料理の価値と反応が釣り合わないのは仕方ない
土日なのに更新できなくてごめん
「さっきのは何ですか?」
「何のことですか?」
「いや、あの炎が一瞬で消えた理由ですよ。」
「それは企業秘密ですね。それよりあったかいうちに食べちゃってください。」
きれいに誤魔化されたが、今知ってはいけないものだろうと、すんなり受け入れることにした。
「早く食べて感想聞かせてください。」
「あっすいません。」
急かされた。まぁここは普通に食べちゃっていいだろう。毒が盛られてるとかは無いと信じたい。
料理の見た目は高級レストランによくあるような、大きな皿にポツンと置かれてある。あんなに炎にかけたにも関わらず、全く焦げておらず、きれいな物体だ。
「えっ……?!これって何の料理ですか?」
気づいた。これは一体何なんだ?と。茶色と緑色が混ざった、見たことないような食材?が入っている。
「食べてみてからのお楽しみです。」
「えー」
そう言いながらスプーンで意味わからない料理?を掬い、口に突っ込む。
「うまっ!」
咄嗟に声が出た。
「そうですね!傑作なんですよ。」
うますぎてびっくりした。この料理は何だ?もし現実で作れたら、店出して大儲けできんじゃん。
「結局、この料理って何ですか?」
「多分、いずれ分かりますよ。だって、
『そっちの人間なんだから。』」
「えっ?!」
「はい?どうかしましたか?」
「いやっ、どういう意味ですか?」
「そのままですよ。」
不気味な笑顔でこちらを見つめてくる。さっきのはなんだ?明らかに今までとは雰囲気が違う。
「ちゃっちゃと食べちゃってください。冷めるとおいしくないので。」
「はい………。」
さっきまでとは打って変わって怯えながら、会話をする。巨漢に不気味な笑顔で見つめられ、ビビりながら料理を口に突っ込む。
一口、また一口、さらに一口、と。
そして皿の上の料理を平らげた。
「完食ありがとうごさいます!」
相変わらず、不気味な笑顔で見つめてくる。
「おいしいご飯、ありがとうごさいました。きょk──
あっ!ごめんなさい。そ、そんなこと悪口みたいな意味で言ってるわけじゃなくてですね、な、なんというか、な、名前を教えて貰ってないので自分の中でそう読んでただけなんですよ。」
「……………」
「ホントですよ……………。」
「………………」
ニタニタと相変わらず、不気味な笑顔を続け、こちらを見つめてくる。
「………………………」
「あ、あの……?」
「…………………………」
完全に聞こえていない。これは地雷踏んだか………?
「あの……お名前伺ってもよろしいですか?」
勇気を出して、話しかける。
「……………………」
もちろん返事はなく、沈黙を続ける。
「あの……会計だけちょっといいですか?」
「あっ、はい。大丈夫ですよ。すいません。ちょっとボーッとしてました。」
「そうなんですね。」
さっきとは全然違う雰囲気で元の優しい巨漢に戻った。さっきまでの不気味な笑顔もなく巨漢はレジに向かった。俺はそれについて行くことにした。
レジに着き、巨漢がボタンをポチポチ押した。
「1万5200エレクですね。」
「どうやって払えばいいんですか?」
「エレクが書いてある隣に「支払い」と書いてあるはずなんで、そこを押してください。」
言われた通り、エレクが書いてある隣を見ると本当に「支払い」とあった。
「押しました。」
「そしたら、この店からの請求みたいなのが来ると思うので、「支払う」を押してください。」
「押しました。」
「ピロン!」
[支払いが完了しました。]
音が鳴り、目の前にそう表示された。びっくりしたが、目を少し開くだけに頑張って抑えた。なんせこの巨漢さっきのことがあるから、まだ結構ビビってんだよな……
「ありがとうございました。またのご来店お待ちしております。」
「ありがとうございました。美味しかったです。」
そう言い、扉に向かって歩く。もう時間がやばいかもな。と思いながら、歩いていると……
「あっ!ちょっと待ってください!」
そう言われて咄嗟に振り向くと、名刺を手に持った巨漢が目の前にいた。
「あっ……これ名刺です。また食べたくなったら連絡してください。」
「ありがとうございます。」
名刺を両手で受け取って、その名刺を見るとそこには、「レストランマリンテ 代表カマラディー」と書いてある。
「その名刺も、裏に書いてある番号をホログラムの読み取る機能に打ち込めば、データ化できますよ。」
「そうなんですか?ありがとうございます。」
そう言ってレストランマリンテを後にした。
「さて、時間を確認するか。」
今日は5時までに現実に戻らないといけない。プリカースで時間を確認する。
[現在時刻…16:41]
やばい!このままじゃ親が帰ってくる前に商店と鍛冶屋はいけない!
「もうどうしようもないか。」
諦めかけていた時、目の前にさっきのグクレス?みたいな名前のやつが来た。
「あっ!こんにちは。グクルス?さん。」
「こんにちは。あと、グクラスです。」
「あぁ、すいません。それよりグクラスさんに質問なんですけど、ここから商店まで歩いてどのくらいですか?」
「だいたい10分かからないぐらいですね。」
「ありがとうございます。」
「いや、いえいえ。まぁ、あの私この後彼女とデートでして。もうさっきので仕事も終わって、今からテリティームに彼女を迎えに行くんですよ。」
だから、確かにさっきの鎧じゃなくて私服でちょっとおしゃれしているのか。
「それにしてもよく僕だと分かりましたね。さっき会ったときは頭まで鎧被ってて、顔見てないはずなのに。」
「確かに。何でわかったんでしょうね。」
「自分でも分からないんですか!?」
「はい。まぁ多分雰囲気ですよ。」
前世でちょっとした雰囲気の違いで上司の機嫌を1〜100の段階に分類してた男を舐めてもらっちゃ困る。
「というか、何でグクレスさんは俺だってすぐに分かったんですか?」
「そんな頭した人なんて1人しかいないですよ。あと、グクラスです。」
「そうですね。」
会話をしつつ、プリカースで時間を確認すると、さっきから1分経っていた。
「あっ!ごめんなさい。ちょっと時間がないので。ありがとうございました。デート頑張ってください!」
「そっちも頑張れよ!」
そっち?!そっちの人間以外でのそっちは久しぶりに聞いた気がするな。




