二十八話
身体中がイテェ。
もうなんか、どうでも良くなって来る痛さ。
俺は本当にバカだ。先程まで無理やり魔法を使った反動で激痛が走っていたのに、それまでの魔法を遥かに越える高度な魔法を使用してしまったのだから。別に、あの魔法じゃなても倒せそうだったのになぁ。と言うか倒せたよ、絶対に。
『おらぁぁぁ! 見たかお前らぁぁぁあああ』
空元気。正直、見ないでほしい。
今すぐにでも泣き喚くから。本当にすんごい痛いんだって。
俺の心境に反して、沸き立つ歓声。
そんなんだから、演技を止める訳にもいかない。
『――――お疲れ様』
けれども、悪い気分ではなかった。
『それでは、更新へのカウントダウンを始める。』
切り替えが素晴らしい。さすがは、父さんだ。
でも真面目なんてつまらない。ぜいせい、盛り上げるとしよう。
『それじゃあ皆さ~ん。せーの!』
5。
世界の形が、完全に消え去る。
俺という存在は、地面が無いのに立っているという意味不明な状況に陥っていた。
4。
末裔としての力を、救世の武器へと込める。
3。
そして、『繋がり』の扉を完全に開く。
2。
さぁ、始めよう。
『1』
偽りの―――新しい世界を。
『welcome to new world!!!!!!』
世界が形成されて行く。
俺が向こうで、見ていた景色。
一年前と殆ど同じ。それでも、確かに違う俺達の町。
そして今日から一年は、アイツらの町だ。
「今年も、よろしく」
やっぱり、良いな――――――。