、こいつか。こいつは俺が「攫ってきたの?」」



「いや、ちげえよ!」



「あなたね…いくらわたし達に子供が出来ないからって攫ってくるのはどうかと思うわよ?」



「いや、だから違うって…」



「で、どこから連れてきたの?ちゃんと返さないと許さないわよ」



 ポカーン…


 何これ…?

 筋肉盛り盛りのおじさんは家ではいじられ役です。ってか?



「だからよ!俺の話を聞いてくれよ!」



「ふう、仕方ないわね」



「仕方ないって…まあいいや。こいつは俺が薪割りしていると話しかけてきてなここが何処か聞いてきたんだ。で、話をしていると記憶喪失だ、って言うじゃねぇか。ギルドカードも持っていないみたいでよ、そのあと薪割るのを手伝ってくれてよ、今からグランドに行くって言うから引き止めてよ、薪割りの礼も兼ねてウチに泊める事にしたんだよ」



「なーんだ、それならそうと最初に言ってくれたら良かったのに」



「おまえが喋らせてくれなかったんだろうが…」



「あら、そうだったかしら?」



「ハァ…」



 凄い夫婦だな…



「紹介するぜ。俺の妻のリンダだ。ちなみに幼馴染みでもある」



「はじめまして、ジミルの妻のリンダです」



「さっきの会話を聞いてびっくりしたかもしれないが、あれぐらいは日常茶飯事だ」



「はじめまして、記憶喪失なので名前はわかりません。迷惑をおかけするかもしれませんが明日の朝までお世話になります」



「あら、ご丁寧にありがとう」



「とりあえず薪割りで汗かいたからな、体を流そう」



「そうね、井戸は裏にあるから」



「ありがとうございます」




「ふう、サッパリ!」



 井戸の水は夏の暑い夜にはとても気持ち良かった。



「本当は風呂に入って汗を流したいけど贅沢は言ってられないな」



「おーい、兄ちゃんはよ来いよー、飯が出来たぞー」



「あ、わかりましたー」



 やっとまともな食事にありつける。自分は急いで台所に行った。



「待ちくたびれたぞ」



「すみません。うーん、美味しそうな匂いですね」



「そうじゃなくて美味いのよ!リンダ、今日の飯はなんだ?



「ブラ麦のパンとメルの香草焼きとジンイモとララリーフのサラダとヒヒ豆のスープよ」



「おいおい、いつもより豪勢だな」



「だって子供といってもお客さんがいるんですもの、美味しいのを作らなくっきゃだめでしょ?」



「すみません、自分が来たばっかりに」



「いいのよ、そんなことは気にしなくても」



「そうそう、子供は気にせずしっかり食べろ!」



「ありがとうございます」



「それでは、合掌!」



 パン!



「いただきます!」


「「いただきます!」」



 そうして始まった異世界初めてのちゃんとした食事は元の世界のご飯よりも、とてもおいしかった。ちなみにブラ麦は普通の小麦と何も変わらない。メルは鶏が空を自由自在に飛んでいて、とさかと顎のプルプルしたアレが取れたようなものだと考えればいい。ヒヒ豆は形がひよこ豆で色が赤くなったものだ。ジンイモは形はジャガイモだが地中にはならず、木の実としてできる。



「「「ごちそうさまでした」」」



 そうして終わった食事の後は特にする事もなくまだ9時くらいなのだが明日もおそらく長距離を移動することになるだろうから早く寝ることにした。



「ここの部屋を使え」



「ありがとうございます」



「それじゃあな、いい夢見ろよ」



「おやすみなさい」



 こうして異世界4日目の夜は幕を閉じたのであった。

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