第5章 校庭に現れた大量のキャンバス
進藤さんが登校すると、校庭の隅に人だかりが出来ていた。
近づいてみると、美術などで使用するキャンバスが
大量に捨てられてあった。
周りの人達の話を聞いてると、どうも自分のクラスが
関係しているようだ。
端の方に進藤さんが以前書いた絵を見つけた。
一体誰がこんな酷いことを。
放課後4人に集まってもらった。
「すでに知ってる人もいると思いますが、
見ての通り大量のキャンバスが捨てられています。
犯人は誰だと思いますか?」と進藤さんが4人を見て言う。
「これだけたくさんあるんだ。犯人は複数の男だろう」
と明智さんが言う。
「最近のじゃないね。絵具の色合いから少し時間がたってる」
と見取さん。
「絵は花瓶の花が題材か。これは何か意味があるのだろう」
と明智さん
「私もこれ書きましたよ。授業のお題でしたね。
漆黒の騎士さんも書きましたか?」と進藤さん
「ふっ。これだから人間は。我は混沌しか書かない」
「たまには花を書くのもいいですよ。
それで、これは何が目的でしょう」と進藤さん
「決まっている。嫌がらせだ」と明智さん
「そうかもしれませんね」
「単に捨てたという可能性もあります」と見取さん
「それならゴミ置き場に捨てるのでは?」と進藤さん
「これは!」
「どうしました、漆黒の騎士さん」
漆黒の騎士は背景が黒く塗りつぶされ、
トゲトゲしい赤い花が書かれたキャンバスに食いついた。
「クリムゾン・ローズ!」
「ああ。そういうの好きそうですものね」
「あのぅ…もらっていいでしょうか」と漆黒の騎士
「ダメです。誰かの作品でしょうから、勝手に持って帰るのは」
しょんぼりする漆黒の騎士。
「来ました!これは処分品です」と勘野さん
「えっ。これ捨てるものなんですか。でも何故こんなところに。
では誰がここに運んだんでしょう」
「進藤くん。君のクラスが関係してるのだろう?
これらを捨てそう、または捨てれそうな人に心当たりは?」
「う~ん。ゴミ係りは女性ですから無理でしょう。
男子生徒でも、力持ちじゃないと無理でしょう」
「では、その力持ち達に聞きに行こうじゃないか」
と明智さんが言い、進藤さんのクラスに向かって行く。
そして力持ちそうな男子生徒に聞き込みをするが、
みんな知らないと言う。
「一体誰なんでしょうね」と進藤さん
仕方ないのでもう1度キャンバスのところに
戻ることにした。
すると途中で見取さんが「車輪の後」
と言って指を指す。
確かに薄っすらと4つの車輪の後が。
「インフェルノ・プッシュカート」
「ああ台車ですか。それなら誰でも運べますね」
「来ました!運んだのはゴミ係りの人です」と勘野さん
「えっうちのクラスのゴミ係り?まさか」
「人が近づいてくる」と見取さん
すると「すいませんでした」と女の子が謝ってくる。
「あなたは高橋さんじゃないですか。
こちら、うちのクラスのゴミ係りの高橋さん」と進藤さん
「昨日の夜台車に乗せてゴミ捨て場に捨てに行こうとしたら、
途中で躓いて、ここにバラまいちゃって」と高橋さん
「ならば何故言ってくれなかったんです?」と進藤さん
「なんか大事になってて、言い出せなくなってしまって」
「人を裁く権利は我々にはありません。
私たちの仕事は、ただ事実を導き出すだけです」
犯人との会話で真実を追い詰める刑事の言葉を言う明智さん
これにて真相がはっきりした。
そしてみんなでゴミ捨て場にキャンバスを運んだ。
帰りに漆黒の騎士さんが例のクリムゾン・ローズの絵を
もらってご機嫌だった。




