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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

僕は戻れない

作者: goshikimai

僕は夢のなかで母親を撃った、父親を撃った、兄弟を撃った。僕以外の家族はみんな物言わぬ屍になった。本当は最後に僕も死のうと思ったけど、みんなを殺したらスッキリしたので馬鹿らしくなってやめた。その場に残る薬莢の焦げ臭いにおいが印象的だった。そのうち死体が動き出して、「なんで私を殺した」と言ってきたから「君が邪魔だったから」と答えると彼女たちはまたドサっと床に崩れ落ちた。僕は何度も何度も家族の死体を、顔面を蹴り続けた。それは小学生の時にしたアリの巣を破壊するのと同じ感覚で、不思議な高揚感に全身を支配された。


 今日もいい思いをしたし、悪い夢じゃなかった。そろそろ起きよう。もう朝だろう、僕は明かりのスイッチを切り替えるみたいに夢という世界に別れを告げ、もうひとつの世界に戻っていく。状態をすぅっと起こして、目をこすりいつもの世界だということを確認して、溜め息をつく。大丈夫、いつもと変りなく絶望的な世界の方に流れ着いている。壁に掛けてある時計をみると、いつもの起床時間だった。僕は重たい下半身に力を入れて床に足をつき、リビングへと向かう。


これは退屈しのぎのための暇つぶしだけど、今日はいつもと様子が違うみたいだった。リビングには誰の姿もなく、テレビの情報番組がついているだけだった。この時間に両親が起きていないわけがない、かと言って仕事に出かけるには早過ぎる。兄も姉もとっくに起こされている時間だ。僕はテレビの電源を切った。家全体が世界を無視しているみたいに静かで、僕だけが仲間はずれみたいに感じた。感じる、いつだってそうだった。僕は家族から仲間はずれなんだ。家族がそうしたいわけじゃないのも知っている、僕がそうしたいわけじゃないのも知っている。でも、既にある事実として僕は一人ぼっちで、どうしよもないほどに救いがなく、孤独を味わっていた。


 僕はまず両親の寝室に向かった、次に兄弟の部屋。でもやっぱり沈黙は続いたままで、誰の姿もなかった。ひょっとしたら僕には内緒で旅行に出かけているのかもしれないとも思ったが、旅行に使うようなカバンが一つも減っていなかったのでその線は薄いだろう。それとも僕から発せられる孤独の空気に家族が耐えられなくなって出て行ったか。              

        

僕は自分でも気づかないうちに笑っていた。気が狂ったとかそう言うのではなくて単純に嬉しかったからだ。僕じゃなくたって、みんな、嬉しい時には笑うものだろう。でも家族の笑い声が最後に聞こえたのはいつだっただろう、もうそんな事も思い出せない。でもそんな事もどうだっていい、家族は僕が嫌いで、僕は家族が嫌いだったんだから。今さら僕を置いてどこかに逃げたとしても僕にとってはむしろ好都合で、とてもありがたい事だった。僕は孤独だ。でも、一人でも生きていける。時々どうしよもなく孤独に襲われて、神様に空に連れていってくれってお願いするけど、大体の事は自分ひとりでもできるし、特に不自由なことはない、不自由なことと言ったらそれこそ家族が一緒に住んでいることぐらいなものだ。


僕は今日、いつも通っている病院に行く予定だ。朝食を早めに切り上げて、歯を磨き、適当なセーターを選んで上にジャケットを羽織った。家を出る時にもやっぱり確認したが、家は世界を無視したままの静けさを保っていた。その時も僕はなにも不思議には思わなかったが、外では雪が降り始めていて、少しずづ手が冷たくなっていくのが分かった。


病院は歩いて五分ほどの距離で、割と人通りの多い区画にある、周囲には薬局や、ハンバーガーショップ、本屋、コンビニ。大体の物はこの辺りで揃うという感じだ。病院が近くにあるからということなのかは知らないが、街を行き交う人には生気というものが感じられずに、みんな泥沼に足を取られながら歩いているような気がした。僕は病院の受付で予約表を見せて、いつもの待合室で少しの間待った。その間周囲から話し声が途切れることはなく、老婆が夜眠れないだの、社交ダンスを初めただの、僕にとって雑音にしかならないことを話していた。


