我、狼人間となる
最近急に寒い
思いついたこと、それは………
「おい!さっきからチラチラ見えてたが、その木の後ろに隠れてる狼!お前が持ってるその強そうな武器よこせ!」
二足歩行で剣を片手で持ち、顔は狼だが、立ち方が人間すぎる意味不明な狼に叫んだ。そしてそいつが持っている武器を取るために攻撃を避けつつ、その狼に近づいて行った。
《レベル1モンスター 喰狼との遭遇!戦闘を開始します。》
「お前、この猫より弱いな?その武器は俺が絶対に頂く。」
【俊敏体】を起動し、喰狼に向かって飛ぶ。そして【豪傑星】を起動する。効果は10秒間攻撃力が少し上がる。
「もらった!」
「ギャーー!」
狼がが武器を持っている右手らしきものごと切断し、武器を手に入れた。狼とは思えないような叫び声を上げたがそんなことはもう知らない。
「重っ!?あの狼片手で持ってやがったが、こんな重いのか……」
片手ではとても持つことのできないような重さの剣をを両手で持ち、それを狂猫から逃げつつ、確認する。
「人狼剣か…。」
なんか漢字がそのままというかダサい……しばらく生活してて思ったけど基本的にこの世界のネーミングセンスが中学生なんだよな。
「まぁそんなことは今はいい。この人狼剣でッ……お前を断ち切る!」
危ねぇ、この名前のせいで危うく決め台詞なのに笑うところだったじゃねぇか。
気を取り直して、両足で強く踏み込んで、人狼剣を狂猫に向けて振り下ろす。
「お前!こんなに時間かけさせやがって!そろそろ現実の方の母親が仕事から帰ってくるだろ!」
その怒りと共に人狼剣を狂猫の首へと斬りつける。
「斬首だ!」
ベチャン!と首が落ちる。
思っていた5倍はグロテスクだな………。
首が落ち、体が倒れてからしばらくして、崩れていつた。そして最終的には空に消えて行った。
さっきの喰狼はどこに行ったんだと一瞬頭によぎったが、それよりも目の前に落ちている、狂猫のドロップ品の方が気になった。
やっぱあの鐘が言ってたようにゲームみたいな世界だな。倒したら体崩れていって無くなるし、アイテム落とすし、ゲームが舞台なんじゃないか……この世界。
まぁ、こんなこと気にしても何にもならないし、目の前にあるお宝を漁るか。
へ〜いいの持ってんじゃん。
と思いながらドロップ品を回収していると、視界の端にでかいアイテムらしきものが落ちていた。
「何あれ……?」
気づけばそっちに釘付けになっていた。
見るとそこには、狼の生首があった。さっきの狼は死んだ判定でそのドロップ品だろうと察した。
回収すると、頭装備らしくつけるか選択できる。今頭装備はつけてないし、一旦つけてみることにした。
「『暗黒の人狼頭』か……。こりゃまた中学生みたいなネーミングセンスだな。」
狼の頭を被ると今までと見える少し色が違うが、特に視界が狭くなったり何か特殊な世界が見えたりするわけでもなく、戦いに支障はなさそうだ。
性能が見れたので見るとそこには、
[一度装備すると、外すことはできません。死亡しても外れることはありません。]
と丁寧に書いてあった。
終わった……俺の輝かしい異世界生活は狼の頭で埋め尽くされることが確定した。効果も書いてある。
[月が出ているときのみ、好きなステータスに少し補正をかけることができますが、体力が1となります。]
まぁ俺には絶対に合わないな……。
つまり………
「クソ装備じゃねーか!」
まぁ、もうつけちゃったもんは仕方ないし、切り替えてステータスを確認するか。
確認するとレベルが5になっている。
さっきの猫そんなに強かったのか……
全部のステータスが数値化されていて、それが元々1だったのが、満遍なく上がっていた。これがバトルスタイルを安定系に選んだからなのか、元々の仕様というかルールなのかは分からない。
まぁとりあえずそろそろ母親が帰ってくるから現世に戻らないとな。
現世に戻る時の注意点は分かっていない。なんてったって今までテアレにいるときは家にいたからそのまま戻って安全なのかが分かるわけがない。
「まぁどうにかなるっしょ」
もうあの猫が来ても今の俺はさっきとは違う。レベル5だ。あんな猫なんてイチコロよ。そう思い、現世に戻る。
「玲哉ご飯よー」
「はーい」
現世で装備が反映されなくて良かった。あれ被ってたら不審者どころの騒ぎじゃないからな。
テアレから戻り、しばらくしてから夕飯を食べつつ状況を整理する。
・あの狂猫を倒したお陰でレベルが5になり、強化された。
・レベルアップによってステータスが強化された。
・あのビビり狼が落とした『暗黒の人狼頭』をかぶったら一生外せなくなった。
「あのクソ狼がよ。」
「なんか言った?」
「いや、なんでもないよ。」
危ねぇ。とりあえず今はトリセツ見れないから今後について考えるか。
一旦次の町に行くことは確定なんだが、その道中に強いモンスターがいたらどうしようか………
普通に考えれば最初にそんなに強い敵は出てこないと思うが、あそこはゲームの世界じゃない。つまり、最初からボスみたいなやつが出てきたら……?
考えたくもないな。夜になったらもう一回行ってみるか。
………
…………………
………………………………
「おやすみー」
「うん、おやすみ」
部屋のドアをしめ、ベッドに入る。
今までの経験から親は俺が寝ている間には絶対に部屋に入ってこない。
なんてったって部屋にはベッドとゲーム以外何もないからな。この検証のためにわざわざ年長がオールしたから、これで入ってきたらもう家出だよ。
テアレに行く前に一回トリセツを確認しておく。
「ナレーション設定か……。」
こんなものもあるのか……
そこには
[モンスター遭遇ナレーションを「戦う全てのモンスター」から「戦ったことのないモンスターとの戦闘時」のみに変更しますか?]
と書いてあった。せっかくだし変更してみることにした。
他には何もなかった。まぁもういいだろうということでテアレに行く。
すっかり暗くなっていた。何にも問題が起きていなかったことに安堵し、月光に照らされながら歩く。
ゆっくり森の中を少しずつ歩く。次の町にはいつ着けるのだろうか?と不安に思いながら、数時間経った。そんなとき─────
「カサッ」
木が揺れた。
「カサカサカサカサカサカサカサカサ!!」
その木の揺れは次第に広がり最終的には森全体に広がった。
「何が起きるんですか……?イッセイニオソッテクルトカナイデスヨネ……?」
ビビり散らかした俺に向けられた返事は
「「「「「「「「「「ギャァー!」」」」」」」」」」
大量の喰狼の鳴き声だった。
久しぶりの投稿でした!
活動報告だるいんでここでします。
これからは宣言通り週2〜3本(実質不定期みたいなもん)でやっていく予定です。




