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テアリレム・レラボ  作者: トマト野郎
闇夜に浮かぶ月
14/26

息子の心配をするのは当たり前なのか?



ドアを開けると、そこにはベッドでうずくまっている玲哉がいた。


「玲哉!寝ているの?」


返事はない………。

玲哉に近づき、肩を叩く。しかし、全くもって反応はなく、体もピクリとも動かない。普段だったら寝ていても、声をかけたら起きて、返事をしてくれるが、その返事がない。


つまり──────


最悪な考えが頭をよぎった。まさかね………。そんなことあるわけないよね………?

ちょっと深く寝ているだけだろう。

そう信じて玲哉を仰向けにする。


息をしていない…………?


その事実を理解するよりも先に本能的に声が出た。


「玲哉!起きて!目を覚まして!お願い!」


「…………」


返事は返ってこない。

最愛の息子が命の危機である。この事実を受け入れることはできなかった。

これは夢か?

いまだに信じることはできない。しかし、このままでも何も進まない。

そう思い、急いでスマホで119に電話をする。


「息子がベッドで倒れていて、息をしていないんです!」


電話がついた瞬間にそう叫んだ。







救急車に乗る。


「お母さんはお子さんの隣で見守ってあげてください。」


そう言われ横になっている玲哉の隣に座る。


「本当に玲哉は大丈夫なんですか?」


「落ち着いてください。大丈夫なので。」


そう言われるともうそれを信じるしかなく、玲哉の手をそっと握る。



そこに玲哉の声はなく、

ただ救急車のサイレンだけが鳴り響いていた────










病院に着き、急いで玲哉が運ばれて行く。

病院内も騒がしく玲哉はそんなに大変な状況なのか。と少し不安に思った。

運ばれている玲哉と一緒に診察室に行くと、中には看護師さんがいた。


「ベッドに玲哉を移動させるから手伝ってください。」


「分かりました。どうしたらいいんですか?」


「脇の方からこうやって腕を入れて……あっそんな感じです。で腰の下に手を当ててもらって。あっはい。完璧ですね。」


言われた通りに腕を回して玲哉の体の下に手を通す。

そうして、2人で玲哉を持ち上げる。


「「せーのっ!!」」


そこまで重くは無かったが、最後に抱っこしたときに比べてだいぶ重くなっていて成長を感じた。


「玲哉は助かりますよね………?」


「そろそろ先生が来るので、それで診てもらわないと分からないです。」


「そうですか………」


玲哉が心配だ。





少し時間が経ち、私と看護師さんの2人で玲哉の状態について話していると、

バァン!

ドアを強く開けた白衣を着た男が力強い足で歩いてきた。


「先生!息子は大丈夫ですか!?」


「まだ診てないので何とも言えないですけど。いつ、どうやって倒れたか教えてくれますか?」


「はい。私がキッチンで料理をしているときに、倒れたんだと思います。調理が終わって呼びに行ったときにはもう既に倒れていたので。」


「なるほど。他には何かありますか?」


「そうですね……他には……………あっ!そういえば膝を床についた状態で布団に顔を埋めていました。だから私、最初窒息で倒れているのかな?と思っていたんですけど、救急車の中でおそらく睡眠不足ですね。って言われたので多分関係ないですけど。

すいません長々と。」


「いえいえ、教えてくださりありがとうございます。お子さんの体診ても問題ないでしょうか?」


「ぜひお願いします。息子が大丈夫なら。」


「任せてください。」


そう言うと、息子の全身を何やらよく分からない機械でよく分からないことし始めた。


「ちょっと他の検査もしてくるのでもう一回ストレッチャーで運んでもいいですか?」


「じゃあ2人で持ち上げましょうか。」


私が隣に座っていた看護師さんに声をかけて、さっきと同じように玲哉をベッドからストレッチャーへ運んだ。


「ありがとうございます。では運んでいきますね。お母さんはこの部屋で少し待っていてください。」


そう言い先生は玲哉を運んでこの部屋を出て行った。


特にすることもなかったので看護師さんと玲哉が倒れたときについて事情さっきより詳しく丁寧に話していた。


「大丈夫か!?」


「哲也!」


扉を力強く開けて大声で叫んだ哲也が来た。


「さっき連絡が来てから出張先から飛んできたぞ!」


「ありがとう。でも、玲哉まだ起きないみたい。」


よかった。救急車を呼んだ後、哲也に電話をしておいてよかったわ。

この人玲哉のためとあればすぐさま飛んでくるだろうと思ったけどやっぱりね。


「どんな症状なの?」


「なんか料理終わって玲哉に持って行ったらもう倒れてた。で、なんか救急車呼んだら、睡眠不足って言われて搬送された。ちゃんと寝かせてたのに。」


「そうか……………」


2人の会話はそうやって終わった。これ以降会話が続くことも、会話をすることもなかった。

2人は我が息子の無事だけをただ祈り続けていた。







「息子さんの診察が終わりました。」


「「それで息子は大丈夫なんですか?!」」


夫婦揃っての言葉だった。

この言葉に迷いはなく、息子を思う夫婦が取れる1番の選択だった。


「落ち着いてください。まず、お子さんの症状について話すのでこちらの椅子に座ってください。」


「はい。」


気づいたら椅子から立っていた。恐らくこの医者が入ってきたときだろう。

それは哲也も同じだった。


「では、検査の結果を言いますけど──


ゴクン。

そう息を呑む。それは私だけなのだろうかと隣を見ると、哲也も、他人の看護師さんまで身構えていた。


「息子さんの症状は、脳が働きすぎです。血管迷走神経性失神になっていて、睡眠不足とは症状が違います。脳が寝ている時とかにも働いて、脳が常にフル稼働で疲れているんだと思います。ストレスなどで、急激に血圧が変化して、倒れたんだと思います。」


「えっ?!」


驚いた。ベッドでストレスなく寝かせていたし、何より基本的にストレスのたまらない生活をさせていた。


それなのに何で─────

お母さんのバカでかフラグ

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