 「小緑さん、一番へどうぞ」近くのスピーカーがそう告げたので僕は診察室の扉を開けて中へ入った。

 「おはよう」

斜め前に座っている医者が僕に話しかけてきた。名前は知らない。何回か聞いたことがあるしネームプレートにも書いてあるが、そんなことは僕にとってどうでもいいので取立てて覚えようともしなかった。

 「おはようございます」僕は作り笑顔を浮かべながら椅子に腰掛けた。

 「どうだった、この一ヶ月」医者がいかにも心配そうな顔を作って聞いてくる。

 「どうだったって、なにがです」僕は医者の言っている意味がわからなかったのでそのまま聞き返した。医者は不思議そうにこちらをしばらく見たが、自分の言いたいことが僕に伝わってないと判断したらしい。

 「この一ヶ月、何か変わったことは無かったかい」医者はそういうふうに聞き直した。

 「ええ、特に変わったことはありませんでした」

 「イライラしたり、悲しい気持ちになったりしなかったかい」

 「いえ、別に」僕はその時、今朝のことを思い出した。家族が消えていたことを。「あ、嬉しい事ならありました」

 「へえ、どんなこと」

 「朝起きたら家族がいなくなっていたんです」別に話すこともないかなとも思ったけど、本当に嬉しかったので、つい医者にそう言った。

 「そうか、それは本当に嬉しかったのかい」医者は真剣な表情を作って尋ねてきた。

僕は本当に嬉しかったから話したのに、医者が暗い顔になるのが不思議だった。

 「薬は今まで通り出しておくからね。また一ヶ月後、それと困ったときは僕の携帯に電話してくれればいつでも出るから」

 「はい、ありがとうございます。それじゃあ」

 電話にいつでも出るだなんて、医者っていうのも案外ヒマなんだろうかと思いながら

僕は診察室を後にした。

まずは会計を済まし、処方せん薬局に行くことにした。外の雪は勢いを増してきて、地面に大粒の雪があたっては消えていった。寒さもどんどん増すばかりで外を行き交う人々は、心なしかいつもより早歩きしているようにも見える。でも、僕にはこの寒さがとても心地よかった。なにか大切な思い出がそこにあるような気もするし、単に寒いのが好きなのかもしれない、だって寒いと冬って感じることができるから。それに夏に比べれば全く汗をかかないし、僕にとっては快適だ。

 薬局では病院と同じように「この一ヶ月でなにかおかわりは」というふうなことを聞かれたので、愛想笑いで「特になにも、心配ないですよ」と小さい子をあやすような感じで答えてあげた。それを聞いた薬剤師はどこか不安そうな表情をしていたが、この薬剤師が僕について何か知っているわけではないので気のせいだろう。僕について知っているのは、今の応対と薬の処方箋だけだ。薬剤師には他に頼るものなんてない、すがるものなんてない。あるのは規則正しく並べられた薬達だけ。 


 僕はお会計を済ますと、特になにもやることがないことに気づいた。今日一日ヒマということになるので何をするのも僕の自由なのだが、家には帰りたくない。なぜかって、家に帰ったら誰か家族がいるんじゃないかって不安があるから。僕は家族の誰とも会いたくないし、目も合わせたくない。ついでに言えば家族といると空気がドロっと濁っているような気もするので一緒の空気すら吸いたくないくらいだ。


