表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/13

第11章 描き足される絵

美術部の小川さんは大きな画用紙に絵を描き始めた。


平坂ヶ峰高校の校舎と校庭を。


全体を線で描く。


遠くの山も描く。


しかし自分のイメージと違う。


なかなか描くペースが進まない。


気分転換も兼ねて数日、描くのをやめた。


数日後、絵を見ると空が描き足されていた。


小川さんは驚いた。


私は描いていない。


いったい誰が。


翌日、今度は校庭に木が。


更に翌日遠くの山に色が。


小川さんは進藤さんに相談した。


「私の絵に誰かが勝手に描いているんです」


「そんなことが」


「いったい誰が、なんで絵を描き足すのか


教えて下さい」


「ずっと美術室に張り込んでいるのは?」


「それは無理です。塾もあるので」と小川さん


「わかりました。ちょっと依頼してみます」


こうして、4人が呼ばれたのである。


進藤さんが事情を話す。


「ふむ。誰かが見て、描きたくなったのであろう」


と明智さん


「そうなんですか。私は嫌がらせかと思いました。


と進藤さん


「理由は?」と明智さん


「だって人の絵ですよ。しかも少しずつ」


「なるほど。ちなみに美術室は誰でも


出入りできるのかな?」と明智さんが聞く


「学校の教室なんですから出来るでしょう」


と進藤さん


「密室とかではないのか……


となると犯人を絞るのは難しいな」


「オーディール・ラビリンス」と漆黒の騎士


「漆黒の騎士さんも難しいですか」


「とにかく1度現場に行ってみましょう」と見取さん


5人で美術室へ。


「これが問題の絵ですね。


小川さんは線しか描いていないといってましたが、


たしかに一部色が塗られてますね」と進藤さん


「見て。こことここ。鉛筆で下書きだけど、


濃さが違う。そしてこの濃さの鉛筆はここにない」


と見取さん


「ということは?」と進藤さんが聞く


「これに描き足した人は、ここにある鉛筆ではなく、


自分の鉛筆を使った」と見取さん


「よく鉛筆の違いがわかりますね」と進藤さん


「つまり常に鉛筆を持ち歩いている人が犯人だな」


と明智さんが言う


「美術部の人なら、みんな持ってると思いますが」と進藤さん


これ以上なにもわからなそうなので、


この日は一旦解散となった。



翌日、登校すると小川さんがやって来た。


「また描き足されてます」


小川さんも含め6人で美術室へ。


「ほんとだ。校舎が少し色が塗られている」と進藤さん


「来ました!犯人は美術部の人達」と勘野さん


「えっ複数犯なの?」と進藤さんが驚く


「あれ?気づかなかった?絵とか色の塗り方に


違いがあるじゃないですか」と見取さん


「明智さんは気づいてました?」と進藤さん


「も・もちろんだ」と明智さん


「本当かなあ」


「もうしわけありませんがあなたがプロであるように


私もプロなんです」


くたびれた外見のロサンゼルス市警の刑事の言葉を言う明智


「私はプロじゃないです」と冷静な進藤さん


「漆黒の騎士さんは気づいてました?」


「我にはこの世の常識は通用しない」と漆黒さん


「はぁ」


「交代で見張りでもするか」と明智さん


「いえ。これから授業が始まりますよ。


みなさん戻りましょう」とまじめな進藤さん


放課後。


「今度は木が塗られてますね」と進藤さん


「来ました!木を塗ったのは3年生」と勘野さん


「おお!犯人の1人が絞れそうですね」と進藤さん


「でも美術部の3年って7人いますよ」と小川さん


「そうですか。ではどうしますか」


「やはり隠れて見つけるしかないだろ。


なあみんな、それでいいかい?」と明智さん


みんな納得をして、それぞれカーテンの後ろや、


机の下に隠れた。


そして、しばらくたったころ


「おっ、また誰かが描き足してるね。


じゃあ私は校庭を塗るね」


「俺はサッカーボールでも描こうかな」


どうやら男女である。


進藤さんが飛び出そうとするのを明智さんが止める。


2人が帰っていくと、進藤さんが


「なんで止めたんですか」


明智さんは「いいから」とだけ言う。


「来ました!また誰か来ます」と勘野さん


再びみんなで隠れる。


「ねえ、見て見て。また描き足されてる。


じゃあ私は校舎に人影描くね」


「私は校庭に人を描く」


「なんかこの絵、描くのやめちゃったみたいだから


続き描きたくなっちゃうんだよね」


「みんなそうでしょ。やっぱ絵は完成させないと」


2人の女性が絵を描き去って行った。


「どうやら、3年生たちが絵を気になって


それぞれ描きたしていったってのが真相のようですね」


と進藤さん


「みなさん、私が途中で描くのやめちゃったから、


気にしてたんだ。でも私はどうしたらいいんでしょう。


このまま描かないで放っておいた方が」


「描きたくなったら描けばいい。


もしなにかしたいなら、絵の下にでも


みなさんありがとうってメモでも貼ればいい」


と明智さんが言う。


「わかりました。そうします」と小川さん


その後小川さんも描きたして、絵は完成したそうだ。


そして素敵な先輩との合作として、


美術部の1番目立つところに飾られることになった。

次回最終回

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