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第7章 全てを見る

子供の頃、たくさんの失敗をしてきた。


あの時、こうしていれば。


あの時、あんな事をしなければ。


見取は、観察によってそれは回避できたと考えている。


例えば友達を作る時。


自分に対する些細な態度や行動。


これらを見逃さなければ、


友達選びに失敗しなかったのでは。


仲良く喋ってたと思ったのに、一瞬しかめっ面に。


あれを見逃さなければ、友情に亀裂が入っていたのを


知れたかもしれない。


例えば恋愛。


異性の態度をちゃんと見てれば、


告白の成功か失敗かをわかったのではないか。


相手のほんの一瞬の困り顔。


あれを見逃さなければ。


年を増すごとに、観察の重要性を感じるようになった。


他の人よりも早く見つける。


一瞬の行動を見逃さない。


これは人生において重要な事だと。


だから見取は観察を続ける。



「え~なんで英子達のはそんなに甘いの」


「知らないよ。レシピ通り作っただけだし」


調理実習室の会話である。


家庭科でクッキーを作っている。


しかし琴野と英子の班では、味が違う。


「英子達の方が美味しい気がする」


琴野は納得がいっていない。


「進藤はどう思う?」


「確かに味がちがうね」


「でしょでしょ。進藤理由を説明して」と琴野


「僕はわからないよ」と進藤さん


「あなた、謎解きのプロって噂だよ」


「僕はそんなんじゃありません」


「でもお願いね」と琴野


「はあ」と進藤さん


仕方ないので4人に集まってもらった。


そして味が違うことの説明をした。


「ふむ。味覚の違いだろう。人の舌の鋭敏さの差だな」


と明智さん


「いえ。みんな違うって言ってるので」


「だとしてもだ。レシピ通りに作って違うのであれば、


差がでるわけはない。ではオーブンの性能の違いだろ」


「同じメーカーのオーブンですよ」


「いいや、ぼくは疑っているのじゃないのです。


ただ、可能性を追求しているんです」


ボサボサ頭と下駄がトレードマークの名探偵の言葉を言う明智


「なるほど。他のみなさんはどうです」


「ラグナロク」と漆黒の騎士


「来ました!材料」と勘野さん


「もう1度作って欲しい」と見取さん


「しょうがないなあ」


と琴野が言い英子達にも頼んでもう1度作ることにした。


2班は薄力粉とバターと砂糖を混ぜようとするが


「ちょっと待って」と見取さん「こっちの班は砂糖、


計量スプーンですりきりなのに、そっちの班は山盛り」


一同「ああ」


「そこの差でしたか」と進藤さん


「レシピには砂糖大さじ5としか書いてないね」と琴野


「普通山盛りでしょ」と英子


「いやすりきりでしょ」と琴野


「まあ、なにはともあれ理由がわかってよかったじゃないですか」


と進藤さん。


こうして無事謎は解決をした。


そして大量にできたクッキーを明智さんが食べまくった。


「食べすぎでしょ」と進藤さん


「頭を使う人間は糖分補給しないとな」と明智さん


「えっ?」と進藤さんは思ったが、反論するのはやめておいた。

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