 僕は薬局の前の歩道でタバコに火をつけた。自分の吐く白い煙で雪がふわっと舞い上がるような気がして少し面白かった。そうしてぼおっとしていると、突然、車道から明らかなスピード違反をしているセダンが僕の方へ突っ込んできた。セダンはガードレールにぶつかってなんとかスピードをゼロにして止まった。外から見たらセダンそのものはぐちゃぐちゃで、素人の僕が観ても中に乗っている人は助からないような気がした。どうやらセダンには四人ほど乗っているようで、僕はタバコの火を足元で消すと足早に中を覗き込んだ。家族が乗っている、僕の家族が乗っている。一気に全身の血の気が引いた。顔がぐしゃぐしゃになっていても分かる。みんながいつも着ている服だし、なによりもみんなが僕のことを名前で呼んでいるからだ。「ゴメンネ、タスケテ、アリガトウ、シニタクナイ」みんなが僕の目を見て一様につぶやいている。

 「やめてくれ」僕は目を瞑って、喉から伝わってくる震える声を一生懸命に絞り上げて言った。「やめてくれ」そう繰り返す。

 しばらく体の震えが止まるのを待っていた、少しだけ気持ちが通常に戻ったのでタバコを取り出そうと目を開けると、そこにあるのは何もなく走っているクルマ達と雪の中を寒そうに行き交う人達だけだった。僕はいったい何を見ていたんだろうかとも思ったが、コレが最初ではないような気がして額に妙な汗をかいた。その汗は外の空気に触れ、すぐに冷たくなり僕の頬を伝った。一瞬それが自分の涙かと思ったがすぐに違うと気づいた。幻覚か、だから僕は薬を飲んでいるのかもしれない。だとすると、もう僕は後戻りできない位置に立っているような気がしてたまらなく怖くなった。体の震えもまだ、続いていた。


 「小緑くん?」そんな声が後ろから聞こえてくるような気がした。

 「小緑くんっ」こんどこそ本当に声が聞こえたので後ろを振り返ると、女の人が心配そうにこちらの様子を伺っていた。

 「えっと・・・あなたは」僕は本当に解らなかったので、反応がぎこちなくなってしまっているようだった。

 「紗芽衣です、先生の助手の。あなた、立ち眩み?」紗芽衣は少し警戒しているふうに聞いてきた。

 「ああ、ちょっと足元がふらついただけです。あんまり血がたりてないのかも」僕はジョークを言ったつもりだったけど、すべて見透かされているように、

 「そう」という返事が返って来ただけだった。

 「紗芽衣さんはどうしてここに」

 「今日は、非番なんだけど。あなたの診察日だって知ったから病院に来てみたの」


なんでだろう。なんで僕の診察日だと、せっかくの休日を潰してまで病院に来る必要があるのだろう。休日だったら、普通の人は友達と出かけたり、買い物に行ったり、レンタルショップで借りてきた映画とかを観て時間をつぶすんじゃないだろうか。目の前にいる紗芽衣は、若くて、綺麗に見える。肌が透き通っていて、白い。それこそボーイフレンドとどこかに出かけたりしないものなのだろうか不思議だった。

「なんで、僕が診察だと、せっかくの休日を無駄にする必要があるんです」

「無駄なんかじゃないわ、それに私個人の意思でやっているだけだから」

「個人の意思?」またも、紗芽衣の言っている意味がわからなかったので聞き返したが、その質問に答える気は彼女には無いようだった。

「小緑くん、お昼はもう食べた?」

「いえ、まだですけど」

「家に帰ってもないだろうから、一緒にどう」何もかも知ってるふうに紗芽衣は言う。

「なんで分かるんです」純粋に解らないので僕は聞き返した。

「分かるわよ、事実なんだから」

「よく解らないですけど、分かりました」

「それってどっち?解ったのか解らないのか」

「何であなたが家のことを知ってるのは解らないですけど、お昼のことを言っているのは分かりました。」

「ならよかった」彼女はそう呟くと、僕の手を握って、大勢の人がこちらに向かってくる中に立ち向かうように歩き出した。彼女の手は意外と力強く握られていて、なんだか心強かった。この感じは前にも味わったことがある。誰かが、僕の手を力強く握って、しかるべき方向へ導いてくれた。今では、もう味わうこともないと思っていた感触。しかるべき方向へ導くのは自分自身であり、他人は自分に興味などなく、ましてや協力などしてくれない。そんな事に気付かされたのもずいぶん前の話だ。人はやりたいことがあるなら勝手にやればいいし、成りたいものがあるなら勝手に成ればいい。それはどこまでも自由で、当たり前で、身勝手なことであり、そうであるからこそ簡単には実現できないことが多いということも、ずいぶん前に知った。

