初めての戦闘?
魔力が高いのをいいことに魔法をバンバン作って使いますよ。
旅に出てしばらくしたら思った事がある。
「見渡す限り樹しかないな」
言葉の通り樹しかないのだ。
「いったいどこまで続いているんだ?」
もはや樹海と言ったほうがいいかもしれないほどの樹の量だった。
「まあ、魔法で方向は分かるからいいけど」
しかしこの魔法には欠点がある。それは目的の物の方角は分かるのだが、それまでの距離が分からないのだ。
「欠点を直したいけど今はまだ日が高いから夜になってからだな」
屋敷を出てからまだ2時間程しか経っていない。屋敷で『測定』を使ったあと準備をして旅に出たのが1時くらいだったから今は3時くらいだろうか。腕時計は壊れたら困るので『無限収納空間』に放り込んである。
「屋敷には缶詰しかなかったからたまには肉にかぶりつきたいなー」
自分だって男である。たまには豪快に肉にかぶりつきたい。
「美味そうな肉どっかないかなぁ」
そう思っていた矢先…
ーーピョコン
ウサギのような獣が飛び出してきた。
「うわ、かわいい…」
ウサギのような、と言うのは異世界だからである。
「我が望む対象の情報を映し出せ『測定』」
確認のために魔法を使った。
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種族 ビビット
HP 10/10
MP 0/0
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うん、超弱いね。確かウサギの肉は食えるんだよな。
「狩るか」
自分は狩りを始めた。宝物庫の中に弓矢もあったのでそれを使う。
「動くなよ…」
ーーヒュンッ
ドスッ
「おしっ、仕留めた!」
ガキの頃から弓矢は得意なのである。
しかしこここで問題発生。
「ウサギってどうやって捌くんだっけ?」
ウサギの捌き方が分からないのだ。仕方なく意を決して皮を剥ごうとしてある事を思い出した。
「魔法で肉だけとればいいじゃん」
魔法を使えるのを忘れていた。
「我が望む部位を残して消えろ『選別』」
これでビビットは肉だけ残して消えた。残った肉は『無限収納空間』の中に放り込んだ。
「肉も手に入ったし進みますか」
進行再開。この後は特に強力な敵にも会わずに安全に旅を進められた。
そして、そうしているうちに夜になった。
「暗くなってきたしこれ以上の進行はやめたほうがいいな。ここら辺で今日は休もう」
そして自分は食事と寝る準備にかかった。テントは『無限収納空間』の中に放り込んであったやつを出してその中に屋敷から持ってきた布団をしいた。布団はちゃんと干してあるので虫などはいない。火の光よってくる虫が気になったのでそれは
「虫を遠ざけろ『除蟲結界』」
そしてすでに結界内にいる虫に対しては
「我が望む範囲内の虫を滅ぼせ『殺虫』」
虫除けと殺虫の魔法二段構えで対応した。
「これで寝る準備は終わり、あとは食事の準備だ」
小枝や木の葉を集めて焚き火を作る。ビビットの肉を木にさして焚き火の上に固定する。そして小枝などに火をつけるのはもちろん…
「燃やせ『着火』」
魔法である。
「ホント魔法様様だな」
この世界では自分は魔法がなくては何にもできない。
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・
・
食事が終わったあと自分は『探知』の改良を始めた。
ビビットの肉はジューシーで鶏肉より美味しかった。
「『探知』が方向しか分からないのは多分、呪文がそれだからだ。だとすれば呪文を改良すれば欠点は埋まる。」
そう、恐らくだが方向しか分からないのは探すものを映し出すだけだからである。これに地図と現在位置を入れれば欠点は完全に埋まる。
「我が探すものを映し出せ、ではなくに我が探すものを我と地図と共に表示せよ、でいいか?」
心機一転、呪文がまったく違うものに変わった。ここまで変わったのなら名称も変えるべきだろう。
「ルビはナビゲーションでいいな。なら後は漢字だ。」
ルビが先に決まってしまって漢字が決まらない。
「うーん、どうしようかなぁ。…面倒くさいから行進補助でいいか」
決まってしまった。
「我が探すものを我と地図と共に表示せよ『行進補助』」
魔法発動と共に目の前に地図が出てきた。どうやら青い点が自分で緑の点が目的の建物らしい。ご丁寧に縮尺の定規までついている。縮尺がこのとおりだとすると、建物まであと8kmと言ったところだ。
「後少しだな」
今日はしっかり寝て明日の午前中にたどり着けるようにしよう。
誤字、脱字など読みにくい点がありましたら是非言って下さい。