そして冒頭へ
更新が非常に遅くなってしまい申し訳ありませんでした。これからは2日に1回は更新できるように頑張ります。
さて、今回はやっと第1話に繋がります。
屋敷が建っている敷地に足を踏み入れた瞬間、自分は異変に気付いた。
ーーーィィィィィン
屋敷を囲む塀ごと門に結界が張られていたのだ。
「チッ、イベント発生か」
そして何処からともなく黒い煙のようなものが湧き出てきた。そしてその煙が結集、その場にゾンビのような存在が現れた。いや、生まれたと言うべきか。こうしている間にもゾンビはどんどん生まれている。そして収まって一瞬後、ゾンビ達は一斉に自分に向かってきた。…よろしい、ならば戦争だ。
「かかってきな、全員一瞬でぶっ潰してやんよ!」
そう言って自分は威勢よくゾンビの群れに向かっていったのだ。
…で、今この状況だ。
『アアァァァ!!』
「なんで魔法が全然効いてないんだよ!?」
自分はあれから『火矢』は勿論のこと他の攻撃魔法の『氷柱』や『鎌鼬』を使い、しまいには自分の中での中級魔法の『閻溺』まで使ってもゾンビ達にはダメージが加わっている様子が感じられない。
「どうして中級魔法まで効かないんだ?あれか 、属性の相性か」
という事で毎度お馴染みの
「我が望む対象の能力情報を表示せよ『能力測定』」
魔法です。
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名前 ゾンビ
種族 不死者
属性 闇
HP 300/500
MP 100/100
《特殊技能》
・属性強化
光属性以外の攻撃に対して防御力を強化
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しっかり属性付いておりました。
しかも《特殊技能》まで付いております。
「光属性以外に対して強いなら光属性には弱いって事だよな」
それなら簡単、光魔法を放ちまくればいい話。
「魔力を一時的に増大『負荷起動』」
魔法の連続使用によって減っていた魔力を一時的に増やした。これは10分という制限時間がある。そして『負荷起動』の使用を止めたら使った時間に応じた『反動』がくる。これは〔使用後に使った時間に応じて魔力が最大魔力値の何分の何にまでなる〕というものである。1分なら10/10、2分なら9/10、10分なら1/10という具合に減っていく。つまり魔力がほとんどなくてピンチの時に使用して1分以内に止めたら魔力は全開になる。チート魔法ですな。
そして、ここからあのコンボを使用する。
「我が望むものを集めよ『強制集合』」
集め
「行き場を封じろ『高位結界陣』」
閉じ込め
「聖なる神の裁きを受けよ『 雷雨』」
滅する
ーーッドオオォォーーーン!!!
『『『『アアァァァーー!!』』』』
天空から落ちてくる雷の束が視界を白く染め上げる。そして雷が収まった後、目を開けたらそこにあったのは黒く焦げた地面だけであった。
「はー、疲れたーー!」
あれだけの魔法連続使用だ。魔力の減りも半端ではない。
…っと、忘れていた。
「『負荷起動』解除」
解除すると同時に魔力が戻っていくのを感じる。
『負荷起動』を発動してから解除するまでの時間は約2分、つまり今の魔力量は最大魔力量の9/10である。
「どれくらいLvは上がったかな?」
あれだけの量のゾンビを倒したのである。Lvの2つや3つ上がっていなくては困る。
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名前 岸本 乙夜
種族 人族
Lv 8
HP 1640/1640
MP 565.2/628
《称号》
異世界から迷いこんだ者・叫ぶ者・魔法の真理を知った者・ビビットの怨敵・魔力チート・魔法を生みだす者
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「おおっ!」
Lvが一気に5も上がっている。
どうやら《特殊技能》持ちは他のモンスターに比べ倒した時の経験値が高いらしい。《称号》も1つ増えている。魔法を生みだす者?
「この世界にない魔法を使ったって事か?」
この世界にない魔法、何を使った?
…多分『負荷起動』だ。この世界には魔力を一時的に魔法で増やす技術はないのだろう。
「あまり使わないほうがいいな…」
『負荷起動』は使わないようにしよう。
…さて、これからどうしようか?
「最初は宝物庫あさりに来たんだっけな?」
しかし、中に何かトラップがあるかもしれない。
いや、外で1回あったからもう無いか。
それなら最初の目的を果たすまでだ。
「いっちょお宝あさりに行ってきますか」
そうして、自分はまたもや屋敷に宝をあさりに行ったのであった。
『負荷起動』は本当にチート魔法ですね。
『測定』→『能力測定』