 紗芽衣と僕は病院の近くのハンバーガーショップに入った。中は三階建てになっていて、僕等は注文を済ますと三階の喫煙席についた。周りには人がまばらにいる程度で特にコレといって気にするようなこともなかった。僕は、商品が来るまでにタバコに火をつけた。

 「あんまり、よくないよ。タバコ」

 「なんでですか」

 「体に悪いとかそんなのじゃなくて、あなたには良くない気がする。記憶が曖昧になっていくわ」

 「別に悪いことじゃないと思いますけど」

 「でも、忘れたくないことも思い出せないでしょ」

 「思い出したくないことを忘れさせてくれます」

 「そっか、じゃあいいかもね」


 確かに僕は最近忘れっぽくなっている。頭の中の記憶の一部がジェンガみたい

にスッポリと抜けていくのだ。ジェンガと違うところは、ブロックを上に載せるみたいに新しい記憶が出来ていかないことだ。僕の記憶はどこかを境に止まっていて、それでも月日は関係なく流れていくみたいで、もう、どうしよもない感じだった。

 そうしているうちに頼んでいた商品が来た。僕はコーヒーにガムシロップを入れる紗芽衣を見ていた。

 「この後、小緑くんの家に行ってもいい?家族はいないでしょう」

 僕は、紗芽衣の言っている事の狙いがよく解らなかった。でもこの後の予定なんて無い。今日も、明日も、来年も。予定なんてとうの昔に無くなってしまったのだ。僕は少し考える素振りをしてから「いいですよ」と返事をした。

 「でも、なんで家族がいないって分かるんです」

 「あなたの家族は随分まえに亡くなっているもの」

 「それジョークですか」

 「さっきも事故の幻覚を見てたんじゃないの」


 え?と思った。脳みその奥のほうがグラっとした。さっきみた幻覚を全肯定されているような気がして吐き気を催した。僕の視界は七色を失ったみたいで、グチャっと音を立てて潰されるようだった。でもそれも気のせいだということにすぐに気付かされた。ホットココアが自分の太ももに零れてしまったからだ。

 「大丈夫?」紗芽衣が慌ててハンカチを取り出した。幸いにもこぼれたのは少量ですぐに拭き終わった。

 「あなたは、僕の、なにを知っているんですか」

今度は真剣に尋ねた。何か知っているのなら教えて欲しいと本気で考えていたからだ。今朝起きたことと一連の流れで関係があるのなら、僕には知る権利があると思ったからでもある。

 「それは・・・あなたの医療記録よ」少しだけ慎重になって答える紗芽衣。

 「つまりそれはどういう事ですか」

 「あなたがどういう理由でウチの神経科に来て通院しているかってこと」

 「はい、今日も行きました。でも理由は思い出せないんです」

違う。僕は少しずつ思いだしている。こうやって話している間にも、どうして自分が神経科に通っているのか、すべての原因が分かってきている。

「あなたは、事故で家族を亡くした。そのショックで今ウチに通っている、というのがカルテの内容を簡単に説明したものだけど」こちらの様子を伺うように「思い出せる?」と聞いてくる紗芽衣。

  「ハハ、少しだけ・・・断片的に」やっぱりか、さっき見た幻覚が良い証拠だ。僕の目の前で家族は死んだんだ。僕に助けを求めながら死んだんだ。僕は見ていることしか出来なくて、あんなに大嫌いだった家族を助けることが出来なかった。大嫌いだったからこそ助けることが出来なかった。大嫌いだったからこそ見殺しにした。それはあまりにも非情で僕にとっては最高の出来事だったんだ。


