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廃屋出身の魔導師  作者: 煌陰
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覚醒(身体的な意味で)

魔法を1つ使えるようになる話です。

  「う、う~ん」



 どうも自分は気を失っていたらしい。しかし…



(どこだ、ここは?)



 真っ暗で何も見えないが見えなくても分かる事がある。それは、この場所があの廃屋じゃ無いって事だ。もし、あの廃屋だとしたらバカの星也でも臆病おくびょうな零でも大きな物音と叫び声が聞こえた筈だ。そしたら真っ先に探しに来るはずだ。



(まあ、何にしてもまずは現状把握からだな)



 そう思って持っていたペンライトを探すが…



(ペンライトが、無い…?)



 そう、いくら手探りで探してもペンライトが見つからないのだ。



(仕方ない、壁に沿って歩くか)



 そして壁に沿って歩いていった。



(なかなかにデカイなこの部屋)

 


広かった、30mほど歩いても2つ目の角に着かないのだ。



(どんな部屋なんだ?いったい…)



 そう思っていた矢先…



「おっ!」



 2つ目の角とその少し先にドアがあった。



(開けてみるか?)



 さっきみたいに落ちたらイヤだが既に1回落ちているのだ。又落ちるなどということはないだろう。



(よしっ、行くか!)



 意を決してドアを開けるとそこは…



「…は?」



 森だった。



「イヤイヤイヤイヤッ!」



(待て待て!自分は肝試しに行って屋根裏部屋から落ちて気を失ってはずだ!どうしていきなり森の中にいるんだ!?)



 自分が気を失っていたのは間違いない、となるとまさか?



(もしかして拉致られた!?でも拉致られたとなると何かいい加減すぎないか?)



 そう、もし拉致られたなら見張りとか居ていいはずだ。なのに…



(誰もいないし…)



 疑問に思って頭を悩ませたが…



(まあ、いいか♪)



 考えるのを諦めた。



(生きてるからいいか♪)



 楽観的だった。ここで気になった事がまた1つ。



(自分が出てきた部屋ってどうなってんのけ?)



 気になったから振り返ったら



(…え?)



 廃屋があった。そこは特に問題ないのだが



(なんで?)



 屋敷だった。大きな大きな西洋風のTHE お屋敷だった。



「イヤイヤイヤイヤッ!!!」



 本日2度目の超否定。



(ちょっと待って!なんで森の中にこんなTHE お屋敷があるんだよ!普通拉致とか中国のやることでしょ!?だったら東洋風のはずなのに!)



 ものすんごい焦った。もしかしたら拉致じゃなくて人身売買の為に売り飛ばされたかと思った。



(人は!?もしかしたら屋敷の中に誰か居るかもしれない!)



 そう思って自分はもう一度屋敷の中に戻っていった。



「すみません!誰かいませんか!?」



 誰からも返事は返って来なかった。



「だよなー、廃屋出身だもんなー」



外もうろちょろしてみたが



「マジかよ…ホントに誰もいねぇのかよ…」



 希望を失って絶望で心が壊れそうになったとき



(そういえば、ここってお屋敷なんだよな)



 自分が屋敷の中にいる事を思い出した。



(金持ちが住んでいたみたいだし宝物庫とかあるかも!)



 ここでも人一倍強い好奇心はいかんなく発揮された。



「よっしゃー!!探索開始!」



 …あった。探してみると結構簡単に見つかった。



「…おし!行くか!もしかしたら宝石とか剣とかあるかも!」



 テンションは上がりっぱなしだった。



「何があるかなー♪」



 意気揚々として宝物庫の中に足を踏み入れた!そしたら、



「おおー!」



 掛かっている掛かっている。長剣ロングソードやら大剣クレイモアやら短剣ショートソードなどの剣類、バックラーやランタン・シールド、デュエリングシールドなどの盾類もあった。でもそれ以外にその中でも異彩を放つ物があった。それは…



ワンド?」



 そう、まるで魔法使いがいかにも使いそうな先が曲がっている木製の杖があったのだ。



「もしかして…」



 魔法使いが使用するものといったら杖と…



「やっぱりあったよ…」



 あと2つ、ローブと魔導書グリモワールが、しっかり壁と机の上にあった。



「もしかしてだけど…」



 知らない場所・屋敷・魔法使いの物

 この3つが揃ったら考えられる事が1つある。それは…



「まさかここって異世界!?」



 自分は興奮したよ。いや下の意味じゃないよ?



「マジ?ここ異世界?って事は自分勇者?召喚された?」



 されてなかった。



「ウオォォー!!マジかー!」



 テンションMAX



「自分勇者!?って事はもう少しでお姫様とか迎えにくる系!?これ!ウッヒョオオォォォーー!!!」



 自分は異世界召喚勇者という誰もが一度は夢見る状況に冷静になる事が出来なくなっていた。



「よっしゃー!!そんなら魔法の勉強とかして待ってよー!」



 って事で自分は待ったさ。とりあえず厨房いったら缶詰あったからそれ食べながら、魔導書は見たことない文字で書かれていたのに何故だか意味は分かったから読みふけったさ。一生懸命よんでとうとう3時間後使えるようになったさ魔法。といっても…



「我が望むはこの世の乾きを癒す一掬いの水『水塊ウォーター』」



 このようにコップ一杯の水を出すだけなんだけどね。



 なんでそんなのを習得したかったって?

 それは缶詰はあるのに水道なくて井戸も枯れてたからだよ!



「ハア…」



 それに1回使うだけでもの凄く疲れるんだよ。



「やっぱMP低いからだよな、コレ」



 どうやら異世界に行ったら定番のチート系能力は手に入れてないらしい。



「でも呪文スペルだけでもおぼえよ…」



 そうしているうちに夜になった。



「今日は来ないのかな?」



 自分は忙しいから来れないのだろうと思った。



「そんじゃあ寝ますか、明日には来るだろうから」



 そして異世界初日は魔法を1つ使えるようになって寝た。

誤字、脱字などありましたら是非教えてください。

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