そっちとあっち
まさかの4本目
今まで何度もそっちの人間が何かを母親に聞いたが、はぐらかして教えてくれなかった。
「あの……そっちの人間ってなんですか?」
「すみません。そっちの人間本人には教えてはいけないルールなので。」
「そうなんですか。そっちの人間ってそんなに珍しいんですか?」
「そうですね。いないことはないですが、珍しい方だと思いますよ。」
「そうなんですね。知らなかったです。」
「「………………………」」
気まずい時間が流れる。お互いに相手が喋り始めるのを待っている。
「「……………………………………」」
この時間を先に進めたのは……
「あっちにスキルのレベルアップができる店があるので行ってみるといいと思います。」
バルライさんだった。
「あ…ありがとうごさいます……。」
「それじゃあ……よい旅を。」
そう言いどこかへ行ってしまった。
「気まずかったぁー。」
心の声が漏れた。本当に気まずかった。前世の軽いコミュ障は改善されたと思っていたが、こういうところで発揮されるんだな。
だが、大きな収入としては拡大したマップをトリセツに入れれたことと、そっちの人間にそっちの人間について話してはいけないルールがあるということ。そして、すぐそこにスキルのレベルアップができる店があるということ。
バルライさんが言っていた店を見てみるといかにもそういうことをしてそうな店だった。建物全体がピカピカしていて西洋の町中に1つだけSFの建物が迷い込んだみたいになっていた。
「ごめんくださーい………?」
ドアを開けるとそこには誰もおらず、機械が一つおいてあった。丸い筒状の機械で簡単に言えば、セルフレジみたいな見た目だ。するとそのセルフレジから光が出てきて目の前に画面が映る。
[あなたの現在のスキルポイント…53]
スキルポイント?何かはよく分からないが、その下には自分のスキル一覧があり、スキルの名前の隣にレベルアップ必要ポイントというものが書いてある。
また、右にスワイプすると、スキル売買とあり、現在持っているスキル一覧がある。それらのスキルの隣にスキルコストというものが書いてある。
普通に考えてレベルアップ必要ポイントがレベルアップに必要なスキルポイントの数で、スキルコストがそのスキルを売ると、これだけのスキルポイントが手に入りますよ。と言うものだろう。
画面の上にタブのようなものがあり、1番右には鍵マークがあって開くことができない。そこを押すと、
[プレイヤーレベル70で解禁]
と書いてあった。
「なるほど。そういう感じか。」
よくゲームにあるタイプのものだろう。このことは一旦諦めて、今することを考える。
今の状況でスキルを売るという選択肢はまず無いだろう。となると、レベルアップだろうが、ほとんどのスキルがレベルアップ必要ポイントが5程度である。こいつらはレベルが上がるごとに必要になるポイントも増えるだろうし、何よりタイプは安定型だ。ここで変に尖ったスキルのレベルアップをしてしまうと後々大変であろうということで、全部のスキルを満遍なく上げることにした。
まぁ恐らくこれもどこかでリセットしたりすることができるだろうし、最悪売ってしまえば他のスキルの足しにもなる。
「これくらいでいいだろう。」
そうして画面を閉じると、セルフレジみたいなやつから光が出てきて体に入っていった。すると……
[スキルレベルアップ完了]
目の前に表示された。それと同時に体が少し浮くような感じがする。
「変な感じだな」
手をグーパーグーパーして感覚を確かめていると、
「またのゴ利用オ待チしておりマス。」
セルフレジがそう言うと後ろのドアが開き、そっちに吸い込まれた。
「すみません。どいてもらっていいですか?」
後ろにいた黒いフードを被った怪しげな女性?に声をかけられた。ここって使う人いるんだなと思いながら、
「あ、すみません。」
と答え、そこをどいた。
次はどこに行こうかと思い、マップを開く。
レストランとか居酒屋みたいなところとかあるんだ。って思いつつ次に行く場所を決めた。
「一旦宿屋行くか。」
そうだ。一旦宿に行くことが大事だ。もし、死んだときにリスポーン地点が最初の家のベッドだとあまりにも悲しすぎる。そうして、考えをまとめ、宿屋に向かうと、目の前からバカでかい強そうな男が歩いてきた。前世で習得した、秘技『影消し』を使う。秘技『影消し』とは影を極限まで薄くすることでいるのか分からなくさせるものである。
「よう、お兄ちゃん」
「あ、……こんにちは…。」
何!?秘技『影消し』がバレただと!?
「お兄ちゃんってさもしかしてそっちの人間?」
「はい……。」
急に喧嘩勃発とかじゃなくてよかったが、咄嗟に質問に答えてしまった。思ってるよりも優しそうだし、もうこのまま会話を続けようと心に決めた。
グッとつばを飲み、息をたくさん吸って声を出す。
「自分ではそのそっちの人間っていのはよく分かんないんですけど……。そうみたいですね。」
「そうか……。これから大変だろうけど頑張れよ!」
「あ………はい…。ありがとう…ごさいます…?」
そう言うと巨漢はどこかへ過ぎ去った。
「ビビったぁー」
さっきも同じようなことがあった気がするが、もう忘れたことにして進む。
「まじでそっちの人間ってなんだよ!」
そう小さく周りに聞こえないような声で叫ぶ。そんなことをしていると宿屋に着いた。
「イらっしゃいマセ!」
ドアを開けると、さっきのセルフレジみたいなやつがいた。不思議には思ったがとりあえず近づくと、
[下記のどれかをお選びください。
・1泊 Aコース…50000エレク
Bコース…75000エレク
・2泊 Aコース…100000エレク
Bコース…140000エレク]
なるほどそういう感じね…………………。
「金ね゛ぇ゛─────!」
名前考えるのが面倒くさいからスキルをあまり出してないだけで実際には10個ぐらい持ってます。