 「どうしたの?」紗芽衣が聞いてきた。

 「なにがです?」僕は聞き返した。

 「あなた、泣いてるよ」紗芽衣が僕に余命を宣告するかのような顔で言ってきた。

 なんでだろう、最高の出来事を思い出したっていうのに僕は涙なんか流しているんだろう。僕の中でもう一人の自分が僕に訴えかけていた。

 『何で家族を見殺しにしたっ?』僕はもう一人の自分に責められていた。なんでだろう、悔しい。涙が止まらない。

 僕はさっき紗芽衣に差し出されたハンカチで顔を拭った。

 「ごめんなさい」僕は紗芽衣に謝るしか無かった。

 「こちらこそ、ごめんなさい、もう行きましょう」紗芽衣は僕に心を通わせるように謝った。

 「ええ」僕はかすれた声を出しながら紗芽衣に答えた。

 そうして僕等は早々にお会計を済まし、ハンバーガーショップを立ち去った。そして僕等は僕の家ではなく別の場所に向かった。

 紗芽衣が病院の駐車場に停めてあった車を出してくれ、僕のお願いを聞いてくれたからだ。僕は、僕の家族が眠っている霊園を訪ねたかった。

 ちゃんと謝りたかった。なんで僕だけが生き残ってしまったのか、どうしてあんなに家族を憎んでいたのか?それは現実を取り戻した今だからこそ解る。僕は家族を憎んでなんかいなかった。ただ自分のことが嫌いだっただけだ。怒りの矛先を家族に向けていただけだ。

 車窓から流れていく景色を見ながら僕と紗芽衣は黙りこんでエアコンで温まりかけの、ぬるま湯のような車内にいた。

 「そろそろね」そう紗芽衣が言うと、そこはもう霊園だった。車を駐車場に停めて、紗芽衣と僕は僕の家族の墓に向った。

 お墓は不思議と綺麗だった。真新しいお供え物もしてある。どうしてだろうと僕が考える瞬間に、紗芽衣が、

 「私が、週に一回来てるの」と答えた。

 「なんでですか」僕がそう聞くと、紗芽衣は生前の両親にはお世話になったからと答えた。

 「あなたの父親から手紙を預かってるわ、あの人がいつ死んでもいいようにって・・・」そう言って紗芽衣はその手紙を僕にそっと渡した。

 僕はゆっくりと一文字一文字を噛み締めるように読んだ。


 『息子へ。お前は父さん達家族が憎くてしょうがないだろう、殺してやりたいほど憎いだろう。もっとお前にうまい言葉をかけてやれなくて本当にすまなかったと思っている。それは母さんも、姉さんも、兄さんも同じ気持ちだ。もっと山ほどお前に伝えたい事があった。もっと山ほどお前の顔を見たかった。お前を笑顔にしてやれなくて本当にごめんな、お前のことをちゃんと見てやれなくて本当にごめんな、ごめんな、ごめんな、父さん父親失格だよ、自分に腹が立つ。最後に・・・父さんはお前のことが大好きだぞ』


 僕は、立ったまま泣いた。雪が小雨に変わり涙と一緒に僕の頬を伝った。

その後紗芽衣は僕を家まで送ってくれた。そうして僕等は一緒に家に入った。

「ただいまっ」僕は家中に聞こえるくらいの声で深くお辞儀をして叫んだ。誰も居ない家に向かって。そうしたら紗芽衣が、

「おかえりなさい」と優しく応えてくれた。

 

 

今回、初投稿という形で筆を取らせて頂きました。今回は短編という形ですが、今後は長編小説も上げて行きたいと考えております。人は、強いショックが起きるとそのこと自体を忘れてしまうということがありますが今回はその典型的な例として描かせてもらいました。素人が書いたものですので粗はかなりあると思います。その粗を反面教師として参考にしていただければ幸いです。ではまた。

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